第2話 彼

ったくもう・・・あのクソジジィ(課長)。んで俺があん時怒られなきゃいけねーんだよ。クソッ


俺は普通の会社員。23歳。独身。長崎友也。彼女いない歴=年齢、所謂童貞。


いつも以上にやな事があり、そしていつもより少し酒が回った状態でフラフラと、ネオン輝く東京の街をさ迷っている。


ギギィ.....酒が回って幻聴でも聞こえたのか、近くのゴミ箱から鈍い音が聞こえた。気のせいだろうと思っても、やはりその音がしてくる。当たりを見回すと暗闇から人の影が浮き出てきた。そして、鈍い音を発していた犯人はそいつだった。


段々と近付いてきたそいつの顔は初めは暗くて見えなかったが明るいこちらへ歩いてくるとハッキリと分かるようになった。綺麗な顔をした、黒髪に緑の目そして色白の美少女・・・・


そう思ったのは初めだけ、全身をしっかり見てみるとそいつは《ロボット》だった。所々コードやらの中身が見えてるし、そうするとそいつが鈍い音を発している理由にも説明がつく。


でも更に驚くべき所はコイツを1度でも俺は人間だと思ってしまったこと。それくらい出来が良かった。


鈍い音を立てながら俺の目の前まで来るとそいつは・・・


「私は・・・・誰?」

「え?」

「バタンッ」


そう言っていきなり倒れてしまった。初めてあった美少女に私は誰でしょうクイズ!みたいな事を言われて、思わず「え?」とか間抜けな声を出してしまったけど・・・・


これからどうすりゃいいんだ?


ロボットとはいえ自我がある、それになにより、裸だ。傍から見ればただの変態オジサンにしか見えない。ロボットを抱っこして歩いてただけで捕まるとかダサすぎる・・・。長崎被告、ロボットにセクハラ!!遂に童貞にも限界が・・・!みたいなので新聞の大見出しになりたくない。

とりあえずそこら辺のブルーシートで包んで人通りがない所歩けば何とかなるかな・・・・。


そして俺はロボットをブルーシートで包み。人通りの少ない道を歩いて、遠回りではあるが家に帰った。

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心低∞マイル どりー @dorri

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