第33話 天ケ瀬ダム

今も出るのか分からないけれど

一時期京都の女性と付き合っていて、仕事終わりにデートをして

送って行きがてらに、宇治川ラインを使っていた。

その当時はまだ若く、夜の12時、1時など当たり前のようにドライブしていた。


宇治川ラインは天ケ瀬ダム沿いに下って行くのですが、平日の夜中で車も少なく、対向車や後続の車があればライトで分かります。

道はカーブの連続で他車のライトで車がどの辺まで近づいて来てるか確認しながら走ります。


その夜も、何時ものように走っていました。

3つ先のカーブにライトが見え、次のカーブを回った先辺りで対向車とすれ違うだろうと思いカーブを回りましたが、ライトの明かりが見えてきません。

2つ目のカーブを回りましたが、対向車が来ません。

先の道にもライトの明かりは見えません。

この辺に側道や隠れる所はないので、不思議に思い彼女と話していました。

確かにライトがこちらに近づいて来てた。と、意見は一致します。彼女も見ていたのです。


またか、程度に思ってるとバックミラーに光が反射しました。

後ろから車が追い付いてきたか。

この道は週末は走り屋が結構出ますが、平日はほとんどいないので珍しいな。程度に思ってました。

抜いて行くだろうと思っていたのですが、後ろに付いて抜いて行きません。

車間を詰めたり離れたり、たまにハイビームにしたり、抜く気はないようです。

宇治側に出て赤信号で止まった時に、後ろの車から人が降りてきて運転席の窓を叩かれ、何か言ってるので窓を開けました。


後ろのガラスに異様に大きな顔が後ろを向いて張り付いていたと。

近づくと般若のように怒っている顔になり、離れると無表情になったらしい。

悪戯かと思いハイビームにして見てたらしい。

市街に入る前のカーブで離れた時に消えていたらしい。


それで、大丈夫かと思い声を掛けてくれたと。

何度か不思議な出来事はありました。

その当時は何かと噂のあった宇治川ラインだけど、今は走ることも無いのでどうなんでしょうね。

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