第6話 不屈の不吹


 ――その頃。亀裂が走るキャノピーを視界に捉え、アントラー号の中で目を覚ました竜史郎は。血みどろの額をぬぐいながら身を起こし、眼前で沈黙しているGの無残な姿を目にしていた。

 ゾリドワに託されたGを勝たせてやれなかった自責からか、その表情は沈痛な色を湛えている。


「……くッ……!」


 やはり一度でも挫けてしまった自分では、あの古代兵器を破ることは出来ないのか。そう、竜史郎までもが折れかけてしまった――その時だった。


「……ッ!?」


 防衛軍の攻撃を意に介さず、「頭脳」を失い動けないGの頭部に噛み付いたTが――凄まじい膂力で、その巨体を振り回し始めていたのだ。


「巨人が……!」

「何をするつもりだ……!?」


 もはや身動き一つ取れないGを、わざわざ痛めつける意味。竜史郎がそれに気づいた時にはもう、Gの身体は空高く投げ飛ばされていた。


 弧を描くように宙を舞う、人型の巨大兵器。その身体が墜落する先には――まだ、避難中の人々がいる。

 もちろん。綾奈や千種を乗せた、防衛軍の避難用バスも。


「……! 隊長! あの方角はッ!」

「第2小隊ッ! 避難民の頭上に落ちる前に、一斉放火で撃ち落とせッ!」

『だっ、ダメです! 間に合いませんッ!』

「――くそォッ!」


 それに気づいた御堂も、声を荒げて別働隊の戦車隊に報せるが――今から滞空している巨人を撃ち落とすには、狙う時間も主砲の火力も、何もかも足りていない。

 御堂も、ダグラスも。ただ唇を噛み、放物線を描いて地上に迫る巨人を、遠くから見ているしかなかった。


 だが。竜史郎は、まだ。

 打つ手がないと、諦めてはいなかった。


(――ごめん、三嶋。河本。伊賀崎。蔵沢。粟野。宍戸。……父さん)


 守る為の力が、守るべき人々を奪い。守る為の力が、守られるべき人々に否定される。


 1年前の、あの日のように。


 そんな不条理の渦中にいた竜史郎にとってそれは、命に代えても許してはならない結末であった。

 ゆえに彼は血だるまになりながらも、激痛に晒されながらも――何一つ迷うことなく、その赤く染まった手で、土色の操縦桿を握り締める。


(オレは、まだッ……!)


 次の瞬間。傷だらけのアントラー号は、キャタピラ走行とは到底思えないほどの速さで瓦礫の山を走破し、亀裂だらけのアスファルトの上を駆け抜けていく。


「――!? なん、だ……あれは……!?」


 怪獣との激戦やGの動きで、隊員達が混乱する最中。地上を猛スピードで駆け抜けていく、真紅のドリル戦車を目撃し――ダグラスは瞠目する。

 そんな彼の視線を振り切るように、アントラー号はただ真っ直ぐに突き進んでいた。空を舞うGの巨体を、追い掛けるように。


(……まだ、こんなにもッ……!)


 そして。頭上を覆う巨人の陰に、地を駆けるバスの乗客達が悲鳴を上げる中。綾奈と千種が、互いに抱き合い瞼をきつく閉じる時。


 真紅の土竜モールが、這うように地上を駆け抜け――彼女達を抜き去っていく。

 瞼を開けば見えていたであろう、想い人の貌に気付かぬまま、綾奈は妹のような侍女のか細い身体を抱き締めていた。


 瓦礫の山に囲まれ、斜塔のように傾いたビルを目指すアントラー号が――斜面を駆け上がるように、天を目指したのはその直後である。


 そして。

 ビルの壁を駆け上がるように走り続けたアントラー号は、背後に迫るGに向かうかの如く。


「――ぉおぉおぉおッ!」


 斜塔の端に近づく寸前で、車体を前方から持ち上げ――背面に回転するかのように、宙返りを始めた。

 キャタピラが接していたビルから離れ、アントラー号の車体が後方に向かう。だが、それは転倒ではない。


 加速をつけながら急斜面を登り、その勢いのままひっくり返るように後方へ飛ぶ、アントラー号の先端部ドリルは――後方に迫るGの頭頂部へと向けられていた。


「アンッ――トラァアァアァッ! セェエェエット!」


 痛みを振り切るように。血を振り払うように。竜史郎は咆哮し、操縦桿を倒す。

 先端のドリルは再び車体に収納され――アントラー号のボディが、脳髄部への激突ドッキングを果たした。


 それはまるで――アイガリンヒーローになれなかった1年前の事件を、やり直すかのように。


 やがて目醒めを誘う巨人の雄叫びと共に、その碧い両眼に再び光が灯る。バスの上に墜落するはずだった巨人は、空中でのドッキングを経て「自我」を取り戻したのだった。


「ぬぅ……うぅうぅんッ!」


 Gは覚醒すると同時に、空中で身体を一回転させる。次の瞬間、バスを跨ぐように両脚で地上へと着地してみせた。衝撃で地表に振動が走り、走行中のバスの車体が一瞬浮き上がる。


「うわぁあぁ!?」

「きゃあぁあッ!?」

「み、見て! 巨人が、Gが……!」

「生き、返った……!?」


 そのショックに車内は騒然となるが――そんな中でいち早く瞼を開いた綾奈と千種は、自分達の頭上で目醒めたGの後ろ姿を、固唾を呑んで見守っていた。


 そこに誰がいるのかなど、知る由もなく。


 ◇


 鋼鉄の両拳を構えて、再び立ち上がったGの姿は――劣勢に立たされていた防衛軍の隊員達に、希望の火を灯していた。


「隊長、あのデカブツが!」

「……随分と血の気の多い巨人だな。各員、奴の援護に回るぞ!」

「了解ッ!」


 あの巨人が味方であるという確証があるわけではない。だが少なくともTは未だ健在であり、その猛威を振るい続けている。

 最優先して撃破せねばならない対象が彼である以上、考え得る最善を尽くすことが急務。現場の判断でそう踏み切った御堂は、隊員達を率いて歩兵部隊と戦車隊を展開していく。

 ――この機を、逃すわけにはいかない。


 絶え間ない巨竜の砲撃により、窮地に立たされていた防衛軍の隊員達が、そうして息を吹き返していく。そんな彼らの強さを一瞥しつつ、竜史郎は鋼鉄の拳を構えて仇敵に向かって行った。

 一方、未だに戦意を捨てない死に損ないに業を煮やし、Tは先ほどGを沈めた一斉砲火を叩き込む。


「なっ……!?」


 ――だが。その業火を全身に浴びたのは、Gではなかった。


 爆炎が失速し、黒煙が晴れ、その先から周囲の建物が垣間見える時。

 防衛軍とGの前に現れ、Tの火炎放射を遮っていたのは――巨大な両翼で繭のように自身を包み、その漆黒の鋼鉄で灼熱に耐えていたWだったのだ。


 侵略者の片割れとして人々を襲い、Gにも牙を剥いていたはずのWが見せたその行動に、防衛軍の隊員達が瞠目する一方――竜史郎は、綾奈が博物館で言葉を思い返していた。


 ――ダイノロドにはね、人が乗り込んで動かさなきゃいけない前期型と、機体自体が自律行動する後期型の2種類があるんだよ。その当時のことを記した碑文によると、前期型の操縦士が後期型を打ち倒して屈服させて、自分のしもべにすることもあったんだって。


(屈服させて、僕に……そうか)


 Gが仕掛けた攻撃でWは一度撃墜されたが、その際に受けたダメージは致命傷に至るレベルではなかった。後期型の人工知能が「屈服」と認識する程の攻撃を受ければ、対象となる操縦士を主と認識するプログラムが組まれているのだろう。

 強者はより多くの後期型を眷属として従え、弱者は自身の僕を奪われていく。それが古代グロスロウ帝国で横行していた、弱肉強食の世界なのだ。


 Gとその操縦士である竜史郎を主と認めた双頭の飛竜は、咆哮と共に両翼を広げ、猛火を振り払い霧散させていく。Gを超える熱耐性を持つWは、竜史郎に命じられるまでもなく、新たな主の敵と見做したTに牙を剥いていた。


「……分かったよ。来いッ!」


 竜史郎は肩越しにこちらを伺い、赤い眼差しで指示を仰ぐWに呼び掛けながら、操縦桿を倒す。次の瞬間、巨人は地を蹴って天高く跳び上がり――その後に続くように、黒竜も飛翔して行った。


「跳んだ……!?」

「奴ら、何をするつもりだ……!?」


 その光景。太陽を背に、天高く跳び上がるGの姿に、御堂達は瞠目していた。

 あの鈍重な巨人が、軽やかにジャンプして見せたことだけではない。彼に付き従うかのように、あの黒竜が追従している光景に驚愕していたのである。


 そんな彼らが、見上げる空の彼方で。竜史郎は後方から迫るWを肩越しに見下ろし――操縦桿を握り締めた。

 そして。「眷属」を装備として扱う際に要求される、パスコードを口にする。


「ドッキングッ――バイトォォオォッ!」


 その叫びが轟き、Gの背面に牙のような突起が出現した。その鋭い「接合部」は、Wの腹部に現れた深い窪みに、嵌まり込むように突き刺さる。

 やがて、Gの口元から響き渡る咆哮と、Wの双頭が発する絶叫が重なり合い。巨人と黒竜の、「合体ドッキング」が完了した。


「合体した……!? やっぱりあの飛竜、巨人に協力してんのかッ!?」

「……ちッ、どこまでも手の内の読めねぇデカブツ共がッ! 各隊員、攻撃の手を緩めるな! あいつばっかりにいい格好させるんじゃねぇぞ!」

「了解ッ!」


 その常軌を逸する光景を一瞥しつつ、御堂達はTへの牽制射撃を続行する。巨人達の真意が何であれ、今は街に最も甚大な被害を及ぼしている地上の怪獣を、先に殲滅しなければならない。

 あの黒竜と合体した巨人が、紛れも無い「味方」であることを祈りながら。彼らは光線銃と戦車砲を武器に、圧倒的な古代兵器に抗い続けていた。


 そんな彼らの一斉射撃も、Tの分厚い装甲の前では蚊が刺した程度に過ぎず。鬱陶しいと言わんばかりに、彼の者の大顎が隊員達に向けられようとしていた。


「ワイバァァアンッ――カノォォオンッ!」


 そうして、一瞬でも頭上を取ったGから目を離した。それが、上空からの急降下攻撃を許すきっかけに繋がったのである。

 空を裂き、地上目掛けて猛進するG。その両肩から顔を出すWの双頭から、眩い熱線が放射され――Tの顔面に直撃した。


 痛みと熱に悶え、のたうち回る鋼の巨竜。その反応に手応えを感じつつ、竜史郎は操縦桿を左右に倒し、回避行動に移る。

 手痛い空襲を受けた怒りを、炎に乗せて放射するTの対空射撃が矢継ぎ早に繰り出されるが――Gの身体は、その全てを巧みにかわしていた。


 地上戦なら、守らねばならない隊員達もいる上に逃げ場も少なく、鈍重な足では回避自体も難しい。だが翼を得て空中に上がった今なら、素早く回避に徹することができる上に有利な頭上も取れる。何より、巻き込む民間人も隊員もいない。

 Wとの合体を果たした今のGは、縦横無尽に大空を駆け巡っていた。お前に勝ち目はない、とTに宣告するかのように。


 だが、油断はできない。この地上は本来、ダイノロドの真価を発揮できる戦場ではないのだ。

 ――全てのダイノロドは地下深くのグロスロウ帝国から発せられている、並の生物なら近づくだけで死に至る超高熱源「死地熱エネルギー」を動力としている。故に長く地面から離れていてはエネルギーが供給されず、機能停止してしまう恐れがあるのだ。


 人類が発掘し、博物館に保管されているダイノロドはいわば、地下の帝国から永く離れすぎたせいで力尽きてしまった遺体。長時間に渡り大地から離れ、空中で戦い続けていれば、GとWもその運命を辿ることになる。


「――終わらせてもらう。これ以上、誰も傷つかないように! ダイノロドォッッ……アァアァーックスゥウッ!」


 その前に、決着をつけるべく。竜史郎の叫びに応じて、Gの胸部にある真紅のエンブレムが分離され――中心点から下方へ伸びるように、柄が出現した。やがて体の一部だったはずのそれは、紅い両刃の斧へと変形する。


「ぬぅぅうんッ――とおおぉおおッ!」


 そして、Wの高速飛行による加速をつけながら投擲された刃が――巨竜の殻を破り肉を抉り、骨格の奥深くまで沈み込む。絶叫を上げるTは身動きが取れず、再びGから視線を外してしまった。


「今だッ――火砕流ミサイィイィイルゥッ!」


 そこから間髪入れず。エンブレムが外れて露出した胸の「発射口」から、無数の赤い弾頭が一斉に放射される。

 濁流のようなミサイルが矢継ぎ早にTを爆撃し、足元を吹き飛ばされ体勢を崩した巨竜は、無人のビルをなぎ倒しながら転倒してしまった。


 ――これではもう、「大技」が来ても回避することはできない。


「とどめだッ!」


 そして。この形態だからこそ可能な「一撃必殺」を知る竜史郎は、対応するパスコードを叫び――操縦桿を一気に倒す。


「ストォオォムッ――アンットラァアァッ!」


 主から発せられた気勢に従い、背部に結着している双頭の翼竜は翼を開くと、錐揉み飛行からの急降下を敢行した。超重量の巨大な物体が高速回転に移ったことで、Gを中心に旋風が発生している。

 その風と、黒竜の翼を身に纏い。「鼻先」を突き出した古代の巨人は、地上から炎を放つ巨竜の頭上へと、突撃を敢行して行った。


 Wの飛行による速度、高速回転による貫通力、双方の体重による超重量、そして急降下による重力を武器に、垂直に肉迫するGは。Tの火炎放射を物ともせず――その鋼鉄の身体に、裁きを下す。


 風ひとつ吹かぬ地の果てへと、竜の僕を引き連れて。


「ぬぅッ――ぅうぅうぅうんッ!」


 アスファルトを破り、地を裂いて、地底深くまで巨竜を連れ去る翼の巨人。「鼻先ドリル」によるその進行が止まり、巨竜が力尽きる瞬間――体内における全ての砲弾とミサイルが誘爆し、全てを爆炎が飲み込んで行く。

 やがて地上に牙を剥いた無法の侵略者は、爆散という末路を辿るのだった。


「うおわッ!?」

「全員何かに掴まれッ! ――地震、ってわけじゃねぇなコレは……!」


 その余波が地震という形で地上の市街地に顕れ、防衛軍の隊員達が翻弄される最中。地の底まで開けられた大穴から噴き出す、Tの残火に追われるように――翼を纏うGが飛び出してきた。


「あの巨人ッ……!」

「ハッ……やりやがったな……!」


 その巨体が舞い上がる、その姿が――この戦いに、終わりを告げる。大地の揺れと、アスファルトを突き破る噴火の意味を悟り、ダグラスと御堂は口元を緩めていた。


「やった……やったぞ!」

「あの巨人が……勝ったんだ!」


 防衛軍の隊員達。テレビから、この戦いを見ていた民間人。バスの中から、戦局を見守っていた綾奈達。

 全ての人々から歓声が上がり、颯爽と着地するGの勇姿を賞賛していた。今までの戦いぶりから、誰もが彼を「味方」と認識していたのである。


(……これで、少しは未来も変わったのかな。……なぁ、父さん)


 その声を一身に浴びる中。アントラー号の操縦席にもたれ掛かり、黄昏の空を仰いで。竜史郎は1人、荒れ果てた街並みを眺めていた。


 ――思い出すのは、1年前のあの日。守るべき未来に、自らの手で幕を引いてしまった、あの過ち。

 あのような結末はきっと、今日も起きるはずだったのだろう。ドッキングが間に合わなければ、あのバスの乗客達は間違いなく、墜落してきたGの巨体で圧死していた。

 戦車砲の余波で避難バスを潰し、子供達の命を奪った、あの日のように。


(……皆、ごめん、ごめんな。それでも、オレは、まだ……)


 だが、そうはならなかった。それだけでも、今の竜史郎には十分だったのだろう。

 彼は力尽きたように身を倒し、操縦桿を倒してしまう。すると彼の疲弊を表現するかのように、Gは片膝をついて動かなくなってしまった。

 操縦席で意識を手放した彼は――やり切ったような、悔やむような、複雑な面持ちのままで眠りに落ちている。


「隊長、巨人が……!」

「……動き出す可能性も否定できん。慎重にな」


 そのGを見上げる御堂達は、沈黙したまま動かない巨人に対して、静かに調査を開始していた。味方と取れる行動を続けていたとはいえ、得体の知れない巨大兵器であることには変わりない。


 彼の者が危険分子ではないという確証を得るためにも、その正体に近づく必要がある。その急先鋒として進み出たダグラスは、Gの肩にワイヤーを絡ませ、頭部まで登って行った。

 脳髄部にキャノピーらしき部位があることは、隊員達もすでに気づいていたのだ。この巨人が有人式の「前期型」なら、コクピットはここに違いない――と。


「……おいおい、冗談だろ。こんなとこで何やってんだ、あんた」


 そして、その見立て通りに。キャノピーをこじ開けた先では、血みどろの青年が死んだように眠り続けていた。

 期せずして、当初の目的であった「不吹竜史郎の捜索」を果たしたダグラスは、しばし目を剥いた後――呆れ返るようにため息をつく。


 やがて脈を取り、失血と疲弊で気を失っている状態であると把握した彼は、応急処置を施しつつ彼に肩を貸した。キャノピーから姿を見せた2人の姿を見上げ、Gの操縦士を知った御堂は――片手で顔を覆い、ダグラスと同様に深々とため息をついている。


「……これはまた随分と、面倒なことになったもんだな」


 ドイツ支部最大の英傑として知られ、本国の教科書にまでその名を残している、アーデルベルト・シュナイダー中将の息子が。過去最高の成績を持ち、1年前の事件でも伝説になるほどの活躍を残した、元士官候補生が。

 ただの置物扱いだった古代兵器ダイノロドを起動させ、現行兵器を物ともしない怪獣達を打ち破った。しかも奇跡的に、1人の犠牲者も出ていない。これは間違いなく、軍部にとって衝撃のニュースになる。

 防衛軍は必ず、彼の身柄を確保しようと躍起になるだろう。事実、彼には聞かなければならないことは山ほどある。


 ――だが、それはそれとして。


 彼にはいち早く無事を知らせて、安心させなければならない女性がいる。今この瞬間も、その身を案じ続けている女性がいる。


「……ま、話は後だな。まずはさっさと、『お姫様』に会わせてやるとするか」


 それを知る御堂は、彼女・・の警護に当たっている隊員に連絡を取るべく、懐から無線機を取り出した。

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