第17章 ふつおたでもいいと思う④

咲良「さて、もう帰りたい気分なイントロでしたが、ここからはコーナーを始めるよ!」

真琴「画面に注目です!」


咲良・真琴「番組をふりかえろー!」


咲良「こちらのコーナーでは、各々の番組を振り返ります。パーソナリティに事前に渡した、質問の答えを発表するぜ」

真琴「さらにスタッフからの声、また各番組にゲスト出演した人に番組の印象を話してもらいます」


唯奈「なるほど、だから5番組にそれぞれ一人ゲスト出演させたわけね」


咲良「その通り、全てはこのコーナーのためにありました!」

真琴「では、まずは『新山梢のコズエール!』から行きましょう」


梢「ふええ、私からですかぁ」

真琴「はい、まず1つ目の質問はこちら」

咲良「今までで1番楽しかったこと!」

真琴「梢ちゃんの回答はこちらー」


梢「番組でケーキバイキングに行ったことですぅ」


咲良「あー、梢ちゃんらしい」

真琴「詳しく話してくれますか、梢ちゃん?」


梢「お誕生日企画で、お店を貸し切って収録したんですぅ。たくさんのケーキ、デザート。梢、幸せでしたぁ~」


ひかり「羨ましい!」

彩夏「私たちの誕生日企画なんて、基本罰ゲームだよ」

唯奈「私は特大ケーキを用意してもらったわ」

ひかり「ずるっ!」

彩夏「今から番組を変えよう」


真琴「皆そんなこと言わないでくださいね。ラジオ、コズエールについての印象をスタッフから聞いてきました」

梢「ふええ、緊張しますぅ」

咲良「画面に出るよ、ばばーん」


梢「えぇ~」


咲良「あはは、三つ書かれているね。一つ目が、『コズエールの作家やってから10kg太りました』。どういうことかな、説明よろしく梢ちゃん!」


梢「何で太るんでしゅかね」

真琴「はいはい、手を上げている、よしおかん!」


奏絵「打ち合わせで食べすぎなんだよ!」

梢「ふえ?おやつですよ、おやつ」

奏絵「1つ食べるなら許せるけど、ドーナッツ5,6個食べてたよね、梢ちゃん!」

梢「……お、おやつ」

奏絵「おやつとはいったい」


咲良「他にはこんなコメントがあるね。『優しい子豚がたくさんいる』?どういうこと、これ?スタジオで豚飼っているの?」

梢「これはきっとリスナーしゃんのことですぅ」

ひかり「え、この子、リスナーのこと豚扱いなの?」

彩夏「可愛い見た目とは裏腹に女王様!?」

梢「違います、豚じゃなくて子豚しゃんですぅ」

彩夏「違いがわからない……」

真琴「あはは、本当に子豚なんですね。確かに梢さんのラジオのリスナー、子豚さんは優しそうですね」

梢「はい、子豚しゃんは皆さんいい子、いい子ですぅ~」

ひかり「私が言ったら、絶対別の意味だよ、この台詞。うちの子豚はいい子ね、フフフ」

彩夏「ぶ、ぶひ~」


咲良「そんな子豚だらけのラジオにゲスト出演した、よしおかんからの印象はこれだ!」


奏絵「子豚だらけって語弊あると!あー、印象は癒され空間。けど、住む世界が違って疲れる」

梢「えぇー、どういうことでしゅか、よしおかんしゃん」

奏絵「そのままの意味ですね……。ラジオ番組も、何も争いが起きない、優しいラジオで、梢ちゃんの声を聞くだけで癒されるんだけど、ツッコミ役の私としては、あれ、私ってツッコミ役なの?まぁいいけど、ともかくテンポが乱される!常識が通用しない。だから慣れないかな……って。きっと住めば都!」

稀莉「よしおかんと住むのは私!」

奏絵「急に張り合わないで稀莉ちゃん!」


咲良「はいはい、次行くよー。次は『これっきりラジオ』ラジオのターンです」


稀莉「えー、私達?」

奏絵「……どんなこと書いたか覚えていない」

稀莉「アラサーだものね」

奏絵「年のせいではないよ!?」


真琴「行きますよ、お二人さん!最初はこれ。番組で1番辛かったことー?」

咲良「さっそく回答が画面に出るぜ!」


奏絵「あー」

稀莉「何で!」


咲良「佐久間さんは、『風邪でよしおかんがラジオ収録休み』、よしおかんは『イベントで告白された』という回答です。めっちゃ草」


稀莉「嬉しいことでしょう!?」

奏絵「私のSNSがめっちゃ炎上したんだけど!」

稀莉「いいじゃない、収録されていなかったんだから」

奏絵「本当に良かったよ!イベント映像にでも残されていたら炎上どころじゃなかったよ!!」


真琴「何で告白については二人とも否定しないんでしょうね……」

唯奈「おい吉岡、後で楽屋で話そう」

奏絵「こわっ、唯奈ちゃんの目こわっ!呼び捨てこわっ!!」

真琴「相方がお休みは辛いですね。ゲストでも来てくれたらいいんですが」

稀莉「もう二度と一人収録は嫌だわ」

奏絵「あの時はありがとうね」


咲良「お次、言ってもよろしいですかね?」

真琴「さくらん、いつもの元気を出して!」

咲良「いくぞ、お前らー、次だー!」

真琴「その意気ですよ!」


咲良「画面ドーン!思い出の場所は?」


稀莉「露天風呂」

奏絵「桜」


咲良「おい、おい。普通に露天風呂が思い出の場所ってどういうことだよ」

奏絵「待って、稀莉ちゃん!それは待って!」

稀莉「え、一緒に露天風呂に入ったのよ?」

真琴「裸のお付き合い、ということですか?」


お客さん「「おーーー」」


唯奈「おい吉岡、いますぐ楽屋に行こう、さあ、さあ!」

奏絵「怖い、唯奈ちゃんがマジで怖い!!普通にお風呂入っただけだって!」

稀莉「ぽっ」

唯奈「よしおかあああああああ!」

奏絵「稀莉ちゃんも何かあった風に恥ずかしがらないでっ!」


真琴「えーっと、桜はどういうことでしょうか、よしおかん」

奏絵「桜を見たんです」

真琴「お二人がラジオ番組を始めたのは4月なので、始めた当初のことのエピソードですか?」

奏絵「それは、秘密……です」

梢「わぁ、素敵でしゅ、秘密でしゅ!!」

咲良「梢ちゃんが急に食いつく!」

梢「乙女は秘密だらけなんです~」

稀莉「二人だけの秘密よ」

唯奈「稀莉!教えてよ稀莉!!」


真琴「ヒートアップしてきましたが、これっきりラジオにゲスト出演したのは、私のパートナー、さくらんです!どうだった、さくらん?これっきりラジオはどんなラジオでしたか?」

咲良「発表します……いちゃらぶを見せつけられるラジオ!」


奏絵「ち、違う!」

真琴「よしおかんは否定しますが、さくらん解説どうぞ」

咲良「こいつら、休憩時間もめっちゃイチャイチャしているから。で、それが無自覚なところがやばい」

奏絵「そんなことない!言い合いばっかしているから」

咲良「言い合っているのもただの痴話げんか。はいはい、可愛いね、可愛いと見てて思う」

稀莉「よくわかっているじゃない」

奏絵「稀莉ちゃんも認めないで!例えば何がいちゃらぶに見えるの?」

咲良「話していいの?」

奏絵「うっ」

咲良「本当に話していいの?」

奏絵「ごめんなさい、話さなくて良いです……」


お客さん「えー」


咲良「そんなお客さんは聞いてくれればわかるよ、今回発売されたDJCDのオマケ!」

真琴「あー、ただの水族館デートでしたね」

咲良「私は何を聞かせられているんだ……っていう衝撃だったぜ。もう、普通にデートなの。魚を見に行っているはずなのに、二人のことばかり話すし、食事もあーんとかしちゃってるし、それに……」

奏絵「もうやめて、さくらん!!」

咲良「気になる人は、物販ブースで『これっきりラジオ 第1章』を買ってくれよな!」

真琴「ナイス宣伝です!」


唯奈「楽屋じゃなくていいから今から詳しく聞かせてもらっていいかしら、吉岡さん?」

奏絵「何で笑顔なの!怖い!私の命日は今日なの?」

稀莉「あのね、奏絵がね」

奏絵「普通に話そうとしないで、稀莉ちゃん!!」


お客さん「「わはは」」


ひかり「私達空気じゃね?」

彩夏「もう早く次の番組紹介してよ!」

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る