転
復讐と復活計画
「お前、ネットで迷惑な書き込みをしたようだな。」
呼び出しを喰らった時点で察しはついていたが、本当に会社の電話にまでかけてくるとはな。
「そんな、誤解ですよ!あいつらが勝手に俺のコメントを悪口と捉えただけです!」
そんな俺の誠実な眼差しも、あの無能が信用する訳が無かった。
「お前の言う事など信用ならん!この会社から出てけ!!お前がいると会社にも迷惑がかかる!!!」
「今まで俺に迷惑をかけてきたお前らが何ほざいてんだよ。こっちはなあ、お前らのせいで何年も理不尽な扱いを受けて来たんだよ。あんな糞上司しかいない会社、早いうちに辞めるべきだったな!」
俺は今までの怒りを部長にぶつけて、会社を出て言った。仕事を辞めたら、俺には何も残らなくなるが、今までの仕打ちを考えると辞めた方がいいと思った。
しかし、住所を拡散されてしまった。家にいるのも苦痛だ。俺を理不尽に追い詰めたRiO信者が憎い。信者が忠実だったら、こんな事態を彼は止められたはずだ。そうしないのは、RiOが信者達を都合の良い下部として利用していたからだろう。それにコメント欄から、相当暇なのか、RiOが毎日一日中アンチコメントを打ち続けているのが分かる。そう思うとRiOに対する憎しみも溢れてきた。俺達のようなファンを十年も放置しやがって...!
それでも、俺はRiOのファンでいたい。俺は失われた十年を取り戻すため、RiOを復活させる決意を抱いた。これは、RiOと信者への復讐も兼ねている。幸い、十年以上貯め続けた貯金があるためこれで一年は暮らしていける。その間、彼を復活させる計画を進めていく予定だ。精神が安定しないため、就職はその次だ。
まず、SNSで適当にサブ垢を作り、RiOとその信者の垢はできるだけブロック。次に、RiOに復活して欲しいと思っている人を地道に集め、半月で50人程のグループを作った。
それから、グループ内でRiOの真実と、俺が彼の信者に今までされてきた事を話した。そして、これからの復讐するための計画を話した。仲間達は協力的で俺を信じてくれた。
SAITAMA700、RiO様最高、俺の個人情報を拡散した一撃のクリムゾンなどのRiO信者達の悪事を各自SNSに晒し、拡散を求めた。RiOの純粋なファンは勿論、彼を知らない人も、信者達が悪いと冷静に分かるはずだ。そうなると、協力者も信者を圧倒的に上回るはずだ。
計画開始から3ヶ月、信者の大半は特定班によりあらゆる個人情報を特定された。拡散しない代わりに、悪事を止めるよう警告した。協力者の活躍により、信者の勢力が1割程にまで減少していった。
「信者の勢力が衰えている今、RiOを復活させるチャンスだ。彼にアンチ廃人を辞めて戻って来るよう説得するんだ。」
グループにそう伝え、俺と仲間達はRiOに復活してほしいと言う気持ちを伝えた。その数はなんと2千件を超えた。
復活、してくれるかな。いや、復活させるんだ。
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