第2話 自閉症スペクトラムというもの

自閉症スペクトラムって本当に詳しく知るまでは特別な子って思ってた。

言葉が出てこないのは恥ずかしがり屋で。

物事を1人で繰り返して楽しんだりはそれが楽しいと思っていて。

人と話せないのは人に慣れてないせいだと思ってた。

それは全部が違った。

小さい頃から今まで生きるのがとても大変なのが自閉症って事に気が付いたんだ。

だから私は、にい、のがなってほしいものになって。

にい、を助けたい。

そして振り向かせたい。

一緒に歳を取って、死ぬまで。

棺桶にも一緒に入りたいなぁなんて、まだ早いかな。

だから私、変わるって決めたんだ。



「.....本当に付いて来るのかよ。アニ○イト.....イルカ」


「別に貴方の為じゃないもん!私が買いたい物があるからだもん!」


「.....はは.....」


電車で20分ぐらいの秋葉原駅に向かう。

ちょっと前までは私にとっては別世界に感じれたけど、今は違うの。

今では、にい、との思い出の土地になったんだ。

私にとって、にい、との大切な。

今のギャグはスルーされちゃったけどね、あはは。


「.....」


にい、は電車の中の周りが気になる様だった。

人、がだね。

それはナイフでいきなり刺されるんじゃないかって不安とかもある。

だから、にい、は顔を青ざめている。

私は心配しながら静かに、にい、の手を握った。

にい、はそれすら気にする事も出来ないみたいだけど。

私は手を摩る。

本当に頑張ってるね、にい。

誰よりも私が見てるよ。


「.....にい、大丈夫?」


「.....そ.....そうだな.....」


にい、は頭に手を添えた。

汗を拭いてあげる。

そして笑んだ。


「.....もう少しだからね。にい」


「.....あ、有難うな。イルカ」


「別に貴方の為じゃないから!汗が気になるだけだからね!」


なるだけツンデレで、にい、に答える。

にい、は私の様子に安心した様に息を整えて。

そしてフウッと吐き出して答えた。

震えが少し止まったね。


「.....有難う.....」


「.....うん」


周りから視線を感じる。

まるで、リア充、死ねって感じかな。

リア充じゃ無いんだけどなって思うんだけど。

私と、にい、はまだそんな関係じゃないからね。


(秋葉原〜秋葉原〜)


「着いたよ。にい」


「.....そ.....そうだな」


私は、にい、の手を引いて。

そして降りる。

にい、は頭に手を添えたままだった。

私は複雑な面持ちで周りを見る。

美少女のポスターとか、色々なグッズが一番に目に入ってきた。

にい、に対して、それらを指差して言ってみる。


「にい、見て見て。アイマスだよ」


「お.....そうだな」


「あっちはリゼロかな?」


その様な話を、にい、としながら。

ゆっくりと歩いて行く。

そして、アニメのポスターに囲まれながら駅から出てみると。

海上自衛隊のイベントや、大型モニターが、カフェが見える所に着いたよ。

うん、何時もの秋葉原だね。


「にい、大丈夫?」


「.....大丈夫。人馴れしてないね。相変わらずだけど」


「うん。大丈夫だよ。何かあったら言ってね.....あ」


にい、はクエスチョンマークを浮かべる。

私は頬を染めて、そしてツンデレ気味に話してみる。


「.....何かあったら言うのよ!」


「.....本当にそのキャラクターで通すんだな.....」


「.....うん。だって、にい、のなってほしいものになりたいから」


さ、行こ?と、その様に言って。

私は手を引く。

それから、にい、を引っ張って行った。

私は満面の笑顔になって、だ。



「ふぇ〜ア○メイト、混雑してるね」


「.....そうだな。平日でも混雑し易いからな」


アニ○イトは混雑していた。

対人関係がとても苦手な、にい、には地獄かも知れない。

だけど、にい、は言ってた。

慣れていかないといかないよね。

って。

だから私も頑張る。

にい、がきっと夢を叶えれれる様に。


「此方ではエロマ○ガ先生団扇を配布中ですー!」


にい、は店員さんが暑さで配っているのだろう。

エ○マンガ先生の団扇に興味を示していた。

アニメ化もされている人気作品だよね。

ジッと見つめているけど.....多分、にい、は受け取れないよね。

だから私が受け取ってこようかな。


「.....でも、一歩は必要だ」


「.....え?無理しないでね?」


ゆっくりと歩いて行って、それで団扇を受け取る、にい。

私は目に涙を浮かべちゃった。

頑張ってる。

にい、が凄く。

嬉しいな。


「えへへ、にい。やったね」


「.....そうだな」


私は笑顔で、にい、の腕に腕を絡ませて。

それから人が大勢に居るアニ○イトの中に入って行く。

にい、が心配しない様に。

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