第2話 東北のホテル

これは一昨年の梅雨時期に宮城県のとあるビジネスホテルに滞在した時のお話です。自分の仕事はエンジニア系で出張が多くホテル、特にビジネスホテルの利用が多いのですがそのビジネスホテルに2週間滞在した時の話です。

新幹線を乗り継ぎ仙台に昼に着きレンタカーを借りて仕事先へ、そして夕方ホテルへチェックイン。まずそこでケチが付きます。2週間通しで押さえていたのですが一日だけ部屋が取れないと知らされます。何かの学会があるのか周辺のホテルは取れないとのことで少し離れたところでようやく一部屋確保でき安心しました。


仕事自体は順調で一泊だけ違うホテルに泊まる日、取り合えず夕食を済ませホテルへ行きました。ロビーに入った時に何か暗さを感じたように思いますが気にせずフロントへ行きチェックインを済ませ部屋へ、ドアを開けた瞬間何かがそばをかすめる様に風が出ていきました。本当に「うわっ」と言う位に風が抜けたんです。

荷物を置き窓を調べてみましたがきっちりと閉まっていました。その時はおかしいな程度だったのですが、次の日も仕事と言う事もありシャワーを浴びて早々に寝る事にしたんです。

ユニットバスへ入りドアを閉めてシャワーを浴びているとドアがカチャリとカーテンを捲り見てみるとドアが開いてます。「閉めるのが緩かったのか?」ともう一度ドアを閉めシャワーを浴びなおしているとまた「カチャリ」またドアが開いてますが今度は気にせずにシャワーを浴びていました。

「バン!」

何事かと見たらドアが閉まってます。さすがにこれはただ事じゃないと思い、急いで着替えフロントに行き説明するも「気のせいですよ」と言われしぶしぶ部屋に戻り、もう寝る事にしたんです。暗くないと眠れないので電灯はすべて消しカーテンを閉めベッドに入りました。普段は寝つきが良いのですがその日もウトウトしだした時にベッドが揺れたんです。咄嗟に地震だと思いスマホで見ましたが地震があった形跡がないんです。明日調べようと再び眠りにつきました。何時ごろでしょうか身体を揺さぶられて目が覚めました。誰だと一瞬思いましたが、ここはホテルの一室で一人です。夢か?と考えているといきなり足首を掴まれました。逃げようにも体が動きません。

その後知らないうちに寝てしまったらしく気付けば朝でした。


多分まだ国道4号線沿いにそのホテルはあるでしょう。

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