4-6 第3戦 その2 二人の女子の戦い

闘技場には、傷だらけのシャーロットと、敗れたローブを着ているクリスティーナがいる。


「キューティーナイトさん、あなた達も闘技場から降りればよかったのに。これ以上無様な姿を見せると、あなた方のお父様たちが悲しむわよ。。」

「リンダさん、助言、ありがとうですわ。でも、私たちは優勝しますの。この戦いは【ただ】の通過点ですわ。残念ですが、すぐに終わらせていただきます。私たちの勝利で。」

「ふん、何を強がって。私の素晴らしい魔法、避け切れていないじゃないの?」

「そうですわね、私たちはまだ戦闘モードではありませんでしたので、ちょっと触れてしまっただけですわ。次は当たりませんから、期待させてごめんなさい。」

「そうでしたの。そこにいる魔法士の魔法なんて当たらないですから、それと一緒ですわね。」


闘技場で、女同士の戦いが続いている。


「シャーロット、私目薬点すから、その間対応してくれる?」

「いいですわよ。10秒で良い?」

「十分よ。あと、あの魔法士私にちょうだい。私魔法士として馬鹿にされました。」

「それは残念ですわ。でも仕方ないですわね。あなたにあげますわ。」


彼女たちの中で何かが決まったようだ。


「どちらが先に闘技場をおリるか決まりました?」

「決まりましたわ。あなた達ですわ。」


クリスティーナは胸ポケットから目薬を取り出し、目薬を点し始めた。

その姿は、2回線の悩殺な姿に加え、引き裂かれた服が一層妖艶さを引き立てる。


「で、でたぞ!アフロディーテ様だぁ!」

「天を恨んだゆえに、罰を受けてあのお姿に・・・まさに伝説と同じだ!」

「ダメだ!あの姿を見ると、正気でいられない!」


観客席から、クリスティーナを称賛?する声が聞こえる。


「リンダ、あんなの無理だよ。俺は攻撃できない。。。あれは本物のアフロディーテ様だよ!」

「ちょっとしっかりしなさい!目薬点しているだけですじゃないの!」

「男はほっておいて、私たちそれぞれで、魔法をかけるのよ。」


クリスティーナの目薬を点し始めた後、胸から取り出したメガネをかけたシャーロットは、相手の女性魔法士2人が放った魔法【ファイアボール】と【エアーカッター】が飛んでくる前に立ち、空中に向かって【スプリングショット】の剣の動きをした。

すると、剣先に空気の衝撃を発生させ、飛んできた魔法の軌道を変えた。魔法はシャーロットにもクリスティーナにも当たらない。シャーロットの【スプリングショット】は魔法の軌道すら変えることが出来るのだ。


「え?魔法が曲がった!」

「うそ?信じられない!!」


それに驚く相手女性魔法士たちを横目に、シャーロットはクリスティーナの姿に翻弄されいてる男武道家の脇に回り、【スプリングショット】を武道家の脇腹に放った。武道家は飛ばされたのだが、直接闘技場の外ではなく、魔法士一人に向かって飛ばした。二人ともその勢いに耐えきれず、闘技場の外に飛ばされていった。リタイアになる。


気がつくと、相手はリンダ一人になっていた。


「凄い、やっぱり王女様の動きは本物だ。」

「メガネをかけてから・・・また10秒で一仕事終わったぞ。」

「まさに一瞬・・・【テンカウント・プリンセス】だ!!」


場内は、クリスティーナとシャーロットの衝撃に持ちきりだ!


「く、なんて動きなの、あのおてんば王女は!」


そう言いながら、リンダは魔法を構築し始めた。


「遅いですわ!」


目薬を点し終わったクリスティーナは、相手が魔法を構築し終わる前に、自分の魔法を構築し、魔法

【ウォーターバースト・パニック】を使った。


リンダのを囲うように、小規模の【ウォーターバースト】が数えきれないほど発生した。

魔法としてのダメージは少ないのだが、あまりに発生させるため、対象者はパニックに陥てしまう。


「いや~やめて~!」


リンダはその魔法に恐怖し、へたり込んでしまった。魔法を止めた後も、ガタガタと震えている。


「どうしますか?続けますか?ちなみに、カレンはもっと怖かったと思いますよ。」

「・・・分かったわ。降参よ。」


騒いでいた会場は静かになっていた。


「勝者は【キューティーナイト】です!」


試合終了のベルが鳴った。同時に会場は大きな歓声で沸いた。


「妖艶のアフロディーテ様・・・僕はここにいて幸せだ!」

「いや、シャーロット王女の【テンカウント・プリンセス】のほうが俺は惚れた。」

「俺はどっちもOKだ!」


会場は2人を称賛している。僕に対するブーイングは全くなかった・・・というか、いたことを忘れ去られている。

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