352話 高月マコトは、約束を思い出す

太陽の国ハイランド月の国ラフィロイグによる定例会議◇


 西の大陸、いや世界有数の大国である太陽の国ハイランド

 そして、新興国ながら国民全員が『上級魔法使い』という戦闘民族な『月の国ラフィロイグ』。


 この二カ国は仲が良くない。

 そのため、定期的に首脳陣が集まって話し合いをしている。

 

 すでに何回か開催されているらしいが、参加するのは初めてだった。

 俺は広い会議用のホールの隅っこの席に座っている。


 隣にいるのは桜井くんだ。

 しばらく会議の内容を聞いていてわかったことがある。 


「月の国の軍が、国境付近で度々演習をするのはどういう意図かな?」

「通常の訓練だ。とやかく言われる筋合いはない」

「非常に目障りだ。今後は控えられよ」


「それはこちらの自由でしょう。それより太陽の国の奴隷商人を犯罪者として引き渡すよう、要求している件の返事はどうなったのか?」

「それはできないと答えたはずだ。つい最近まで奴隷商は太陽の国において合法だった。犯罪者ではない」


「年端もいかぬ月の国の民を子供を攫って奴隷にしておいて、合法だと!」

「そもそも当時は、魔人族や亜人は民と認められていなかった」

「なんだとっ……!」

「ふん、過ぎたことを」


 議論は白熱……というか、荒れていた。

 歴史的背景を鑑みれば致し方ないのかもしれないが。


(桜井くん、この会議っていつもこんな感じ?)

(うん、今日は大人しいほうだよ。第一回なんて、剣を振り回したり攻撃魔法を放つ人もいたから)

(それは会議……なのか?)

(はは……)

 桜井くんが困った顔で答えた。

 

「差別主義者どもが!」

「なんだと! 野蛮な魔法使いが!」

「口をつつしめ。女王様の御前だぞ」

 その言葉に、皆の視線が高い段上に座る二人の人物に集まる。


「申し訳ありません、フリアエ女王陛下!」

「失礼いたしました、ノエル女王陛下!」

 少し退屈そうな表情のフリアエさんと、おっとりと微笑んでいるノエル女王だ。


「仕方ない子たち……、悪いわね。ノエル女王」

「いえ、こちらこそ。フリアエ女王」

 フリアエさんとノエル女王は、白熱する人々と対象的に穏やかに微笑み合っている。


「少し落ち着きなさい」

「乱暴な言葉はいけませんよ」


「「「「「「「「「「はっ!」」」」」」」」」」」」

 フリアエさんとノエル女王が言うと、会議に参加している面々は一斉に頭を下げた。

 どうやら女王様の二人がこの場を、上手くコントロールしているようだ。


(桜井くんは会議に参加しないの?)

(僕は警護の責任者だからね。黙っているよ)

(桜井くんって太陽の国の副国王だよね……?)

(それと太陽の騎士団の総長でもあるからね。この会議は、西の大陸でも有数の首脳陣が集まっているから、重要な仕事だよ)

 首をかしげる俺に、桜井くんが説明してくれた。

 とはいえ。


(誰かに任せればいいのに)

 わざわざ桜井くんが直接、警護責任者をやる必要はないだろう。

 そう言うと、桜井くんが困った顔で苦笑した。


(でも、そしたらこの会議に参加することになるだろ?)

(駄目なの?)

(僕は異世界から転移した身だからさ。口は挟めないよ)

(……確かに、そうだね)

 太陽の国と月の国の確執は根深い。


 それを数年前に異世界からやってきたばかりの人にとやかく言われてもいい気はしないだろう。

 当事者ではないのだから。

 桜井くんの言う通りだった。


 じゃあ、しばらくは生産性の無い会議を聞いているだけなのか……、というげんなりした表情が顔にでたのかもしれない。


(高月くん、会議が飽きたならこの砦の施設を案内しようか?)

(いいの?)

(ここの警護は厳重だからね)

 責任者が離れてもいいのか? という質問だったが、怒号が飛び交う会議にずっといるのも疲れるので俺は桜井くんの申し出をありがたく受けた。


 砦の周囲には、軍用の訓練場がある。


 そこでは警備も兼ねてか、月の国や太陽の国の軍人さんが気ままに訓練をしていた。 


 桜井くんは、あっという間に太陽の騎士団の人たちに取り囲まれている。

 やはり近代の救世主だけあって凄い人気だ。


 と思っていたら、俺は月の国の魔法使いたちに捕まった。


「高月マコト様! いつ月の国へ移住してくれるのですか!」

「フリアエ様とのご関係は!?」

「精霊魔法を教えて下さいませんか!?」

 とりあえず精霊魔法は教えました。


 なんだかんだで時間は潰せた。

 


 会議は夕方まで続いたらしい。



 先程、それが終わったと連絡を桜井くんが受けている。

 その後、桜井くんから夕食に誘われた。


 ノエル女王やフリアエさんも一緒ということなので、二つ返事で了承した。


「砦の最上階が、王族用のスペースになってるんだ。ノエルも高月くんと話したがってたよ」

「それは光栄」

 桜井くんに案内され、俺は大きな扉の前にやってきた。


 そこだけは無骨な砦の中で、豪奢に装飾されいかにも王族用の造りとなっている。

 扉の中からは、微かに話し声が聞こえた。


 桜井くんがノックをして扉を開くと、中から大きな声が響いてきた。



「だいたい、太陽の国の民はどうしていっつも偉そうなのよ!」

「月の国だって、毎回喧嘩を売ってくるじゃないですか!」


(え?)

 怒鳴り合いの声だ。


 桜井くんは慌てず、声が外に響かないようにか、さっとドアを閉める。


「女王のあんたがしっかり命令すればいいことでしょ!」

「フリアエこそ、どうして好き勝手にさせてるんですか!」


 先程の会議では穏やかに微笑んでいたフリアエ女王陛下とノエル女王陛下だった。

 両国のトップが、感情的に言い争っている。

 こ、これは一体?


「私は自由主義なのよ! あんたのところと違ってね!」

「だからって放置し過ぎです! 少しは管理をしなさい! 貴女の国でしょう!」


(桜井くん……、これは?)

 俺が隣にいる幼馴染に聞くと。


(いつも通りだよ)

(これが……いつも通り?)

 どうやらさっきの会議で落ち着いているように見えたのは演技だったようだ。


「そんなんだから、太陽の国の貴族が離反していくのよ。また反乱が起きたんですってねー」

「それはすでに鎮圧済みです。月の国こそ管理が疎かで財政が悪化し続けているのは知ってるんですよ」


「う、うるさいわね! いっとくけど、戦ったら月の国のほうが強いから!」

「あらあら、面白いことを言いますね。冗談にしても面白くありませんよ。生まれたばかりでよちよち歩きの月の国さん?」


「は? 戦争する気?」

「受けて立ちます」

 女王様二人が、額を突き合わしてにらみ合っている。

 おいおいおい。


(桜井くん!?)

 会話がやばい方向に進んでますよ!?


「おーい、二人とも。高月くんが来てるよ」

 ここで桜井くんが声をかけた。


 フリアエさんとノエル女王は、俺たちが部屋に入ったことに気づいてなかったらしい。

 二人がぱっとこっちへ振り向いた。


「マコトさん! お久しぶりです」

 ノエル女王が満面の笑みでこちらへ駆け寄ってきた。


 フリアエさんも慌ててそれに続くが、ノエル王女が俺の近くにいるので、桜井くんの腕を掴んで、ノエル女王を指さした。


「リョウスケ! あんたの女でしょ! びしっと言ってやって!」

「えぇ、それはちょっと」

 桜井くんは困った顔をこっちに向ける。


 それを見てノエル女王が、むっとした表情になる。

 が、ぱっと潤んだ目でこちらを覗き込んできた。


「マコトさん~、フリアエが私をいじめるんです。叱ってください」

「あの……ノエルさん?」

 思いっきり怒鳴り合ってましたよね?


 ノエル女王をいじめられる人とか、この大陸にいるんだろうか。

 フリアエさんがつかつかと、こっちへやってきてノエル女王の手をひっぱった。


「私の騎士にべたべたしないで!」

「そっちこそ私のリョウスケさんに馴れ馴れしいですよ」

 いがみ合っている。


 うーん、太陽の国と月の国の平和は大丈夫だろうか。

 運命の女神様の苦労が心配だ。


「だいたいフリアエはいい加減に伴侶を見つけたらどうですか? 七国の王で独身なのは貴女だけですよ」

「う、うるさいわね。いいでしょ、私のことは放っておきなさいよ!」


「全然よくありません! 女王になっていつまでも初心ウブなのは許されま……」

「……やったわよ」


「え?」

「昨日、私の騎士と結ばれたの! だから問題ないのよ!」

 赤い顔のフリアエさんが、ぷいっとそっぽをむく。


 視線を感じて隣を見ると、「へぇ~」桜井くんが面白そうにニヤニヤしていた。

 く、なんか腹立つ顔だな。


 そして、ノエル女王はさっきまでの険しい表情を一変させ、満面の笑顔になった。


「よかったー! ずっと心配してたんですよ、フリアエ! マコトさんの周りの女性はみんな積極的で美人ばかりですから。このまま遠慮して何もしないんじゃないかと気が気じゃなくて」

 ノエル女王はニコニコしてフリアエさんの肩をぽんぽん叩いている。


「もうっ! 本当はもう少しあとで驚かせてあげようと思ったのに」

 フリアエさんは照れるように、ニマニマしている。


「で、どっちから迫ったんですか?」

「決まってるでしょ! 私の騎士からよ。男らしかったわ」

「きゃー☆ もっと詳しく教えてください!」

「ちょっと落ち着きなさいよ」


 ノエル女王とフリアエさんが、女子高生のような会話をしている。

 さっきまでの険悪な雰囲気は跡形もない。


「えっと……、桜井くん。これって」

「実は結構仲がいいみたいだよ。お互い対等に話せる人が少ないみたいで」

「なるほど」

 そうだったのか。

 さっきまでのは喧嘩するほどってやつか。


「じゃあ、せっかくマコトさんが来てくれましたしみんなで夕食にしましょう☆」

 ぽん、と手を叩いてノエル女王が提案する。

 

 ほどなくして、部屋に豪勢な食事とお酒が運び込まれた。


 そのまま夕食という名の宴となった。




 ◇




「ううー、どうして私には子供ができないんですかぁ~!」

 ノエル女王が赤い顔をして、だらしなくテーブルにつっぷした。


 どうやら最近のノエル女王陛下のお悩みは、『妊活』らしい。

 毎晩励んでいるが、なかなか子宝に恵まれないと。


 みんな酔っているせいか、随分と生々しい話になった。


「大変ねぇ、あんたも……」

 フリアエさんが同情的な表情で、ノエル女王の頭を撫でている。


「うぅー、フリアエ。私の未来を予知してくださいよー」

「同じ聖女の未来は視えないって、何回すればいいのよ。この話」


「だってー、早く世継ぎを作れって王族皆や教会関係者からプレッシャーかけられるんですよー」

「ノエルが普段私に言ってるのって、自分が言われてることだったのね……」


 ノエル女王はすでに何杯もワインをおかわりしている。

 フリアエさんは、度数の高そうな火酒をずっと飲んでるし。


 ……この二人、酒豪だな。


「フリアエはいつ子供をつくるんですか?」

「わ、わたし……えーと、そうね~」(チラ、チラ)

 フリアエさんが、こっちに意味ありげな視線を向ける。  


 な、なんて返せばいいんだ。

 た、助けてくれ! 桜井くん!

 と、俺が幼馴染に助けをもとめると。


「…………」

 やや気まずそうに、氷でやや薄くなったカクテルを飲んでいる。


 そりゃ、そうだ。

 もともとの原因は桜井夫妻の妊活の話だし。

 ふと気になることがあった。


「あれ? 桜井くん、下戸じゃなかった?」

「光の勇者として覚醒してから、少しだけ飲めるようになったよ」


「へぇ! いいね。実は俺も神族化してお酒に強くなったからこれで飲みに行けるね」

「うん、今度藤原くんも誘おうよ」

「いいねー、隠れ家的な店を紹介してもら……」


「おい、男ども。話題をそらすな」

「「はい」」

 フリアエさんにツッコまれた。

 うん、誤魔化せませんよねー。


 すすす、とノエル女王が桜井くんのほうへ。

 フリアエさんが俺の隣に座り、こてんと身体を預けてきた。


「リョウスケさん……、そろそろできてもいい頃だと思うんですよねー」

「ああ、頑張るよ。ノエル」

「じゃあ、今夜も……♡」

「いや、待ってノエル。高月くんたちもいるし……」

 だいぶ酔っているノエル女王を、桜井くんがなだめている。


「ねぇ、私のマコト?」

 呼び名が変わってる。


「姫、どうしたの?」

「んー♡」

 キスをせがまれる。

 もちろん、応えないわけにはいかない。


 そしたら、そのままフリアエさんに押し倒された。

 隣では、桜井くんがノエル女王に押し倒されている。 


「リョウスケさん……♡」

「マコト…………♡」

 流石にそのまま流されるわけにもいかず、なんとか抜け出した。


 が、フリアエさんとノエル女王は俺たちのノリが悪いのが気に入らないらしい。 


「ノエル、男たちを飲ませて潰すわよ」

「いいですね、もっと酔わせてやりましょう」

 二人の女王様から、肉食獣の目で見つめられ。


「「ひぇ」」

 俺と桜井くんは、子鹿のように震えた。 


 宴会はこんな感じで、だらだらと続き。


 夜はふけていった。




 ◇




 ――目を覚ました。



 まだ外は暗い。


 どうやら宴会途中で寝てしまったらしい。


 部屋を見回すとソファーで桜井くんが眠りこけている。


 確か一番最初に潰されたんだったか。

 ちなみに二番目は俺だ。


 大きなベッドでは、フリアエさんとノエル女王陛下が並んで寝息を立てている。

 いつまで飲んでいたんだろう、二人は?

 俺は彼女たちに毛布をかけた。


 みんなを起こさないように、部屋にある大きなバルコニーへ出た。


 夜明け前の澄んだ空気だ。


 修行をするには丁度いい。


 

☓☓☓☓せいれいさん☓☓☓☓せいれいさん

 精霊語で話しかける。


☓☓☓☓なんだい? ☓☓☓☓☓☓ノアさまのしもべ

 時の精霊が答えてくれた。


 最近やっと少しだけ会話をしてくれるようになった。


☓☓☓☓☓☓おしゃべりしよう

☓☓☓☓☓☓きょうみないね

 某ク○ウドさんのような、つれない返答をされた。


 時の精霊の扱いは難しい。


 その後、しばらく修行を続けていると。



「マコトさん? 早起きですね」

 後ろから声をかけてきたのは、ノエル女王陛下だった。


 起きてすぐなのか、髪に少し寝癖がついている。


「おはようございます、ノエルさん」

 俺は返事をした。 


「大魔王を倒したのに修行ですか? もっとゆっくりされてもいいのではないですか?」

 優しく微笑む表情に、どうしても俺は聖女アンナさんを重ねてしまう。




 ――マコトさん……私との約束。覚えてます?


 ――覚えてますよ


 ――忘れたら許しませんからね!


 目に涙を浮かべたままの笑顔。


 それが最後に覚えているアンナさんの表情だ。


 その記憶が鮮やかに蘇った。




「マコトさん?」

 俺はよっぽど奇妙な表情をしていたのか、ノエル女王が心配そうな視線を向けてきた。


「約束を……果たさないといけませんから」

 誰にも言っていなかったこと。

 ついそんなことを口にしてしまった。


「約束……ですか?」

「アンナさんを待たせてますから」

「えっ!?」

 俺の言葉にノエル女王が目を見開く。


「聖女様と約束!!! いったい、どういうことですか! マコトさん! 教えてください!」

「あっ、いや。それは……えっと」

 まずいと思った時には遅かった。

 誤魔化そうにも、ノエル女王は聖女アンナを崇拝する勢いで尊敬しており逃れられなかった。


 俺は観念した。

 ゆっくりと口を開く。


「ノエルさん……、この話は秘密でお願いしますね」

「わ、わかりました!」

 一応、口止めをしておく。


「千年前の大魔王を倒したあと、現代こっちへ戻ってくる前に、アンナさんと約束したんですよ。現代で大魔王を倒したら会いに行くって」


「…………え?」

 俺の言葉が理解できないようにノエル女王が目を丸くした。


「せ、千年前に戻る? ……そんなことが可能なんですか?」

「これ言ってもいいんだっけ? 時の精霊を使」


(言っていいわけないでしょ! ボケ! 地上の民に伝えるのは神界規定違反よ!!)

 脳内に運命の女神イラ様の御声が響く。

 すいませんでした、イラ様。


「具体的な方法は言えませんが、一応手段はあります」

「そ、そうですか」

 気になるようだが、ノエル女王は何かを察したのかそこは踏み込まないでくれた。


(しかし、いつになったら時の精霊の助力が得られるのか……)

 水の精霊と違って、未だに上手く扱えない。

 アンナさんとの約束を果たせるには、まだまだ時間がかかりそうだ。 


「マコトさんが、アンナ様と再会の約束を……」

 ノエル女王は何か感極まったような顔をしている。 


 やっぱり口止めしておいてよかったと思った。

 放っておくと大陸中に広められそうだ。

 

 その後、千年前のアンナさんのことについてノエルさんは聞きたかったようで質問責めにされた。

 そういえば一緒に、海底神殿を攻略した時もアンナさんの話を聞きたがってたっけ?

 太陽の国の創設者だもんな。



 しばらくすると、夜が明けて空が白み始めた。



「そろそろ、戻りますか」

「そうですね」

 俺とノエル女王が部屋に戻ると、フリアエさんと桜井くんも起きていた。


 二人で話していた様子だが、桜井くんは二日酔いなのかまだ眠そうだ。

 俺たちに気付いたフリアエさんが、ぱっと立ち上がる。


「あー! 二人でどこに抜け出してるのよ! ノエル、私の騎士に手を出したら承知しないわよ!」

「出しませんよ! マコトさんは聖女様とのやく……」

「はい、ストップ」

 さっそくアンナさんとの約束の話をバラそうとするノエル女王の口を慌てて塞ぐ。

 

 この調子では、近々ソフィア王女あたりにはバラされそうだ。

 まぁ、別にいいのだけど。


(ハーレム野郎は大変ね)

 運命の女神イラ様、まだ視てたんですか。


(仕事終わんないのよー、手伝いにきなさいよー)

 時間が作れたら伺いたいんですが……。


 その時、ずいっとフリアエさんがこっちにやってきてじぃーっと見つめてきた。

 ノエル女王は、桜井くんの方へ移動して水を飲ませている。

 

「ねぇ、私の騎士。やっぱりノエルと仲良すぎじゃない? 何を話してたの? 言いなさい」

「い、いや大した話じゃないよ。千年前の思い出話とか」 


「いーや、それだけじゃないわね。聖女の勘よ。何か隠してるに違いないわ」

「ほんと、ただの雑談してただけだから」


 結局。


 フリアエさんから小一時間ほど問い詰められ。


 全て白状させられたことを伝えておく。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る