属性は何を選択すればお嫁さんにしてくれますか?
アキノリ@pokkey11.1
第1話 自閉症スペクトラムの幼馴染
東京都内の県立山崎高校、普通科二年生、私の名前は飯田イルカ。
黒髪の長髪のポニテ。
学内でも有名な綺麗な目鼻立ちの顔立ちらしいけど。
でも、綺麗だからどうなるの?
私にとってはどうでも良いと思うんだ。
あと、私の身長は159センチ。
ウエストバストなどは秘密だけど、それが私。
そんな私のイルカという名前って、本当に珍しいと思う。
付けてくれた親の強さも凄いと思う。
でも、昔は名前を気に入って無かったんだ。
今は私はこの名前が凄く気に入っているけどね。
それは簡単に言うと、私が好きな子が昔、褒めてくれたから。
「にい」
「.....何だ」
「ア○メイト?だっけ?そこに寄って帰ろ?にい」
「.....お前、興味無いだろ。あそこ。それに1人で回りたいし勘弁してくれよ」
授業が終わってから私は、にい、に声を掛ける。
あ、にい、ってのは愛称だよ。
隣同士の幼馴染の新島智(にいじまさとし)の男の子の愛称。
黒髪に、黒縁眼鏡に、あまりパッとしない顔付きだけど私が守りたくなる顔。
身長171センチ、中肉。
目を泳がせて私に目を合わせようとしない、その子はちょっと特徴が有る。
それは恥ずかしいからとい訳じゃ無いんだ。
「何であんな奴の事を」
とか言ってた私に告白した男も居たけど。
水を差さないで欲しいなって思う。
そんな私は、にい、は殆ど興味を私に向けないのに川で溺れていた幼い私を一生懸命になって私を助けてくれた事があった。
それより前からも好きだったけど、にい、は私がもっともっと恋人にしたい相手になっちゃった。
でも残念だけど私には、にい、からは愛を振ってはくれないんだよね。
それだけじゃ無くて(幼馴染)という以外は興味もないみたい。
周りの、にい、病の事を馬鹿にする他人の言葉に、他人が信じれなくなった。
それで、2次元しか信じなくなったの。
私はそんな、にい、に向いて、必死に笑みを零す。
「.....私、最近、アニメについて勉強してるんだよ?アニメの事を本気で分かろうとしているんだよ」
「.....そうなのか。.....うん、まぁ、頑張れ」
私に対してあまりに興味無さげな言葉。
でもそうだよね。
なんでかって言われたら、にい、は発達障害を持っているんだ。
その発達障害の名前を自閉症スペクトラムって言うんだ。
みんなは殆ど分かってくれないから、ただの馬鹿。
と認識しているけど、違う。
にい、は頭が良いんだ。
良すぎるから病を抱えちゃったの。
それを分からない奴の方が馬鹿だと思う。
「.....にい。アニメって面白いよね。えっと.....ちょっと問題なのもあるけど.....それもまた独特で面白いよね。私、大好き」
「.....そうだな.....」
でもいくら幼馴染としても対面するのが精一杯な面もあるみたい。
他の人となると.....もっと話せなくて、先生と一対一で話す時とか、私が常にサポートしてるの。
そんな私は今日、とても大切な事を一つ言おうとしてる。
廊下を歩きながら決心を固めてそして、にい、に向く。
ゆっくりめの足取りに合わせて、それから話した。
「.....私ね、にい」
「.....うん?」
にい、の手を引いて2人っきりになれる場所に来た。
そして私は笑顔でその言葉を放つ。
これは告白になっちゃうかもだけど、普通の告白じゃもう、にい、には通用しないって分かったから。
だからこの告白で挑むんだ。
これなら、にい、を振り向かせれる。
そう、思ったから。
「.....にい、の横に一生、居たい。歳を取って声が枯れてきてもずっと手を握るよ?だから全力で挑みたい。私ね、にい、にアニメの女の子の様な属性を聞いて.....その属性になる!」
「.....は?」
まさかの言葉だったんだろうね。
にい、は突然の言葉に声を惑わせて困惑して居た。
でも今はそれで良いの。
私は、にい、のなりたいものになるんだ。
それで貴方を絶対に振り向かせたい。
だから聞くの。
「.....にい。どんな女の子の属性が好き?」
「.....そんな事を言われてもな。全く意味が分からないんだが」
「属性だよ?デレとかあるじゃ無い?」
その言葉に、にい、は理解した様に。
一瞬で、本当に一言だけ、小さく呟く。
好きな?属性の事を。
だけど私は聞き逃さなかった。
「.....強いて言えば.....ツンデレ.....が好きと言えば好きかもな。でも、俺は.....」
「じゃあ、私、その属性になる。今日から私、二次元になる」
「え.....?」
この気持ちが1パーセントでも。
にい、に伝わって欲しい。
そう思いながら私は笑みを浮かべた。
私は今日から変わる。
ポニテを外してツインテにして、そして私は話す。
「.....別に、にい、の事なんか好きじゃ無いんだからね〜」
「.....!」
「どう?似てた?」
私はニヒヒ、と、はにかむ。
にい、は少しだけ頬を染めて、そして言い放った。
口元に手を添える。
「.....何なんだよ。馬鹿かクソッタレ」
その様に、ごく僅かに笑みを浮かべて。
私は嬉しくなった。
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