298話 高月マコトは、軍議に参加する

「それでは第三次北征計画について、議論を開始します」

 太陽の騎士団の第五師団・団長の声が響いた。


 ここはハイランド城の大会議室。

 百人以上が入れる巨大な部屋だ。

 そこにぎっしりと各国の要職たちが並んでいる。

 見知った顔、知らない顔どちらも大勢だ。


 その中には、大賢者様モモの顔もある。

 もっとも大きな椅子の肘掛けに頭を載せ、寝ているようだが。

 誰か注意しないのか。


 空中にはいくつもの魔法映像が浮かんでいる。

 大陸中の軍事拠点と、繋がっている中継装置サテライトシステムと言う魔道具らしい。

 そのための会議の参加者数は、数百人にのぼる


 俺はその会議の端っこに、ちょこんと席を設けてもらった。

 隣にはソフィア王女が座っている。


「そもそも古竜の王を打ち損じたのは太陽の国ハイランドの失策。ならば汚名をすすぐべきでしょうな」

「その通りだ。だからこそ七国で力を合わせるべきと言っている」

「我らは建国したばかり、その余力はありませんな」

「大勢の魔人族が集まり、日夜軍事訓練を行っているという話を聞いている」

「おや、どこでそんな噂を? まさか同盟国である我らに間者スパイを送り込んでいるのでは? 問題ですぞ、それは」


月の国ラフィロイグの宰相殿。あまりハイランドを敵視されぬよう……」

火の国のタリスカー将軍は腑抜けてしまわれましたな」

「その発言は我が国の将軍に対して、あまりに無礼でしょう。撤回を」

「失礼いたしました、火の巫女ダリア様」

 会議の空気はあまり良くない。

 理由ははっきりしている。

 月の国の人たちが、太陽の国の意見に全て反対するからだ。


木の国スプリングローグ土の国カリラーンの代表からは、何か発言はありませんか?」

 話題を変えるように発言したのは運命の巫女エステルさんだ。


「いえ、我々からは」

「私も特に……」

 が、空振りに終わった。

 この空気で発言はしたくないだろう。


(ギスギスしてるね……)

 俺は小声で隣のソフィア王女に話しかけた。


(最近はずっとこうです……)

 ソフィア王女の声は暗く沈んでいる。


 会議内の構造はこうだ。


 仕切りは『太陽の国ハイランド』。

 それに『月の国ラフィロイグ』が反発している。


 太陽の国は、人族至上主義の階級国家だ。

 その中でも魔人族は、長年虐げられてきた。

 月の国は魔人族が集まった国家。

 当然、積年の恨みがある。


火の国グレイトキース』と『商業の国キャメロン』は二国間の対立を仲裁している。

 軍事力の低い『木の国スプリングローグ』、『土の国』、『水の国ローゼス』の代表は、ほとんど発言しない。


 一年前までなら太陽の国の一強だった。

 しかし、先の古竜の王との敗戦によって大きく立場を弱めている。

 さらに、若輩であるノエル女王とその兄である第一王子派閥によって内部でごたついている。


 国王になったノエル女王が、反対派を追い出せばいいと思うのだが、できていないらしい。

 ソフィア王女は「ノエル女王はお優しいので……」と言うが、実際は他国から「甘い」とやや侮られているとか。

 大陸一の強国がしばらく見ない間に、これほど変わってしまうのかと少し驚いた。



 比べて新興の月の国は、新女王フリアエさんのもと一致団結している。

 聖女でもあるフリアエさんは、月の国の民から女神のごとく信仰されているとか。

 幼子から老人まで、誰もが女王の言葉に遵従しているらしい。


「反対ばかりするなら意見を述べよ!」 

「しばらくは様子見をすれば良い」

「何を悠長な!」

 太陽の国と月の国の溝が深い。 


 会話を聞いているノエル女王は言葉を発しない。

 だが、真剣な表情の裏には疲れが見えた。


 ふとフリアエさんのほうを見た。

 会議に興味がないのか、ずっと黒猫の背を撫でている。

 ふぁ、と小さく欠伸をした。


 ちなみに、大賢者様モモは熟睡したままだ。

 よくこんなうるさい中で、寝られるな。


 どちらも俺が会議に出ていることには、気づいてないようだ。


 議論は遅々として進まない。

 参加した意味は薄かったかも知れない。 



(それにしても月の国の人たちは、何でここまで偉そうなんです?)

 暇だった俺はソフィア王女に話しかけた。

 本当につい最近復興したばかりの国なのだろうか?


(仕方ありません。直近で魔王――海魔の王フォルネウスの討伐に最も貢献したのが月の国の魔法使いたちなので)

 ソフィア王女が俺の疑問に答えてくれた。


(でも、フォルネウスを倒したのは桜井くん光のゆうしゃなんですよね?)

 そう聞いている。

 別に月の国だけの手柄ではあるまい。


海魔の王フォルネウスは普段、深い海底に潜んでいます。逃れようとしたフォルネウスを地上に引き止めたのが月の国の魔法使いたちなのです。さらに魔族たちが使った『暗闇の雲』を晴れさせたのも月の国の魔法使いたちです)

(なるほど)

 桜井くんの『光の勇者』スキルは無敵の能力だが、太陽の光が無いと一気に弱体化する。

『暗闇の雲』は、魔王軍が用いる強力な魔法だ。

 それを破ることができるのは、月の国の魔法使いたちだけらしい。

 確かにそれなら月の国の重要性が理解できた。



 会議では、未だ激論が続いている。



「古竜の王なら、光の勇者以外の勇者全員で挑めば時間稼ぎくらいできよう。我々月の国は、光の勇者殿と大魔王を討伐しよう」

「何を勝手なことを!」

「しかし、暗闇の雲を晴らせるのは月の国の魔法使いのみ。それに我らの聖女フリアエ様は未来を見通すことができる。光の勇者桜井殿と聖女フリアエ様が居れば、大魔王も恐るるに足らぬ」


「聖女の称号はノエル様もお持ちだ。お忘れになられぬように……」

「真の聖女はフリアエ様だと、民の間では噂されておりますよ」

「くだらぬ噂だ」

「どうでしょうな? フリアエ様の未来視によって世界が救われれば、歴史に名を残す聖女はフリアエ様となりましょう」


「愚かな、そのような未来は来ぬ!」

「大魔王が倒された時に同じことが言えますかな? 光の勇者様は聖女フリアエ様と共に千年の栄光の歴史を作られるだろう!」

「戯言だ!」

 話が脱線している。 



(これは何の話だ……?)


 北征計画はどこに行った?

 俺が解説をもとめソフィア王女の肩をつついた。


(海魔の王を倒して以来、月の国の民には光の勇者と女王が結ばれることを望む声が上がっています。勿論、光の勇者様はノエル様の婚約者なのであり得ないのですが……)

 救世主の生まれかわりと聖女の組み合わせは、そういう話に上がりやすいんだそうだ。

 しかし、いくらなんでもノエル女王の御前で述べるのは失礼過ぎるのではなかろうか?


 ちらっとノエル女王の顔を見ると顔が強張っている。

 何か言い返せばいいと思うのだが、できない理由があるんだろうか?

 その時、話題の当人である桜井くんがノエル女王の近くに寄って耳元で何か囁いた。

 どうやらフォローしたらしい。

 ナイスだ、桜井くん。


 さて、もう一方の当事者であるフリアエさんは、まだ黒猫の背中を撫でているだけかとそっちに視線を向けると。


 ……うわ。

 めっちゃ、こっちを凝視していた。

 どうやら俺が会議に参加していることに、たった今気づいたらしい。

 目を大きく見開かれたあと、ギロっと睨まれた。


(何でいるのよ!!)

 声は聞こえないが、唇の動きから読み取った。


(見学)

 俺は端的に口を動かした。 


(…………ホントに?)

 フリアエさんが疑わしそうに俺を睨んでいる。

 何か変なことを言い出すんじゃないかと、思われているようだ。

 

 もっともこの会議において俺は発言権がない。

 元・勇者だからね。

 聞いているだけだ。

 もし意見がある場合は、太陽の騎士団の団長以上の者を通して発言するよう注意を受けている。



「何だと!! 言葉を慎め! 下賤な魔人族が!」

「本性を現したな、特権階級気取りが!」

 いよいよヒートアップしている。

 もはやただの喧嘩だ。


(これは……もう駄目だ……)


 とても同盟国間の会話ではない。

 大魔王という共通の敵が居なければ、太陽の国と月の国で戦争が始まりそうだ。


 何でこんなことに……。

 運命の女神イラ様は、一体何をやってたんだ?

 もしもし、聞いてます? イラ様。

 西の大陸の国家関係がやべーことになってますよ。


 俺は天界にいるという運命の女神イラ様に問いかけたが、答えは返ってこなかった。

 ここ数日、話しかけられていない。

 忙しいのだろうか?

 あの女神様、いっつも忙しそうだからなぁ。


(ちょっと、どうして私じゃなくてイラに話しかけるのかしら? マコトは誰の使徒か忘れたの?)

 代わりにノア様から返事がきた。

 少し拗ねたような声色だ。


(勿論、俺はノア様の使徒ですよ。でも歴史の話なら、イラ様に聞いたほうが早いのでは?)

(それくらいイラに聞かなくても私が教えてあげるわ。いい? 神が直接歴史に干渉することは神界規定で禁止されているのは知ってるでしょ? マコトは地上の民だから許されるけど、運命の女神が歴史を都合の良い方向に曲げることは許されない。だからこうなるとわかってても、防げないのよ) 


(……そうですか。でも、それなら月の女神ナイア様はどうです? 協力できないんですか?)

 出会ったことはないが、女神教会の七番目の女神様。

 月の国が復興した今なら、協力してくれないんだろうか。


(ナイアねぇ……、どうなのかしらね)

 ノア様の言葉から、あてにできないのだと感じた。

 所詮、人間同士の争いは人間が解決するしかないのかもしれない。 



「いつまでこの無意味な議論を交わすのだ」

「太陽の国で、古竜の王を倒せばよいのだ。もともとその予定だったのだから」

「それができぬから、この場を設けていることがなぜわからん!」

「それは我らも同じ。自国でできぬことを、他国へ強要するな」

「強要ではない! 要請だ!」

「ならば断ろう」

「大魔王が力を取り戻せば、世界は終わるのだぞ!」

「千年前とは異なる。魔王は残り一体。攻めてなど来ないさ」


 会議は平行線だ。


 太陽の国は、早く古竜の王と大魔王を倒したい。

 さらに弱まった西の大陸での立場を取り戻したい。

 そのため決着を急いでいる。


 月の国は、太陽の国が憎い。

 だから太陽の国が大陸のリーダーになってほしくない。

 だが、自分たちが西の大陸の覇者になれるほどの国力は無い。

 だから時間を稼ぎ、軍事力を底上げしたい。

 

 さらに魔王軍の使う『暗闇の雲』に対抗できるのは月の国の魔法使いたちだけ。

 つまり月の国の発言権は強い。

 現状維持が、望みなのだ。


 だから、この話し合いには落とし所がない。


 無いのだが……話題の中心に度々出てくる言葉が引っかかる。




 ――古竜の王アシュタロト



 

 一番の要因は、この魔王だ。

 古竜の王が北の大陸に居座る限り、大魔王に手が出せない。


 千年前の戦いの記憶が呼び起こされる。

 準神級魔法・地獄の世界コキュートスですら倒せなかった魔王。

 竜神の血を引く最強の古竜にして最後の魔王。


 そして、白竜さんの父親。

 メルさんに同行させられ古竜の王の城へ出向いた。 

 あれは緊張した。


 あの時、言われたことは……。




 ――我と勝負をせよ。勝った暁には『竜王』の称号を与えよう




 確かそんな言葉だった

 俺は何と答えただろうか。




 ――わかった、約束するよ。いつか勝負しよう




 そうだ。

 あの時、『RPGプレイヤー』スキルが発動して、『古竜の王と戦う約束をしますか?』と表示された。

 俺は『はい』を選択したんだった。


 古竜の王は、約束を覚えているだろうか?

 千年も前だ。

 忘れている可能性は高い。


 千年前は結局古竜の王と再会することはできなかった。

 ずっと北の大陸に居座る古竜の王と、南の大陸や東の大陸を巡る俺たちと再戦する機会はなかった。

 魔族の大陸である北の大陸に対して、俺や光の勇者アンナさんは深追いしなかったからだ。


 そして俺は千年の眠りについた。

 約束は守れていない。

 けど、無理する必要もない。

 無視してもいいのかもしれない。

 しかし。




(最強の魔王への挑戦、『竜王』の称号……)

 


 

 ……行ってみるか?

 もしも俺が国家認定勇者なら、自由に戦うことはできない。

 勇者戦力は、北征計画のかなめだ。

 必ず計画に組み込まれる。


 が、今の俺は元・勇者。

 特に誰かに遠慮する必要はない。

 冒険者として、ふらっと北の大陸に行くことができる。


(あら、マコト。古竜の王アシュタロトに喧嘩売るの?)

 ノア様の意外そうな声が頭内に響いた。

 

(駄目ですか? ノア様)

 女神様に伺う。

 反対なのだろうか?


 イラ様ならきっと反対するだろう。

「バカじゃないの、みんなで協力しなさい!」とかきっと言われる。

 でも……。


(ん~、。気をつけて行きなさいよ)

 ノア様は反対しない。

 この女神様は、とにかく自由にさせてくれる。


 これで女神様の同意は得た。

 ルーシー、さーさん、ソフィア王女には当然、説明するとして。

 太陽の国の人にも、誰か伝えておいたほうが良い気がする。


 太陽の国の関係者で一番親しいのは、モモだ。

 が、残念ながら熟睡中。


 次は桜井くんだが、彼は今ノエル女王の隣にいる。

 つまり会議室のほぼ中心。

 目立ちすぎるのでこちらも却下。


 あとは話がしやすそうなのは……、あの人かな。


「どこへ行くのです?」

 席をそっと離れようとする俺をソフィア王女が引き止めた。


「オルト団長と少し話してきます」

 かつて月の国への遠征で一緒になった第一師団の団長だ。

 話の分かる人だ。

 なにより、俺が千年前に渡った時に大聖堂に居たので事情もある程度知っている。


「……あとで詳しく聞きます」

 何か察したのか、ソフィア王女は詳細を聞かなかった。



「……今日も方針は決まりませんでしたな」

「時間です。本日は閉会といたしましょう」

 軍議はそろそろ終わるようだ。


 俺はオルト団長の席へ近寄った。

 そしてこっそりと耳打ちする。


「……オルト団長、少しお話が」

「マコト殿……? わかりました。そろそろ軍議が終わりますので、その後に時間を取って」

「いえ、用件だけお伝えします。実は北の大陸に向かおうと思います」

「……む」

 俺の言葉に、オルト団長は眉をひそめる。


「マコト殿、勇者戦力の勝手な行動は…………いや」

 オルト団長は、言葉の途中で気づいたようだった。


「今の俺は勇者じゃありません。なので、冒険者として向かおうかと」

「そうでしたな。しかし、それでは太陽の騎士団われわれは協力できませんよ?」

「大丈夫ですよ。ご心配なく」

「いや、心配するなと言われましても……」

 太陽の騎士団は、何か言いたそうにしている。



 その時、大きな椅子で眠っていたはずの大賢者様モモが、ひょっこりと俺の近くにやってきた。

 会話を聞かれていた?


 

「精霊使いくんが面白いことを言っているな!」

 大賢者様モモが大声で叫ぶ。

 会議に参加している全員の視線が、一斉に俺の方に向いた。

 ちょっと、やめて。


「おいモモ……」

「全然会いに来てくれないので、仕返しです」

 可愛く舌を出された。



「おや、そこにいるのは水の国の元・勇者殿ではないか」

「負傷により引退されたと聞いたが」

「水の国は、相変わらずの人材不足ですな。引退した勇者まで引っ張ってくるとは」

「場違いではないのか! この場で発言するなど」

 何故か太陽の国と月の国、両方から嫌味を言われた。

 どうやら太陽の国の反ノエル女王派の人と。

 フリアエさんを女神の如く信仰する人から、俺は嫌われているらしいとあとで知った。


「高月殿への暴言はやめていただこうか!」

「我が国の恩人へ、その発言は許せません!」

 味方してくれたのは火の国タリスカーのタリスカー将軍と、木の巫女フローナさんだ。

 ありがたいのだが、会議内の空気がさらにピリピリした。

 どーするんだ、この空気。


 が、大賢者様は気にしない。

 図太くなったもんだ。


「ほれ、みんなに聞こえるように言ってみい」 

「はぁ」

 俺はしぶしぶ告げた。


「古竜の王に会いに行ってきます」

「それは、水の国が先陣をきって古竜の王へ挑むと?」

 誰かが質問してきた。


「いえ、ですけど……」

「「「「「「「「はぁ!?」」」」」」」」

 その言葉に、会議内がざわつく。


「自殺行為だ!」

「あいつはバカなのか!?」

「水の国の勇者は、やはり頭がおかしい」

「そもそも彼は勇者ではないのだろう!」

 そんな声が聞こえてきた。

 だから、こっそり行こうと思っていたのに。 



「高月殿! 気は確かか!?」

「マコトくん! はやく病院に行って診てもらって!」

 さっきは庇ってくれたタリスカー将軍やフローナさんにまで正気を疑われた。


 収まりそうにない空気を、収めてくれたのは元凶の大賢者様モモだった。




「精霊使いくんは、極秘の作戦で古竜の王と戦ったことがある。その時は、確か……のだったか」



 大賢者様の言葉に、場が静まり返った。


「そ、そんな話は聞いたことが……」

 誰かのつぶやきが聞こえた。

 千年前の話だからね。

 その場に居たのは、大賢者様だけだ。


「本当です。イラ様から聞いております。運命の女神様の名に誓って、間違いありません」

 運命の巫女さんがすかさずフォローを入れたことで、反論する者はいなくなった。


 あれはイラ様の神気のおかげだけど。

 引き分け、と考えてもいいんだろうか?


 にしても、すっかり大事になってしまった。


「こっそり行くなんて許しませんよ」

 モモが俺の耳元でささやく。


「別にいいだろ?」

「駄目です! マコト様はすぐ隠れて行動しますから!」

 すっかり俺の行動パターンを読まれている。


「た、高月くん……」

「ほ、本気ですか……?」

 これまで発言を控えていた桜井くんとノエル女王までも、思わず立ち上がっていた。

 俺は笑顔で頷いた。


 ちらっとフリアエさんのほうと見ると、怒りで震えた顔でこちらを睨んでいる。


(これのどこが見学よ!)

 と唇が語っていた。

 ちょっと見学とは違うかもしれない。

 こっちも笑顔で返したら、さらに鋭い視線で睨まれた。



「高月殿、それでは太陽の国から正式に依頼を出しますので……」

 太陽の騎士団のトップ・ユーウェイン総長が重々しく言った。

 俺は冒険者として向かうつもりだったが、そういう形式は必要らしい。



 ともあれ――千年後の北の大陸へ出向くことが決定した。

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