第二章 二〇二五年十月九日

 僕を呼び出したプリントには、服装は平日に高校生が外出するのに不審がられないよう、学校の制服を着てくるように書かれていた。

 その、地元高校の制服を着た生徒が、なぜか私鉄の切符を買っている。僕は普段は電車に乗らないからICカードを持っていなくて、券売機で切符を買うしかない。聞いたらICカードは五百円する(使うのを止めるときに返ってくる)らしい。だったら買わなくていいや。

 朝八時の電車の中はサラリーマンが多くて、学校の制服を着ている僕は少し浮いている。でも私服の子どもはもっといない。いたら相当に「悪い子」に見えただろう。プリントを書いた人、きちんと僕の立場を考えてくれたんだな。

 小さなことに「配慮」を見つけて喜んでしまう。分からないことが多すぎて、信じられるものが欲しいからだと、自分で分かっているけど、止められない。

 大人達の群れに一人紛れ込んで、すがるものがないのだ。

 私鉄から地下鉄に乗り換えて着いた場所は、いわゆる官庁街。どのビルも、高校生が入るには少し抵抗感がある。地図に案内されてたどり着いたのは、その中で他と大きく変わらないビルだった。

 って、なんで?

 今さら気づいたけど、この目の前の建物、病院じゃない。

 カウンセリングするはずなのに、どうして官庁?

 僕が間違えた?

 プリントを再度見て、スマホの地図アプリで現在地を確認して…… やっぱり、どう見てもこのオフィスビルだ。

 おかしいんだけど、もうすぐ遅刻してしまう。中で話を聞くしかないか。

 ビルの玄関の自動ドアをくぐると、フロアにいるスーツを着た男女の大人達が高校生の僕をしげしげと見ているような気がする。かなり気まずい。

 プリントに書かれていた受付は……右斜め前のあれか。

 僕が近づくと受付の二人の女性職員は表情を変えず僕を見た。その表情が硬い。かなり場違いだよね、僕。

「あの、すみません……」

 僕は鞄の中からプラスチックカードを取り出した。

 学校からもらった封筒の中には、定期券サイズのプラスチックカードが入っていた。用意がいいことに、学校の学生証からコピーされた写真付き。面談を行う建物・部屋に入る際にはこのプラスチックカードを提示するように、とプリントにあった。

「僕は榑枚季典と言います。青少年保護特別プログラムを受けるためにここに来ました。ここのビルだと書いてあるんですけど、間違ってませんか?」

 青少年保護特別プログラム、とは、プリントに書いてあった、特別指導の正式名称。特別、というのは、繰り返しになるけど、なんだか悪い子だと見られているようでいい気がしない。

 受付の女性の一人がプラスチックカードとプリントと僕の顔をしげしげと見た。すると急に表情が柔らかくなった。合点がいったようだ。

「榑枚君ですね。よくいらっしゃいました。部屋に案内します」

 女性は受付を出て僕の前に回った。え? 受付が持ち場を離れていいの?

「こちらにいらしてください」

 女性の呼びかけに

「あ、はい」

 と間抜けに応えて、僕は後をついて行く。女性は一緒にエレベーターに乗り、六階の部屋の入り口をノックして、僕を制止して先に入った。中の人に説明しているのだろうか。かろうじて「保護対象をお連れしました」という、事実だったら相当に子どもを下に見た言葉が聞こえてきた。

 部屋の扉が開く。受付の女性と、別の女性の、合わせて二人が出てきて、受付の女性が一礼してその場を去った。残った女性は僕を見たときに頭を下げなかった。

「榑枚君、こちらに入って」

 手で促されたので、僕は部屋に入った。女性が後ろに回り込んで扉を閉めた。

 部屋は狭く六畳もないほどで、病院の待合室のような長椅子があり、その前に少し低めの机が一つ。奥に別の部屋への扉とお手洗いがあった。

「榑枚君、座っていいから」

「すみません」

 僕が座ると女性は僕の前で中腰になった。

「青少年保護特別プログラムの呼びかけに応じてくれてありがとう。細かい話は後でするけれど、榑枚君にはこれから週一回ここで面談を受けてもらうから、来週以降は受付で身分証を見せて自分でこの部屋まで来てね」

「身分証?」

「受付でカードを見せたでしょ?」

「はい」

「それが身分証」

 身分証、という名前がつくと、あのプラスチックカードが大層なものに思えてくる。この子はおかしい子です、特別教育が必要です、と声高に叫んでいるカードなんだけど。

 それに「応じてくれて」は、まるでこちらが頼んだかのような言い方だなぁ。こっちは学校の先生に脅かされて両親に白い目で見られて嫌々来てるんだけどなぁ。

 そう心の中で思っていて、顔に出たかもしれないけど、目の前の女性は気づいていないそぶりをする。

 大人と子どもの差。その差が痛いほど分かる。

 女性は再び話し始める。

「九時二〇分から今日のカリキュラムを始めるから。今日のカリキュラムはここにまとめているから、始まる前に見といてね」

 女性は僕にプリントを差し出した。そのプリントを受け取ってながめる。

 そこにあったのは


 九時二〇分~一二時  知能検査

 一二時~一三時    休憩

 一三時~一四時三〇分 心理検査

 一四時三〇分~一五時 休憩

 一五時~一七時三〇分 面接


 合ってる。

 あの「新符 遥」のメールの内容は、たしかに合ってる。

 僕が、嫌々な顔ではなく、戸惑いを見せたから、女性は僕の顔をのぞき込んだ。

「何か、気になることがありますか?」

 まずい。内容を事前に教えるメールをもらっているなんて気取られたらまずい。

「初めて見るから、よく分からないだけです」

「そう。分からないことがあったら、その場で担当の先生に聞いてね」

 女性は立ち上がって、スカートの裾を二回払った。

「後は、奥の部屋から呼び出しがあるから、それまで待っていてね」

 そう言い残し、女性は部屋を出た。

 僕は一人になって、渡されたプリントを見つめた。そしてスマホを取り出し「新符 遥」からのメールをもう一度見た。知能検査、心理検査、面接。メールにはまるで見てきたかのような説明が並んでいる。

 「新符 遥」あるいは、そう名乗る誰か、は、関係者なのは間違いがない。

 でも……

「榑枚季典君、奥の部屋に入ってください」

 女性の声がした。これが呼び出しだと気づかず、しばらく間が空いてから「ハイ!」と大声を上げてしまった。

 知能検査は、学校で受けたペーパーテストとは違って、試験官と一対一で向かい合って、言葉の意味を答えたり、絵の中の間違い(どの絵も、実際のものとは微妙に違っている)を探したり、パズルを組み合わせたり。試験官の中年女性は説明がうまく、ちょっとだけ人を乗せるようなところがあって、なんだかゲームをしているような気分になった。それでもきちんと難しい問題が用意されていて、どのジャンルの問題も途中から解けなくなってくる。頭のいい人は全部解けるのかな。悔しさがきちんと残るテストだった。

「これから休憩だけど」

 知能検査が終わって、試験官はねぎらいの言葉の後に言葉を足した。

「休憩の間、外に出ないでね」

 え?

「『出ないで』って、僕はお昼を買ってませんし、お手洗いはどうするんですか?」

 僕がうろたえても、試験官はいたって平然だ。

「さっきの部屋にお弁当とお茶を用意しているから、それを食べて。お金は気にしなくていいから。お茶は足りなければインターフォンで呼んでくれれば持ってくるから、気軽に。お手洗いは、さっきの部屋から直に繋がってるから、そこで」

「お手洗いはありましたけど、あすこに閉じこもってろってことですか?」

「子どもにうろちょろされると困るの。あんまり動かないように」

 別にビルの中を見て回りたいんじゃなくて、自分のお昼をコンビニまで買いに行くだけなんだけどなぁ。それもダメって、僕、信用されてない?

 元の部屋に戻ってみると、長椅子の前の机の上に、コンビニ弁当の倍近い大きさのプラスチックの弁当箱とお茶のペットボトルが置いてあった。「お金は気にしなくていい」と言われたので遠慮なく開ける。それでもおそるおそるだよ。お金を気にしていたら、証拠をとられたくないから、開けないところだから。中身は、小エビや野菜の煮物が入ったおかずとごま塩が振りかけられたご飯を組み合わせた幕の内弁当だった。

 これ、いくらするんだろう。

 高校生、しかも心理テストで将来問題行動を起こす可能性がある要観察生徒に対して出すお弁当じゃない。

 それなのに部屋からは出てはダメだと厳しく監視されている。

 なにか、すごくアンバランスだ。

 お弁当が実際においしかったことが、満足したけど、不気味な気分になった。

 午後の心理検査は、あれだよ、あれ。初めて見たよ、本物の「ロールシャッハテスト」。あの蝶々みたいなカード、本当にあったよ。あれ? あれが蝶々に見えると言ったら、それはそれで何かの判断が下されるのかな?

 試験官は知能検査のときと同じ女性。

「このテストは特に正解はありません。想像したことをそのままお答えください」

 と優しく案内するのだけれど、これ、答えちゃいけない答えもあるよね?

「このテストは長年実施されており、被験者の心理状態と回答の傾向が過去のデータとして蓄積されています。その蓄積から信頼のある試験となっています」

 その、過去の人はどう答えたの? 先生、知ってるんじゃないですか?

 そんなことを試験官に聞けるわけもない。新しいカードが提示される度に一生懸命頭をひねって思いついたことを答える。試験官はいつも笑顔で、考えが読み取れない。

 ここで「この子は将来に犯罪を起こす恐れがあります」とか判断されたらどうしよう……

 その心配が学校の試験よりももっと頭を使わせた。

 カードを見せられて適当なことを言っているだけなのに、どっと疲れた。

 元の部屋に戻ると、長椅子の前の机の上にはお茶のペットボトルが一つ置かれていた。さっきと同じ、自販機やコンビニで売られていないブランド。業務用のお茶ってあるんだな。一本で足りるから、インターフォンは使わなかった。

「榑枚季典君、奥の部屋に入ってください」

 前二回と同じ言葉、だけど今回は男性の声。

 面談、と言うことは、カウンセラーかな。だったら専門家が当たるのかな。テストを監督するだけの人とは別なのか。

「はい」

 中に入ると三十歳を超えたか超えてないか微妙な若い男性が白衣を着て椅子に座っていて、机の上には、男性の方を向いたノートパソコンと、縦横二十センチ高さ数センチの黒い箱が置かれていた。机の上に箱、という組み合わせは、さっきの知能テストとロールシャッハテストに近かったけど、ノートパソコンは初めて見た。

「お座りください」

 医師(だろう)が手で促すので、僕は向かいの椅子に座った。僕が一礼すると医師は見て取ったようで説明を始めた。

「榑枚君、今から君の心理状態を確認するために、いくつかの写真を見てもらい、それに対する感想を答えてもらいます。答えに正解はありません。思ったことを、なるべく自由に答えていただくと、心理状態を正確に把握できます」

「それって、さっきのロールシャッハテストみたいなものですか? もうやったんじゃないんですか?」

 僕の質問に医師は冷静に答える。

「ロールシャッハテストと比べて、より専門的な面接だと思ってください。この特別プログラムに必要な項目を検査するものです」

「より専門的、ですか?」

「納得できませんか?」

「はい」

 医師はノートパソコンのキーボードをたたいた。

「納得できないのでしたら、『納得しなかった』ことも面接の結果の一部として記録されます。特徴的な言葉・態度・感情が全て記録される面接ですので、そのつもりで受けてください」

 ちょっと待って!

「ちょっと待ってください。さっきのもテストの答えになるんですか?」

「なります」

 医師はあっさりと言い切った。僕は言葉を失った。言葉を失ってしばらくすると、医師がノートパソコンのキーボードをたたいた。

 黙ったことまで記録されるのか!

 ここは言い返さなきゃダメだ!

「これ、僕、学校で心理テストを受けて要注意と判断されてここに来たんですけど、態度からなにまで、全部記録されるんですか?」

「全部です」

「要注意の生徒を見るテストなんですよね? 正解はないんですか? 本当に正解はないんですか?」

「正解はありません」

「言っても信じてもらえないと思いますけど、僕、おかしな人間じゃないんです。そのこと、分かってもらえるんですか?」

「もっとも自然な反応をしてください。それが君の心理状態の把握に繋がり、君にとって好ましい結果に繋がります。他に質問はありませんか?」

 医師はまったく表情を変えずに言い切った。

 やばい。このテスト、相当「やばい」。

 ここで心の内を見せてはいけないんじゃないか?

 分かったふり、をしようか。

「ありません」

 僕が大人しく答えると、医師はノートパソコンのキーボードを叩いた。

「それでは面接を始めます」

 医師は手を小箱に移し、ふたを開けて中から一枚の写真を撮りだした。

「この写真を見て、思うことを自由に答えてください。五分間の間で答えてください」

 その写真は、街中で信号待ちをしているサラリーマンが写っていた。背広の上は着ておらずYシャツ姿。

 モザイクは一切なし。おそらく無修正。

 写っている四十歳になるかならないかの男性は表情を作っている様子が全くなく、同意なしに勝手に撮られたものかもしれない。

「これ、なんですか?」

 僕がそうつぶやくと、医師はノートパソコンのキーボードを叩いた。「これ、なんですか?」も記録されたのだろう。

「思ったことをそのまま話してください」

 話してくださいって、こんな、他人の個人情報を無視したような写真を見せて、どうするの?

 無難なことを言っておくしかないか。

「サラリーマン、ですね。撮ったのは最近ですか? 背広を着てないから、この前の夏ですよね? 他は、特にないかな」

 医師はノートパソコンのキーボードを叩き、手を止めたところで僕を見た。

「ほかにありませんか?」

「ありません」

「この男性の職業はなんだと思いますか?」

 職業?

「サラリーマンじゃないんですか?」

「勤務しているのは、民間企業ですか? 公務員ですか?」

 なんで、それを聞くの? Yシャツ姿だけで、分かるはずないのに。

「分かりません」

「では、この男性は、職場で昇進しそうでしょうか? それとも、例えば転職するでしょうか?」

 医師はそう聞いて、ノートパソコンのキーボードを短く叩いた。

 だから、なんで、僕にそれを聞くの?

「それ、僕に聞くんですか?」

「思ったことをそのまま話してください。自分に質問されるのがおかしいと思えば、そのことを話してください」

「僕に、分かるわけないです」

 その言葉も医師はノートパソコンに書き留めた。

「他には?」

「いいえ」

 写真一枚が五分だから、残り四分ぐらい、二人で無言に過ごすことになった。

 医師が時計を見て時間が過ぎたことを確認すると、医師はサラリーマンの写真を箱に戻し、新しい写真を取り出した。

 あの、オリンピックで競技される体操の、練習風景だった。大人はコーチだけで、演技しているのは僕と同じくらいの年頃の少年達。

 これも、モザイクは一切なし。というか、体操着に名前が書いてあるのが見える。(少年達の名誉のために名前は読み上げない)

「この写真を見て、思うことを自由に答えてください。五分間の間で答えてください」

 この、プライバシー丸出しの写真を見て、なにを答えろというの?

「体操ですよね。鉄棒が写っていて、鞍馬とか床とかは分かりません」

「他には?」

「ありません」

「写っている選手の、将来の成績について思うことはありますか?」

 成績? 写真一枚で? 分かるわけない。

「分からないです」

「分からないですか?」

「分からないです」

 医師がノートパソコンに言葉を書き留めると、二人とも黙り込んでしまって、四分ほどの空白の時間が痛く感じられた。

 医師が取り出した三枚目の写真は、東京証券取引所の象徴である、株価がぐるぐる回る電光掲示板だった。  

「この写真を見て、思うことを自由に答えてください。五分間の間で答えてください」

 これって……

「もしかして、将来の株価を答えなさいとか言われるんですか?」

「思うことを自由に答えてください」

「自由にって、将来の話を聞いてばっかりじゃないですか。何を知りたいんですか?」

「君の心の動きを知るための質問です」

「心の動きって?」

「自由に答えてください」

 医師はやはり表情を変えない。

 この面接、怖い。

 もう、答えたくない。

 それから残り二時間弱、僕は曖昧な返事に終始した。

「では面接は以上で終了です。次回の面接については、この資料に記載しているので、来週までに確認してください」

 医師は椅子の横に置いた鞄から茶封筒を取り出した。A4が入る大きさで、所属組織の印刷のない、文具店で売ってるそのままの茶封筒だった。僕は受け取って自分の鞄に入れた。

「他に質問はありますか?」

 ここはもういいかな。疲れたし、嫌な気分だ。帰ろうか。

 そこで、あの手紙とメールのことを思い出した。

 あの話がどこから出たのか聞かないと後で困る。ここで聞いてみるか。

「すいません。この面接を受ける前に、同じように心理テストで要観察と判断された人から、面接の内容を教えてもらったんですよ。教えてもらったことは大体合ってたから、嘘はついてないと思うんですよね。同じような立場の子には、新しく参加する子の情報は伝わるんですか?」

 医師が、初めて、人をたしなめるような表情を見せた。

「嘘をつくのは止めてもらえませんか。プログラムの対象者の情報は外部には明かされません。そのような話は事実でないとこちらは分かっています」

 いや、そんなはずないでしょ。実際に手紙もメールももらってるし。

「教えてもらったのは、事実なんですけど」

「君にはまだ分からないかもしれないけれど、カウンセリングの情報は公開されないのは、例えば病院であっても同様です。情報が外に漏れることはありません。そのような話を聞いたのなら、君は騙されています」

「でも実際に……」

 教えてもらって、と言おうとして、医師が僕を見下すような視線を向けているのを見て、黙ってしまった。

 僕はそれ以上言葉を継げず、ただ

「失礼しました」

 と頭を下げるしかなかった。

 面接が終わってビルを出て、地下鉄に乗ったから外の様子が分からなかったけど、私鉄に乗り換えたら空が明るくて、十月はまだまだ陽が長いことを実感する。

 帰宅するサラリーマンに囲まれて、僕は今日の面接を思い出していた。

 この面接は僕に大きな不幸をもたらす。

 そんな気がしていた。

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