2話⭐午前八時の説明

「それで、これは

どういうことなのかしら?」


母さんも少し落ち着いて来たみたいだ。


「多分昌明のせいだと思う」


原因はそれしか考えられないし

明らかに、あの小瓶に入ってた液体だ。


「昨日さぁ」

と俺は話し出した。


一通り話し終え、俺は枕元に

置いておいた携帯を開き、昌明に電話した。


二回三回と鳴らしても出ない……


そして、八回目でやっと出た。


『もしもし』


何とも普通の声だ。


『おい!! 昌明!!』


身体は女になったが性格までは

変わってないから思いっ切り

怒鳴ってやった。


「何で、俺女になってんだよ」


向かいに母さんが居るのも忘れて

昌明に言い続ける。


ぐっすりと眠れたから"睡眠薬"の効果も

あったんだろうけど、

何で"女"にしたんだ……


『女がいいなら

俺と別れて女と付き合えよな』


そう言って電話を切った。


何だか泣けてきた……


「こっちにおいで」


今まで黙ってた母さんが呼んだ。


「泣きたいなら泣きなさい」


ギュッと抱きしめられた。


その瞬間、安心してブワッと涙が出てきた。


「理由を後で

各和かくわ先生に訊いてみたらどう?」


俺の頭を撫でながら優しい声色で

母さんが言ってくれた。


『わかった……』


「とりあえず、着替えて降りて来なさい」


椅子から立ち上がり先に部屋を出て行った。


クローゼットを開けて適当に着替えた。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る