第710話 exit, pursued by a bear…クマに追われて退場

exit, pursued by a bear…クマに追われて退場 これはシェイクスピア『冬物語』の中に出てくるト書きで、彼の作品の中でもいちばんひどい、ということはたぶん演劇史上一ひどいト書き(ステージ・ディレクション、要するに舞台指示)ということになります。クマに追われるのはシチリア王リオンティーズの忠実な家臣アンティゴナス。王の命を受けて幼い王女パーディタを森の中に捨てに行った結果としてそうなる。明示されていないけど、アンティゴナスはクマに殺される。要するに童謡「森のくまさん」の起源(嘘です)。しかし英語の引用ってだいたいシェイクスピアか聖書だね。日本の場合だとガンダムか歌舞伎になるのと似たようなもんか。学園祭で『冬物語』をやることになった女子高生。シェイクスピア部の部長みずからがクマの役をすることになって、着ぐるみにミッシェルと名をつけるけど、オオクマだからシゲノブのほうがいいんじゃないの、という展開に。パースゥってのは覚えといたほうがいい単語だね。

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