180話 高月マコトは、亡都コルネットに到着する
――月の国ラフィロイグ。
千年前に栄えていた国である。
月の国の首都コルネットにある
なぜ、魔族の支配する暗黒時代に、月の国は栄えたのか?
理由は、月の女神の巫女であり、月の国の
しかしその事実は長く隠され、月の国はなぜか魔族に襲われない奇跡の国と呼ばれていた。
月の国に君臨していた厄災の魔女は、とある人魔融和施策を推し進めていた。
その方法は『人族』と『魔族』の婚姻。
当時の支配者であった魔族側に取り入るため、人族が魔族と結ばれ子を成し『魔人族』を生み出す。
魔人族は人族であり、魔族でもある。
彼らを二つの種族の懸け橋にしようというものだった。
が、やり方がまずかった。
厄災の魔女は、自身の能力『魅了眼』によって魔族、人族どちらにも同意を得ずに強制したのだ。
双方が望まぬまま、多くの魔族と人族が交わった。
その後、救世主アベルによってその悪事は暴かれた。
大魔王が倒された後、月の国は解体。
大量の『魔人族』難民が生まれることになった。
厄災の魔女の悪名は、千年経ったあとも語り継がれている。
そして、現在。
千年前に多くの魔人族を生み出した舞台、亡国の首都コルネットに到着した。
◇
「ここがふーちゃんの故郷? うーん……」
「なんていうか……さっぱりした場所ね」
さーさんとルーシーが、言葉を選ぶように発言する。
「何もないな」
その場所を見た時の俺の感想だった。
ところどころに、昔の建物があった名残があるが殆どが崩れかかっている。
あとに広がっているのは原っぱだ。
「ここの連中はみんな地下に住んでるの。地上を歩いているとハイランドやキャメロンの商人に連れて行かれるから」
「えっ? なんで?」
フリアエさんの言葉に、さーさんが疑問を呈した。
「魔人族の女や子供を攫って奴隷にするためよ。私たちに人権なんてないから」
「……そんな」
さーさんが絶句する。
フリアエさんの過去が重い。
何て言っていいのかわからない。
「ね、ねぇ! 私も小さい頃は、大森林から絶対出るなって言われてたわ。エルフもよく奴隷商人に狙われるのよね。特に私みたいな見た目の可愛い半エルフだと?」
「る、ルーシー? その話、初めてきいたんだけど!」
「あら、マコト。そうだったかしら?」
空気を変えようとして、ルーシーまでヘビーな過去を言ってきた。
大森林ってそんな治安悪かったの⁉
つーか、異世界やっぱり怖い!
「「「「……」」」」
「なうなう」
暗い空気の中、黒猫の鳴き声だけが響いた。
その時、太陽の騎士団長のオルトさんがやってきた。
「マコト殿、少しよろしいですか?」
「は、はい。何でしょう?」
助かった、話題が変えられる。
「これから我々は、拠点を設営します。夕方に王都との通信魔法を使った会議がありますからご参加ください。拠点が出来上がるまでは自由にして頂いて構いませんが、遠出するのであれば誰かにご伝言を。あと、月の王城跡の裏手には海岸がありますが、海側は海魔の王フォルネウスの魔王軍が迫っている可能性がありますので、魔物や魔族が居ないかご注意ください。あとは……可能性は低いと思いますが、蛇の教団が攻撃を仕掛けてくるかもしれませんので、その点もご留意を」
注意点が多い。
やはり戦争前、今までとは緊迫感が違う。
「オルトさん。わかりました」
「では」
オルトさんは、足早に去って行った。
遠くでは巨大なテントの設営が行われている。
オルトさんは、部下たちに指示を出している。
なんか手伝ったほうがいいのかと思ったが、向こうはプロでこっちは素人。
かえって邪魔になるだけな気もする。
となると、自由時間だ。
監視くらいはつくと思ったんだけどなぁ……。
道中も思ったが、邪神信仰や月の巫女に忌避感を示しているのは、教会関係者や貴族連中が多い。
太陽の騎士団の人たちは、あまり気にしてないようだ。
うーむ、予想外の空き時間ができてしまった。
さて……どうするか。
俺はふと、フリアエさんのほうへ視線を向けた。
ん? という顔でこちらを見つめるフリアエさん。
「何よ?」
「なあ、姫。この辺には詳しいんだっけ。案内してもらっていい?」
知らない土地の事は、地元の人に聞くに限る。
「ええ、いいわよ」
俺がお願いすると、フリアエさんが先頭をすたすたと歩いて行った。
「ふーちゃん、歩くの速いよー」
「フーリ、一緒に行くわ」
さーさんとルーシーが、そのあとを追う。
俺は『索敵』スキルを使いながら三人についていった。
亡都コルネットの建物は、ほぼ残っていないが石畳の道がかろうじて残っている。
フリアエさんは、その上を迷うことなくまっすぐ進んでいく。
「……何も変わってないわね。当たり前だけど」
「そーなの? ふーちゃん」
「ええ、十数年間生まれ育った、廃墟の都……ふふ、いつ見てもつまらない風景」
言葉に反して、フリアエさんは少し楽しそうな口調だ。
少し元気になったんだろうか。
「太陽の国や、水の国を見て思ったわ。なんて不公平なんだろうって……。みんなは地上で生活できるのに、私たちはモグラのように地下に追いやられてるの。ふふふ、泥水を啜ったことが無い連中の幸せそうな顔を見るたびに、殺意が芽生えるわ……」
ダメだ、フリアエさんの心の闇が深い。
「な、なぁ、姫。ノエル王女は階級制度に反対だから、彼女が王位を継承すれば魔人族への差別も無くなるんじゃないか……?」
いつか誰かがそんなことを言っていた。
その記憶を頼りに俺はフリアエさんへ尋ねてみた。
「……どうかしらね、あの女は獣人族やエルフへの差別は無くすと言ってたけど、魔人族までそれに含まれるとは限らないわよ。そもそも女神教会は、魔人族を人と認めていないから」
「それは……聞いたことがあるわ」
フリアエさんの言葉に、ルーシーが暗い声で続けた。
太陽の巫女であるノエル王女は、女神教会の枢機卿でもある。
確かに、あの教皇様を納得させるのは骨が折れそうだ。
「だいたいあの女に期待するのが癪なのよ。あんな生まれた時から全てを持ってる女が! 私の騎士! 今後、太陽の巫女の話をするのはやめなさい」
イライラとした口調で、フリアエさんが言い放った。
(……生まれた時からってのは違うんじゃ)
確かノエル王女は、もともとハイランドの第三位王位継承者。
それが『光の勇者』桜井くんがやってきて、その婚約者になることで、急遽第一位に繰り上がったのだ。
――光の勇者の
それまでは女神教会の教皇を目指して、太陽の巫女として修練していたそうだ。
私など比較にならない立派な御人ですよ、と超ハードワーカーのソフィア王女が言ってたから間違いないだろう。
なので、俺としてはノエル王女は苦労人のイメージが強いのだが……。
まあ、今そんなことを言う場面じゃない。
「姫、もうその話はしないよ。ところで、どこに向かってるの?」
「わかればいいわ。あれよ」
フリアエさんが指さす方向は、小高い丘だった。
その上に巨大な石レンガが組まれている。
やはり崩れかかっているが、もとは相当立派な建物があったと思われる場所だった。
「かつて
◇
「へぇー、地下にこんな大きな空間があるんだね」
「これって、もしかしてお城からの抜け道かしら」
そこは円形の巨大な空間で、たくさんの地下道とつながっていた。
さーさんとルーシーが、もの珍しそうにキョロキョロしている。
「そうよ、元・
「なんか火の国の王都と同じだな」
執行騎士の人と一緒に、蛇の教団を探していた時の記憶がよみがえった。
そして、そこでは蛇の教団が儀式をしていた。
王都ガムランを滅ぼす『自爆魔法』の儀式を。
(……念のため)
我ながら心配性だと思うが『索敵』スキルを発動する。
――反応があった
「⁉ さーさん、ルーシー! そっちに誰か隠れてる。姫! こっちにきて!」
「わ、わかったわ」
俺の声にフリアエさんが、たたたっと走ってくる。
その動きは素早い。
が、隠れていた何者かも素早かった。
「抵抗するな」
「太陽の騎士団を皆殺しにしろ!」
「フリアエ様を救え!」
「魔人族に栄光あれ!」
物陰に隠れていた十数名の覆面をかけた連中が、こちらへ襲いかかってきた。
覆面の連中に一番近い場所に居たのは……さーさんだった。
「貴様ら、この女の命が……ぶべらっ!」
俺たちの中でも弱そうと判断されたのか、リーダー格の男がさーさんを捕えようとして――天高く舞った。
さーさんが、きょとんとした顔で右手を前に出している。
いつ拳が突き出されたか、俺には全く見えなかった。
「「「「え?」」」」
残りの覆面連中の動きが止まる。
(その子、うちのパーティー最強なんすよ)
「こいつら蛇の教団かしら?」
杖を掲げるルーシーの頭上には、直径5メートルほどの炎弾が轟轟と燃えている。
ルーシーの
……いつ見ても凶悪だ。
あれが直撃したら、骨も残らず燃え落ちるなー、きっと。
「マコト、こいつら焼いちゃうわよ?」
「ああ、でもリーダーの男は残しておこう。オルトさんへ引き渡すよ。あとは燃やそう」
「オッケー!」
ルーシーが悪戯っぽくウィンクしてくる。
つまり、冗談だ。
巨大な
あれが爆発すれば、この月の王城跡は全部吹っ飛ぶだろう。
本当に撃ったら俺らも生き埋めだな……。
ルーシーは、撃つ気が無い
空気が乾き、ちりちりと空中の魔力が燃え、息苦しい。
覆面連中には、恐怖しか感じないだろう。
「ま、待ってくれ! 殺すなら俺を! みんなの命だけは、命だけは助けてくれ!」
さーさんに吹っ飛ばされた、男が覆面を外して、詫びてきた。
「あら、あなた……」
それまで後ろのほうで隠れていたフリアエさんが、小走りでやってきた。
「……ハヴェルじゃない。……何してるの」
「フリアエ様! おおお……再びその御顔が見れる日が来るとは……! 必ず、必ずやお助けします! しばしのお待ちを!」
こいつらって……。
「姫、知り合い?」
「ええ……そうよ。私の騎士、魔法使いさん、ちょっと待ってもらえないかしら」
フリアエさんの言葉に、ルーシーが魔法を収める。
本当に魔法が上手くなったなぁ。
「ああ、ルーシーの魔法をこんな頼もしく思える日がくるなんて……」
「ちょっと、マコト? いくらなんでも
「ねーねー、高月くん。あいつらどうするの?」
俺とルーシーがおしゃべりしていると、さーさんが襲って来た連中のほうを指さした。
「フリアエ様だ!」「巫女様!」「おおおおお、再びお会いできるとは……」「ありがたや……」
襲って来た連中は、覆面を取りフリアエさんを取り囲んで地面に跪いている。
感涙しているものや、声を震わせているもの、拝んでいるもの……あれは一体。
「おーい、姫。その人たちを紹介してよ」
俺はフリアエさんに手を振った。
「貴様! フリアエ様にそのような口を!」
「は?(威圧)」
「「「「「ひぃぃぃぃっ!」」」」」
リーダ―格の男が、俺に凄んできたがさーさんの『威圧』スキルで、腰を抜かしてしまった。
ついでに残りの連中までひっくり返っている。
……ラミア
「少し待って! 私の騎士!」
「オーケー」
フリアエさんの頼みで、少し待つことになった。
見る限り、彼らがフリアエさんに危害を加える心配はなさそうだ。
俺とルーシーとさーさんは、連中とフリアエさんが会話するのを少し離れて待つことにした。
俺はぼんやりと、その様子を眺めていた。
「ねぇねぇ、マコト。気付いた? 彼らの見た目……」
ルーシーが耳元で囁く。
「ああ、みんな魔人族だな」
フリアエさんを取り囲んでいる人たちは、皆頭に角があったり目が赤かったりと、魔族の特徴を持っていた。
太陽の国の孤児院で出会った魔人族の子供たちと同じ。
見た目だけで、魔族の血を引いていると判別される人たちだ。
あと、全員男かと思ったら若い女性もいた。
どんな関係性なんだろう?
しばらくフリアエさんは、魔人族の人たちと話をしていたが、一人で俺たちのほうへやってきた。
「私の騎士、悪かったわね。あの子たちは、私と同じ
「うーん……」
一応、こちらは襲われた側だ。
さーさんが強かったので、問題なかったが襲われたのがルーシーだったら……、いや何とかしてるか。
最近のルーシーは強い。
一番、近接戦闘が弱いのは俺だった。
さて、どうするか。
「魔人族に襲われたと言って逮捕されたら例外なく死刑なの……」
「ええ!」
フリアエさんの言葉にさーさんが驚く。
それはまた、ずいぶん極端だな。
「だから見逃せと?」
「だ、ダメかしら」
珍しくフリアエさんがしおらしい。
彼らは、フリアエさんにとって大事な人たちなんだろうか?
「こいつら……幼いころから一緒に生活してきたの。さすがに処刑されるところは見たくないわ」
「幼馴染か……」
そりゃ助けたいわな。
俺はちらっとルーシーとさーさんを見た。
「マコトが決めていいわよ」
「別にいいんじゃない? 誰もケガしてないし」
「二人がそう言うなら」
俺はフリアエさんのほうを向いた。
「見なかったことにします」
「い、いいの……?」
「いいよ。ただ太陽の騎士団には、二度とちょっかい出さないように言っておいて」
「ありがとう、私の騎士」
俺も桜井くんやさーさんの命が危なかったら、間違いなく助けようとする。
処刑されるのを黙ってみてるとか、できない……が、そもそも桜井くんやさーさんの命が危ないシーンが思いつかない。
「……フリアエ様、ありがとうございます。おまえたち……済まなかった」
フリアエさんの知り合いたちから、頭を下げられた。
にしても口調が幼馴染みって感じが全然しないなぁ。
月の巫女の立場は、魔人族の民にとって特別ってことだろうか。
「し、しかし! 先ほどから私の騎士というのは……まさか、守護騎士契約を⁉」
「ええ、そうよ」
「なぜです! 我ら親衛隊であればフリアエ様のために命を投げ打つ覚悟はできているのに!」
「そうです! 見たところ大した
「お願いです! 我らのもとに戻ってきてください!」
魔人族の連中が、地面に頭を擦り付ける勢いでフリアエさんへ懇願している。
君たち、さりげなく俺のことディスってません?
「私の騎士は、水の国の勇者よ。それに、木の国では魔王ビフロンスを倒しているわ」
「「「「「な!」」」」」
魔人族の若者たちが驚きの声を上げる。
そんなに弱そうに見えたのだろうか。
「あと、さっきハヴェルを吹っ飛ばした戦士さんは、火の国の勇者よ」
「「「「「あ~……」」」」」
そっちは納得するんかい!
「そっちの魔法使いさんの魔力はさっき見たでしょ。あんたたちが百人居たって敵わないわ。それに……月の巫女の守護騎士に魔人族が選ばれたりしたら、あっという間にハイランドの神殿騎士に殺されるわ」
「「「「「……」」」」」
フリアエさんの言葉に、全員が押し黙った。
「くっ、おまえ、名前は⁉」
魔人族チームのリーダー格であるハヴェルという男が、俺に詰め寄った。
「高月マコト……だけど」
「タカツキマコト……異世界人の勇者か」
顔が近い。
銀髪に浅黒い肌。
整った顔立ちをしているが、赤い目と額の角によって魔人族であることを証明している。
「フリアエ様を……頼む」
魔人族の男は、悔しさを滲ませながら、睨むように頭を下げた。
「わかった」
言われるまでもない。
「フリアエ様。微力ではありますが、お困りの際は月の国の民は、あなたへの協力を惜しみません」
そう言って魔人族の男は、仲間に目配せして去ろうとした。
「待ちなさい、今この大陸に魔王軍が迫ってきてるわ。それはみんな知ってるの?」
フリアエさんが、呼び止めた。
「ええ、知っています。……知ったからといって我々の住める場所はここしかありませんよ」
魔人族の男は、悲しげに微笑を浮かべながら答えた。
「……そう、そうよね。気を付けて」
フリアエさんの声に、魔人族の若者たちは頭を下げ地下道のひとつへ消えていった。
よし、不要な争いは回避できた。
(ただ、心配な点が一点)
少し空気が読めてないと言われそうだが……。
でも、戦争中だからなぁ。
「あのさ……姫」
「なに? 私の騎士」
「あー、言い辛いんだけど……」
どうやって聞こうか頭を悩ませていると。
「あの子たちが、魔王軍や蛇の教団と繋がってないか心配?」
フリアエさんに先に言われた。
「まあ……そうです」
「私の騎士ならそう言うと思って、こっそり魅了して『本音』を聞き出したわ。嘘をついてなかった。あの子たちは、魔王軍とは無関係よ」
「お、そうなんだ」
さすが、気が回る。
よかった。
じゃあ、帰ろう。
夕方になったら会議に出席しないといけない。
拠点設営の場所へ戻ろうと歩き出した時、肩をツンツンとつつかれた。
「……ねぇ、私の騎士」
フリアエさんが、こちらを上目遣いで覗き込んで来た。
「何?」
「もし、私が嘘をついてたらどうする? あの子たちが魔王軍の手先だったりして」
「嘘ついてるの?」
「ついてないけど……」
「じゃあ、信じるよ」
「っ⁉」
フリアエさんが目を丸くする。
なぜ、驚く。
「そのうち悪い女に騙されるわよ!」
フリアエさんは、目をそらして行ってしまった。
なぜか怒られた?
「ねーねー、ふーちゃんの顔が赤かったけど何言ったの?」
代わりにさーさんがやってきた。
「いや、別に?」
「ふーん」
「ねぇ、マコトってわざとなの? 天然?」
ルーシーもこっちにやってきた
どうやらルーシーには会話が聞こえていたらしい。
「るーちゃん、高月くんは何て言ってたの?」
「フーリを信じる、ですって」
「いやルーシーとさーさんと姫は、嘘つかないだろ? だから信じてるよ」
「「……」」
なんすか、変な顔して。
「たらしだー」
「女泣かせー」
(よっ、天然ジゴロ)
ノア様まで!?
「ねぇ! 戻らなくていいの⁉ 夕方には会議があるんでしょ!」
フリアエさんがこっちを向いて怒鳴ってきた。
おっと、マズイ。
遅刻は良くない。
俺たちは、太陽の騎士団が設営している拠点へ戻った。
戻ってくるとすぐに俺たちは、拠点の中心にある大きなテントへ連れられた。
「わ、これって……」
「木の国で見たやつだ」
そこにあったのは、空中に浮かぶ沢山の映像だった。
通信魔法と言うらしい。
木の国では、各里の長老たちが使っていた。
オルトさん曰く、各国の軍では標準で取り入れられている魔法だそうだ。
空中に浮かぶ映像の中でも、もっとも巨大な画面に太陽の騎士団のトップ、ユーウェイン総長が映っている。
隣には桜井くんの姿も見えた。
大賢者様は……寝てる?
「では、始めよう」
ユーウェイン総長の低い声で、対魔王軍の作戦会議がスタートした。
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