Interlude

Interlude ―カタチのない色味―

 彼女は怒っているだろうか。

 ……当然、怒っているだろう。


「……」


 たぶん今の私はこの海の色よりも透明で、何色にもなれない。海に沈んでも海の色を変えることなどできないだろう。ただ溶けていくだけ。

 そう、もう誰かを染めることなどできない。輝こうとしてもどうにもならない。


 でも思うんだ。もう十分に私の役目は果たせたと。

 きっと私は君のために生まれてきたんだ。君が笑顔にする皆のために生まれてきた。君が照らす誰かのために私はいたんだ。


 それが私の役目で、私の物語はここで終わり。

 悪くない。良い人生じゃないか。


 君という星が輝くために、私は生きられた。

 だから、笑ってくれているといいな。

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