ある日の学園祭②
*****
奏絵「吉岡奏絵と」
稀莉「佐久間稀莉の」
奏絵・稀莉「「これっきりラジオー!」
稀莉「明山大学出張版!」
パチパチパチパチ
奏絵「こんにちはー」
稀莉「やってきたわよ~」
奏絵「たくさんの人だね」
稀莉「本当にたくさん。嬉しいわね」
奏絵「本日は、明山大のアニメ・声優研究会さんにお呼ばれしました」
稀莉「個別オファーでなく、番組オファーとはやるわね」
奏絵「なお、サークルの部長さんは、唯奈ファンだそうです」
稀莉「何故、唯奈を呼ばない!? 何で私たちを呼んだ! 手ごろ、手ごろなの!?」
奏絵「でも今日のチケットの倍率高かったそうですー。来てくれてありがとう~」
稀莉「私を拝めた人は幸運ね」
パチパチパチパチ
奏絵「そこで拍手しなくていいからね! 稀莉ちゃんが調子にのっちゃうから」
稀莉「今日は調子に乗っていいのよ。お呼ばれしたお客様なのよ」
奏絵「確かにそうだけどー」
奏絵「今日来てくれたお客さんは、ココの大学の人が多いのかな? 優先チケットあったらしいけど」
稀莉「ここの大学の人挙手~」
奏絵「おお、けっこういる」
稀莉「だいたい半分かしら。それなりにいるわね」
奏絵「おっ、これっきりラジオの1回目のイベントTシャツ着た人もいる~。空飛びのグッズも掲げてくれてありがとうー。見えてるよ~」
稀莉「よしおかんのライブTもいるわね」
奏絵「中野でライブした時のじゃん」
稀莉「ってことは、私のサプライズを目撃したラッキーな観客ね」
奏絵「……懐かしいねー」
稀莉「なんでテンション下がっているの?」
奏絵「ライブといえば、始まるに私達二人の関わる曲が流れていたよね。空飛びの曲に、番組テーマソングに、私の曲も流れていたかな。ありがとう」
稀莉「大丈夫、〇ャスラックにお金とられない?」
奏絵「こういうイベントでもとってくるの?」
稀莉「奴らは何でもとってくるわ……」
奏絵「こらこらー私たちもお世話になっているんだから」
稀莉「そろそろ、オープニングトーク閉めろって」
奏絵「今日は盛り沢山だからね。じゃあ、いつものジングルよろしく」
~~~ジングル~~~
奏絵「では、フリートークを続けましょう」
稀莉「オープニングトークを終わらせた意味!」
奏絵「まぁまぁ」
稀莉「せっかくなのでこの大学に関わる話をしていきましょう」
奏絵「私達、このイベント前に学園祭を二人でまわったんです」
お客「「えー」」
奏絵「驚いているお客さん多い」
稀莉「全然、気づかれなかったわね」
奏絵「ナンパはもちろん、声もかけられなかったね」
稀莉「それは奏絵を見ている人は、睨んで威嚇したから」
奏絵「いつの間にか稀莉ちゃんガードが発動されていただと!?」
稀莉「焼きそば、焼き鳥と食べたわ」
奏絵「ちゃんと屋台で買いました!」
稀莉「誰かさんはビールを飲みたそうにしていたけど、さすがに我慢してくれたわ」
奏絵「大丈夫、素面だよ! それと綿飴も食べたね」
稀莉「祭を楽しんだ感じになったわね。今年は夏祭り行けなかったから、こうして秋に堪能できてありがたかったわ」
奏絵「今日の会場は大きめの教室なのかな? 大学の雰囲気が懐かしいね」
稀莉「よしおかんはいったい何十年前かしら」
奏絵「……卒業して10年以上が経っているという現実に絶望を覚える」
稀莉「私ももう卒業したのよねー。まだそこまで懐かしさはないけど、他の大学の雰囲気を知らないから、ここは賑やかで楽しそうで羨ましいわ」
奏絵「さすが明山大学、明るいね」
稀莉「明るすぎて、オタクな私たちには眩しいところもあるけど」
奏絵「そんなことないよ、オタクだって光の中で生きていける!」
稀莉「大丈夫、灰になってない?」
奏絵「眩しすぎたら影に入ろう……。そうそう、後ろのホワイトボードに私たちのイラストを描いてくれたんです」
稀莉「さすがオタク、絵が上手い」
奏絵「ありがとうねー」
稀莉「うーん、よしおかんはこんなに若くないわ」
奏絵「う、うるせー。でも特徴はとらえられていて、私と稀莉ちゃんってわかるね」
× × ×
稀莉「そろそろ、コーナーにいきましょうか」
奏絵「皆の答えを知りたい!のコーナー!」
パチパチパチパチ
奏絵「このコーナーでは事前にサークルさんが用意した質問について、お客さんの回答を読むコーナーです。例えば『よしおかんのどこが好き?』という質問に、『声』、『見た目』など回答された紙を読むのです」
稀莉「自分で言って恥ずかしくないの?」
奏絵「あくまで例だよ。見た目はともかく、声は褒めて欲しい」
稀莉「はいはい、全部ダイスキだよー」
奏絵「愛情がこもってないな~」
稀莉「……教室じゃできないでしょ?」
奏絵「なっ……」
稀莉「ともかくやってみましょう。まず1個目の質問」
奏絵「これっきりラジオのここが好き!」
稀莉「どんな回答があるのかしら。このボックスから引くのね」
奏絵「まずは私から引くね、ほれ。どれどれ……『百合度が高い』」
パチパチパチパチ
奏絵「いや、最初それなの!? もっとないの?」
稀莉「否定はできないわ。次はそいっ、『二人の掛け合いが面白すぎる』」
奏絵「そうそう、こういうのでいいんだよ」
稀莉「無難じゃない?」
奏絵「じゃあもう一枚。『植島さんの笑い声が聞ける』、おい。構成作家の笑い声なんてどうでもいいんだよ!」
稀莉「それにあの人、あまり笑わないんだけど」
奏絵「逆にレアな音声なのかな?」
稀莉「でも構成作家の笑い声は、良くも悪くも気になる人は多いみたいね」
奏絵「もっと、私たちを褒めて~」
稀莉「次の項目はこちら」
稀莉「これっきりラジオで1番印象に残っている回!」
奏絵「おーこれは気になる」
稀莉「早速ひくわよ。『ホワイトデーの回』」
奏絵「あー、あれか。稀莉ちゃんがやたらハイテンションだった回か」
稀莉「そりゃそうでしょ! よしおかんからホワイトデーのお菓子でマカロンを貰ったの、意味は……」
奏絵「もう言わんでいい! 次、『よしおかん、30歳バースデー記念会』、ああああああ、もう思い出したくない!」
稀莉「盛大に祝ったわね」
奏絵「あれは完全にいやがらせだったよ! バースデーソングは今でもたまに脳内で流れてくるほどトラウマなんだけど!!」
稀莉「30人の声優さんたちに協力いただいて、編集で声を合わせたのよね」
奏絵「そんな努力しなくてよかった!」
稀莉「『よしおかんが生まれた回』、こっちはよしおかん呼びが始まった初期の回のことね」
奏絵「懐かしすぎる」
稀莉「初期の初期よね。今ではよしおかん以外が考えられないほどに定着しているわね」
奏絵「ありがたいことです」
奏絵「他に『ダミーヘッドマイク回』、あーこれもファンにはたまらなかったよね」
稀莉「今でもたまに聞き返します」
奏絵「え!?」
稀莉「じゃあもう一枚でラスト。……なるほど、『稀莉ちゃんがこれっきりラジオに戻ってきた回』。これは、そうね私も1番印象に残っているかしら」
奏絵「うん、本当に嬉しい回だったな。やっぱり二人のラジオは最高だと改めて実感したよ」
パチパチパチパチ
稀莉「ありがとう、ここまで来られたのはリスナーのおかげです」
奏絵「じゃあ、良い感じのところで次のコーナーいきましょう」
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