319話 高月マコトは、太陽の巫女と再会する

「ノエル女王……?」

 地下の薄暗い牢獄。

 そこに居たのは太陽の国ハイランドの女王陛下だった。

 何故こんなところに……?、と考える前に『危機感知』スキルが反応した。

 ノエル女王が囚われている牢屋の前に、見張りが二人いる。


(……『隠密』スキル)


 慌てて気配を隠す。

 もっとも、両者ともやる気がなさそうでぼんやりしており、遠くに居るこちらに気づいていない。


「はやく逃げないのか? ご主人」

 黒猫ツイが不思議そうにこちらを見ている。


「ノエル女王を助けよう。黒猫、協力してくれ」

フリアエひめ様が嫌っている女ではなかったか?」 

「友達の奥さんなんだよ。見捨ててはおけない。俺の精霊魔法だと威力が大きすぎるし、水の大精霊は今不調で、助けてもらうのが難しい。良い手はないか?」 

「なるほど……猫の手も借りたいというわけか、ご主人。ふふ、そこまで頼られては仕方ない」

「…………あぁ、助かるよ」

 我が使い魔ながら、こいつは本当に猫なのだろうか?

 会話していると、どっかのだれかが転生してきたんじゃないかと思えてくるくらい人間くさい。

 

 そんなことを思っていると、黒猫が「にゃーお」と可愛らしく鳴きながらノエル女王が囚われている牢屋に近づく。

 見張りが気づいたようだ。


「何だこの猫? 迷い込んだのか」

「可哀想に、地下の牢獄階は迷路のようになってるからな」

「お、こいつ撫でても嫌がらないぞ」

「人懐っこいな。飼い猫か」

「どれ地上まで送ってやろう」

 猫好きなのか見張りの一人が腕を伸ばして黒猫を抱き上げる。

 次の瞬間、黒猫の目がキラリと光る。



 ――月魔法・睡魔の呪い


 

「「…………え?」」

 二人の見張りはあっけにとられながら、黒猫の魔法にかかりその場に崩れ落ちた。

 そして「グーグー」というイビキが聞こえる。

 俺は足音をたてないようゆっくりと、ツイのほうへ近づいた。 


「いつの間にそんな魔法を覚えたんだ?」

フリアエひめ様に教えてもらったのだ」

 俺の疑問にこともなげに答え、毛づくろいをする黒猫。

 フリアエさん……何を教えてるんだ。

 だけど、今は助かった。

 

 牢屋の中に居るノエル女王はぐったりとしていてこちらに気づいていない。

 寝ているのかと思ったが、俺の気配を察したのかぱっと顔を上げた。


「ま、マコト様!?」

「静かに」

 大声を上げそうになるノエル女王に向けて、口に指を当てるジェスチャーを送る。

 

「……どうやってこちらへ?」

「使い魔に助けてもらいました。ノエル女王を発見したのは偶然です」

「にゃーお」

 黒猫が応えるように鳴く。


「まぁ、可愛らしい使い魔さん」

「ひとまず牢屋から出ましょう」

 俺はそう言って、女神ノア様の短剣を引き抜く。

 牢屋の扉には、禍々しい魔力マナを放つ魔法の錠がかけてあった。


「マコト様……、この牢は特別強固な結界魔法で施錠ロックされています。王級以上の結界魔法の使い手が居なければ……」

 ノエル女王が何かを説明しているが、時間が惜しいので俺は短剣を振り下ろす。



 ――カン



 と音をたてて、魔法の錠は真っ二つに割れた。


「え?」


 あっけにとられるノエル女王の顔を見下ろしつつ、俺はゆっくりと牢屋の扉を開ける。

 手入れがされているのか、特に音も立てずに扉は開いた。


「あ、あの……、さっきのはどうやって……」

「細かい話は後にしましょう。立てますか?」

「はい、ですがここから出ることはできません。私の足を見てください。この足枷が『地の鎖』と繋がっていて私は逃げられないのです。この魔法の鎖は、勇者の聖剣クラスの武器でなければ斬ることができ……」



 ――キン



 ノエル女王の足を縛っている鎖を切り落とした。


「…………は?」


 淑女らしからぬ声と表情で固まるノエル女王陛下。


「さ、出ましょうか」

「い、いやいやいやいやいや! マコト様!? 一体どうやったんですか!」

「道中に説明しますよ」

「は、はぁ……」

 納得がいかない顔をしているが、ノエル女王は大人しくついてきた。


「流石は天の鎖をバラバラにしたご主人の神器だ。国宝級の魔法具がまるで玩具だな」

「天の鎖をバラバラ!? って猫が喋っている!?」

 ノエル女王が混乱したかのように、目を白黒させている。

 というか、こいつ何をいってるんだ。

 その話は秘密だと言っただろう。


「おい、ツイ」

「……すまぬ、ご主人。口が滑った」

 殊勝な顔で謝られても遅いんだが?


「ノエル女王陛下、猫の冗談を真に受けないでくださいね」

「あの……、こちらの猫の使い魔さんは流暢にしゃべるのですね。それに太陽の国の最高ランクの宝具の一つである『天の鎖』がバラバラにされたと聞こえたのですが……」

「ははは、そんなはずありませんよ」

 冷や汗が背中を伝う。


「……さっき『地の鎖』をあっさり斬っていましたよね?」

「さぁ、まずは脱出しましょう!」

「は、はい」

 強引に話題を切り替える。

 助けてもらってなんだが、ツイとはあとで話し合わねばならない。

 二人と一匹は、薄暗い地下の迷路を進む。 


 道案内は黒猫だ。

 何処までも続く牢屋の迷路を奥へ奥へ進む。

 ぽつぽつと蝋燭の明かりが足元を照らす。

 しばらく無言で、足音だけが響いた。



「ここだ、ご主人。影魔法・影渡りで九区街の廃屋へ出られる」

 と言うや宙に浮かぶ黒い穴に、黒猫はひょいと入った。


「ノエル女王、先にどうぞ。危険は無いはずです」

「は、はい……」

 おそるおそるという動作で、ノエル女王が影渡りの黒い穴に入っていく。

 俺もその後に続いた。



 一瞬の真っ暗。

 次にぼんやりとした太陽の光が目に入ってきた。

 


「ここは……?」

「どうやら空き家みたいですね」

 ノエル王女がハンカチで口元を抑えている。

 埃っぽいせいだろう。

 人が住まなくなって数年が経過したような、荒れ果てた屋内だった。

 

「さて、どこかへ移動したいけど……」

 俺はノエル女王の服装を眺める。

 牢屋に長く居たためか、ややくたびれているがそれでもひと目を引く派手なドレスだ。

 その格好で街中を歩けば、あっという間に女王様だとバレてしまうだろう。

 ノエル女王も俺の視線の意味に気づいたようだ。


「申し訳ありません、マコト様。着替えは持ち合わせてなくて……」

「仕方ないですよ。ツイ、ノエル女王の着替えを探してきてくれないか?」

「ご主人は、猫使いが荒い……しばらくお待ちあれ」

 と言って、トトト……と影の中に消えていった。


「待ちましょうか。どこか座れる場所は……、ここですかね。……水魔法・水洗い」

 俺はなんとか座れそうな椅子を水魔法で洗った。

 

「どうぞ」

「ありがとうございます」

 申し出に大人しく従ってくれるノエル女王。

 俺はその近くの地面に座った。


「「…………」」

 わずかな沈黙が訪れる。

 何から聞こうか、と言葉を選んでいた所。


「……マコト様は現状をどの程度把握されますか?」

 先に質問された。


「えっと、悪魔の王に気絶させられた後は王城の一室で目覚めて……」

 俺はここ数日の出来事を説明した。

 そして、ノエル女王からも何があったかを教えてもらったが、残念ながらノエル女王の持っている情報も俺と大差なかった。


「そうですか、では式典のあとのことはわからないんですね」

 俺と同じようにずっと囚われていたようだ。


「俺の知り合いは全て厄災の魔女に『魅了』されていました。ルーシー、さーさん、ソフィア王女まで……」

「はい……私もです光の勇者リョウスケさん、そして大賢者様まで……」

「桜井くんと、モモに会ったんですね」

 俺はほっと息を吐く。

 姿を見ていない二人が無事であることが確認できた。 


「しかし……リョウスケさんは私の姿を見ても何も言わず……私が誰かもわかっていないようでした」

 ノエル女王の表情が暗い。


「変ですね……、光の勇者に魅了は効かないはずなのに……」

 俺たちがいる空き家の窓からに太陽の光が差し込んでいる。

 暗闇の雲に覆われていた千年前とは違う。

 それに、厄災の魔女と面識のあるはずのモモまで?


「大魔王から力を引き継いだ厄災の魔女は千年前よりも強い……?」

「……かもしれません」

「……」

 再び沈黙が訪れる。

 ここで会話しているだけでは、情報は増えない。

 やはり外に出て状況を直接確認するしかなさそうだ。

 その時。


「おまたせだ、ご主人」

 黒猫がいつの間にか戻ってきていた。

 口には女性用の衣類を咥えている。


「ノエル女王陛下、着替えてもらうことはできますか?」

「はい、勿論です。着替えます」

「俺は向こうに行ってますね」

「ご主人、あまり遠くへ行かないほうがいいのでは?」

「マコト様、私は気にしませんから。離れていただかなくても大丈夫ですよ」

「……あちらを向いてますね。着替え終わったら言ってください」

 俺は落ち着かない気持ちでノエル女王に背を向ける。


 ……ガサ……シュル……。


 衣擦れの音が響く。

 ソフィア王女に聞いたのだが、王族は通常着替えを自分では行わない。

 大抵、誰かに手伝わせるらしい。

 なので、人に見られるのをあまり気にしないらしいのだが……。


(……落ち着かない)

 

『明鏡止水』スキルを使いつつ、羊の数を数える。

 

「お待たせしました」

 ノエル女王から声が、かかった。

 俺はゆっくりと振り返る。 


「どうでしょう? 変じゃないですか?」

「似合っていますよ」

 以前にさーさんが着ていたような、いわゆる町娘のような服装だった。

 いつも王族らしい豪奢な衣装に身を包んだノエル女王の恰好とは思えなかったが、意外と似合っていた。


「では、行きましょう。なるべく人通りの少ない道から王都を脱出します」

「はい」

 緊張した面持ちでノエル女王がうなずく。

 

 俺はゆっくりと廃屋の扉を開いた。




 ◇




「これは……」

 扉を開いた先に広がるのは『灰色』の世界だった。

 道も空も建物も、全てが色あせ煤けているようだった。


「そんな……一体、何が」

 ノエル女王がショックを受けたように口を抑えている。 

 初めてこの景色を見れば、誰だってそうだろう。

 だけど、俺にはこの様子に見覚えがあった。


「千年前の魔大陸と同じですね」

「……マコト様。本当ですか?」

「はい、間違いありません」

 そう言ったあと、俺はじんわりと嫌な予感が胸中に広がった。


 魔大陸に足を踏み入れたとき、最初に訪れたのは小さな魔族の村だった。

 そこの魔族たちはか弱く、俺たちに害意はなかった。

 その後、魔王たちの連合軍との戦いを経て、魔大陸の王都へも赴いた。

 そこでであった住人たちには、共通の特徴があった。



 彼らは、――全員が『魅了』されていた。



 そして、この太陽の国の王都が千年前の魔大陸とそっくりの状態になっている。


「気をつけて進みましょう」

「はい、マコト様」

 勿論、早計に決めつけることはしない。

 ノエル女王に不安を与えるようなことも告げなかった。



 ――西の大陸の民、全てが魅了されてしまっているかもしれない



 なんてことは。




「こっちだご主人、ノエル姫」

 陰気な顔をしている俺とノエル女王と対照的に、黒猫の声は呑気だ。 

 今はそれに救われる。


「ツイ、女王陛下だぞ」

「いえ、構いませんよ。呼び名はご自由に」

 ノエル女王が小さく微笑む。


 黒猫に先導され、九区街の裏道を進む。

 途中何度か人とすれ違ったが、呼び止められることも無かった。


 ただし、どの住民も『魅了』されていた。

 俺の推論が信憑性を増していく。


 いや、まだわからない

 それより、先のことを考えよう。


「ノエル女王、王都を脱出してどこか行く宛はありますか?」

「王都から少し南へ下った所に、大きめの街があります。そこなら神殿騎士が多く駐屯しています。また南天騎士団の部隊もいますから、ある程度の戦力は確保できるでしょう。それに通信魔法を使える者がいれば、各国へ救援を送ることもできます」


「わかりました、ではその方針で」

 内容に異論はなかった。

 懸念としては、何か移動手段を見つけないといけない位だ。

 馬車などを調達できればいいが、王都では難しいだろう。

 俺はそのことをノエル女王に伝えた。


「マコト様。私は歩きでも大丈夫です。修道院では一日中歩き通しの修行もありましたから」

 ノエル女王が笑顔で提案してくれた。


 ソフィア王女に教えてもらったことがある。

 女神教会の巫女は、復活した大魔王軍との戦争に備え自力で逃げることができるよう体力もつけているんだとか。


「そ、それは心強いですね……」

 正直、懸念しているのは体力のほうだった。

 千年前も移動で足を引っ張ってたのは俺だったしなぁ。


「ツイ、影魔法で街まで移動できないか?」

「残念ながら影渡りは街中を素早く移動するための魔法だ。長距離の移動には向かないのだ、ご主人」

 頼みの綱もあっさり無くなった。

 仕方ない、歩くかぁ……。

 


「おっと、城門ですね」

 王都の端にやってきた。

 城門では王都の出入りをチェックする番兵が居て、身分証などの提示を求められる。

 

「困りましたね……」

 本来ならノエル女王は、太陽の国のトップなので顔パスだが今は逃亡の身。

 身分を隠さないといけない。


「何か無いかな……」

 冒険者ギルドの身分証がないかとゴソゴソ漁っていると、ポケットから銀の徽章バッジが出てきた。


「お」

「それは……ハイランド国王わたしの近衛騎士の紋章ですね」

「使えそうですね。ノエル女王は顔を隠しておいてください」

 以前、軍議に参加するために貰ったものだが今の状況だと丁度よい。

 王族の近衛騎士は役職が高いから、番兵から詳しくは問われないだろう。

 ノエル女王は町娘の格好をしているし、顔さえ見られなければ大丈夫のはずだ。


 俺たちは王都から出る人々の列に並び、番兵に徽章バッジを見せた。

 予想した通り、番兵から慌てて敬礼され、ほぼノーチェックで通してもらえた。

 

 大きな城門を通り抜ける。

 王都シンフォニアの城壁から少し離れたあたり。

 周りに人がいなくなったあたりで、俺とノエル女王、黒猫は一息ついた。 


「脱出成功だな、ご主人」

「助かったよ、ツイ。お疲れさまでした、ノエル女王」

「ありがとうございます、マコト様。しかし、ゆっくりはできません。これから助けを求めに……」

 そんな会話をしていた時。





「あらあら、急いでどちらまで? お部屋のお食事は気に入りませんでしたか? 使徒様」





 優雅な声が俺を呼び止めた。

 ぱっと後ろを振り向く。

 さっきまでは誰も居なかった。


『RPGプレイヤー』スキルで周囲の警戒は怠っていない。

 つまり相手は空間転移テレポートで移動してきた。

 この西の大陸において有数のテレポートの使い手は……。


「大賢者様……」

 ノエル女王がぽつりとつぶやく。


 そこに居たのは、フリアエさん――の姿をした厄災の魔女ネヴィア

 その隣には、白いローブの大賢者様モモ


「マコト様……申し訳ありません」

 そう詫びるモモの瞳も、黄金色に濁っていた。


「モモちゃんの魅了には時間がかかりました。やっと会わせてあげることができました」

 にっこりと微笑む厄災の魔女。


(……筒抜けだったか)


 結局の所、王都の外まで広がる灰色の世界。

 これは厄災の魔女の結界だ。

 ならばその中にいる限り、監視されている可能性はあった。

 広い結界なので、そこまで細かくチェックできないと踏んでいたのだが。

  

水の大精霊ディーア、来れるか?」

「はい、我が王」

 俺は水の大精霊を呼び出した。

 俺が閉じ込められていた一室は、水の精霊の力を弱める結界が張ってあった。

 しかし、王都の外までその効力は無いはず、と予想した。

 結果は、当たりのようだ。


「あら抵抗されるのですね、モモちゃん。お願いします」

「……うぅ、ごめんなさい、マコト様」

 モモが悲しげな声で、杖を振りかぶる。



 俺たちを取り囲むように、大小様々な魔法陣が一斉に現れ輝きだした。



水の大精霊ディーア、ノエル女王を守れ!」

「わ、私も自分の身を守る術はもっています!」

 俺たちは攻撃に備えたが、大賢者様モモの魔法は俺たちを攻撃するものではなかった。



 俺たちを取り囲むように何百体もの不死者――過去の魔王たちが空間転移で現れた。

 中には見知った顔もあった。

 俺を気絶させた、悪魔の王の姿もある。



「そんなに警戒しないでください。こちらからは何もしませんから」

 四方を魔王たちに包囲させ、そんなことをのたまう厄災の魔女。


「そもそも、王都を出てどこへ行こうと言うのです?」

「「「……」」」

 俺たち何も答えない。

 それを厄災の魔女は、気にする様子も無かった。


「ふふふ、答えてくれませんか。では、当てますね。どこかの街を巡って戦力を集める。もしくは、他国へ渡り協力を仰ぐと言ったところでしょうか」

 その言葉は俺たちの行おうとしていること、そのものだった。

 その程度なら誰でも予想できるだろう。


「でも、不可能ですよ」

「不可能……とは?」

 厄災の魔女の自信満々な声に、思わず質問をしてしまうノエル女王。

 厄災の魔女は、クスクスともったいぶるように笑う。


「使徒様は、予想がついているのではないですか? この『灰色の世界』の魔法。ここにいる民たちは、全て月の巫女の『魅了』にかかります。あの御方の魔法だったゆえに、千年前は魔族と魔人族にしか効果がありませんでしたが、今のフリアエちゃんは女神教会の『聖女』。しかも結界の礎を築いたのは、そちらにいる太陽の巫女ノエルちゃん。『聖神』と『悪神』、どちらを信仰する民も、今なら全て魅了することができる」

 得意げに語り続ける厄災の魔女。

 油断している……のだろうか。

 しかし、その声色から絶対の自信があるように思えた。


「この魔法の効果範囲は?」

 俺は冷静を装って質問する。


 千年前は、北の大陸全てを魅了していた。

 だから、最悪今回は西の大陸全てが厄災の魔女の手に落ちている可能性がある。

  

 厄災の魔女は、フリアエさんの顔で、決してフリアエさんがしないような顔でニイと笑った。




「このです」




「…………え?」

 言葉の意味が、一瞬理解できなかった。 



「ですから、貴方達はどこへ行っても助けを求めることは不可能です。さぁ、王城へ戻りましょう」

 勝利宣言をするように、厄災の魔女は俺たちへ微笑んだ。

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