九 修正

 彼は神社の本殿に来ていた。石畳でできた階段の上に座り、ぼんやりと周りを眺める。神社には真っ赤に咲いた彼岸花が所狭しと並んでいる。悲しい思い出を匂わせる赤い花。この神社に彼岸花を植えた人は、一体どんな思いを込めたのだろうか。その赤い、赤い花を眺めながら、彼は榊間が来るのを待っていた。

 彼は彼女と神社で落ち合うことを約束していた。この思い出の地で、お互いに時間を過ごすこと。そこには何の異論もなかった。長い空白期間を思えば、学校で会うだけではまだまだ物足りない。満足できないのだ。

 できるだけ彼女と一緒にいたいと願う彼であったが、放課後に彼女と一緒に帰ることはできなかった。彼女の家と彼の家は全くの逆方向であるからだ。彼女は一度家に帰ってから神社に向かうことになっている。彼も家に帰ってから神社に向かえばよいのだが、気を急ぐあまり、直接神社を訪れていた。そのため、彼は神社の前で一人待ちぼうけを食らう形になっていた。

 あの夜、なぜ彼女はこの神社にいたのか。なぜ悲しげだったのか。彼はいつの間にか、彼女と会った初めての記憶を思い浮かべていた。

 冷たく、悲しげであった彼女の表情。何かを失ってしまったかのような淋しげな雰囲気。その理由をいつかは、教えてもらえる日が来るのだろうか。彼には彼女のすべてを受け入れる覚悟があった。何があっても彼女を想い続ける自信があった。そう、何があっても……

 唐突に、砂を踏む音が聞こえた。少し湿り気を持った柔らかい音だった。彼は彼女が来たのだと思い、立ち上がり、階段を降りた。黒い女の子のシルエットが近づく……と彼は違和感に気づいた。近づいてくる女の子は短髪で、学校の制服を着ていた。学校の鞄も持っている。どうやら、榊間ではないようだ。

「桐生くん」

 近づいてきた女の子は、鞄を地面に置き、彼の名前を呼んだ。どこかで見たことある、と思ったら、彼に手帳を届けてくれた女の子であった。彼と同じクラスの生徒で、確か名前は弓立さんだったはずだ。彼は一人で納得していると、弓立は言葉を続けた。

「ここで……何をしているの?」

 真っ当な質問だった。こんな朽ちかけの辺鄙な神社の、しかも本殿にいるのは常識的に考えておかしいだろう。疑問に持つのも当然だ。

「人と待ち合わせをしているんだよ」

「待ち合わせ……誰と?」

「榊間さんとだよ」

「何で?」

 弓立の口調が彼を責めているような、どこか刺々しいものに感じられた。あまり気分が良いものではない。

「それは、弓立さんには関係のないことだと思うけど」

「……」

 そう言うと弓立は黙ってしまった。一体何なのだろうか。確かに気になる気持ちはわかるが……

「いいえ、関係あります」

「えっ」

 思わず声が出てしまった。一体何の関係があるのか。そしてそもそもなぜ弓立さんがここにいるのか。胸騒ぎがする。これは良くない徴候だ。この先を聞かないほうが――

「私……桐生くんのことが、好き、なんです」

 突然の告白であった。一瞬、思考が停止したように感じられた。顔の火照りも感じる。動揺しているのがわかる。

 告白されたという事実を受け止めきれずにいた。確かに、嬉しいことには嬉しいのだが、告白される理由がわからない。なぜ彼なのか。あまり話をしたこともなかったはずである。弓立さんの名前を思い出すのにも時間がかかったほどだ。全く実感が無い。

「私……桐生くんのことをずっと見てきました……小学校の頃、桐生くんが転校してきたときから……ずっと、ずっと見てきました」

 小学校の頃から、だったのか。申し訳ないが、やはりあまり記憶に無い。

「桐生くんが、登校している時も、学校で授業を受けている時も、休み時間の時も、昼食の時も、下校してこの神社に寄り道している時も、ずっとずっと、影から見ていきました」

 ……登校中も下校中も見てきた? 後ろからついてきていた、ということだろうか。毎日だったのだろうか? この神社にいるのも後をついてきて……ゾクリと寒気がした。鳥肌が立つのが分かる。

 なぜ?

 何のために?

 どうして、こんなことを?

「私、桐生くんの博識さが好きです。同級生が知らないこと、わからないこと、何を聞いても答えられる、物知りな桐生くんには尊敬の念を覚えます」

 滔々と弓立は桐生の好きな所を語り始める。

「桐生くんが本を読んでいる姿を見るのが好きです。本を読んでいる時の静謐でどこか寂しさを感じる雰囲気に心惹かれます」

 弓立の愛の告白は止まらない。

「桐生くんの病弱さが好きです。体育の時間、運動する生徒を羨ましげに見ている姿に愛しさを感じます」

 弓立は桐生に語りかける。

「桐生くんの、声が、口調が、動作が、黒髪が、目線が、表情が、」


「好き、なんです」


 あまりに、あまりに重い、愛の告白であった。褒められているはずなのに、どこか不気味に、不安に感じられた。何か、強迫観念のような、狂信者のような、そのような口ぶりに思える。どうして、自分なのだろうか。一体何が彼女をそこまで駆り立てているのか。桐生は精神が不安定になっていくのを感じる。彼女の言葉に、思いに、桐生は心を乱されていた。桐生にはその理由がわからなかった。


「私は、もっと桐生くんと一緒にいたい。もっと桐生くんのことが知りたい」


 一緒にいたい? もっと知りたい? 胸がざわつくのを感じる。弓立の言葉を聞く度に桐生の胸に悲しみが募っていく。

 悲しみ? なぜ? なぜ悲しい気持ちになるのか。わからない……


「……だから……私と、付き合ってください」


 弓立の目は桐生をしっかりと見据えていた。手を強く握り、顔は真っ赤に染まっていた。その一つ一つの様子から、弓立の決意を伺うことができた。

 弓立が告白する前から、自分の答えはすでに決まっていた。自分には榊間が……榊間?

 ああ、そうか。そういうことだったのか。

 なぜ、弓立を見ると不安になるか。弓立の言葉に心乱されるか。やっと答えを見つけることができた。

 弓立は桐生にそっくりだったのだ。

 弓立の桐生への思い、感情は、桐生の榊間への思いによく似ていた。まるで自分を鏡で写したかのように弓立を見ていたのだ。

 好きな人を見る。些細な動作も愛おしく思う。一緒にいたい。もっと知りたい。桐生には弓立の気持ちが痛いほどよく分かった。分かるからこそ、返答するべき言葉に、告げるべき気持ちに、心乱される。


「弓立」

「……はい」

「君の気持ちには答えられない」

 死刑宣告にも等しい言葉だった。

「どうして……なんですか……」

 弓立の目には零れそうなほどの涙が溜まっていた。少し触れてしまうだけで壊れてしまいそうなほど、彼女は震えていた。

「私は、榊間が好きなんだ……すまない」

 苦しかった。自分で自分にナイフを突き立てるかのような、身を抉るような、そんな思いだった。

 桐生は罪の意識からか、自然と目を伏せていた。弓立の目を見ることができなかった。

「あの女が、桐生くんを……」

 弓立は静かに呟いた。小さな独り言だった。弓立はまだ、体を震わせていたが、今までの震えとは性質が異なるように見えた。桐生には彼女が悲しみとはまた別の感情を抱いているように思えた。まるで嵐の前のような……

「そんなこと……そんなことあっていいわけないじゃない! だって、私はずっと見てきたのよ。桐生くんが小学生の頃から今まで、ずっと、ずっと見てきたのよ。それなのに……それなのに! 突然出てきた転校生が私の桐生くんを奪っていい理由なんてどこにもあるわけがないじゃない! 許されない。許されない。許されない。そんなこと許されていいはずがない!」

 風船を破裂させたような叫び声だった。感情が、想いが溢れて仕方がないのか、弓立の言葉は止まらなかった。

「このままじゃ、桐生くんが汚れてしまう。私の桐生くんが、私の天使様が、穢れてしまう、いなくなってしまう。そんな……そんなこと許されない。それなら、それならいっそのこと……」

 弓立は足元にある鞄から布で覆われたあるものを取り出した。弓立がそれを胸元まで持ち上げると、布がひらりと落ちた。それは鈍い金属の光沢を放った包丁であった。弓立は包丁の先端を桐生のいる方向へ向けた。

「そう、今なら……今ならまだ綺麗なままの桐生くんでいてくれる。あの女に、他の誰かに私の桐生くんが穢されてしまう前に、犯される前に、殺してしまえば……このまま死んでしまえば、ずっと、ずっと綺麗なままの桐生くんのままだわ。綺麗で、美しくて、愛おしい、私の天使様……」

「まっ、待っ……」

 桐生の静止虚しく、弓立は包丁を持ったまま、勢い良く桐生の元へ向かっていった。弓立が桐生に密着すると、腹部にズキンとした痛みを感じた。桐生は思わず腹部に手を当てると、べっとりとした液体がついた感覚があった。

 そうか、刺されたのか……桐生は緊急事態にも関わらず、妙に頭が冴えていた。血が抜けたからだろうか。頭がスッと冷たくなっていくのを感じる。弓立は何と言っていたのだったか。確か、私のことを天使と呼んでいた気がする。……天使? 私が? ……弓立にとってはそうなのかもしれない。彼女は私を信仰していたのだ。そう思うのも無理はない。信仰とはそういう類のものなのだ。自分も榊間を信仰しているからよく分かる。

 桐生は姿勢を崩し、地面へ倒れこんだ。

「これで! これで、桐生くんは私のもの! もう誰も、穢せない、犯せない! 綺麗なままの天使様でいてくれるわ!」

 弓立の声が聞こえる。血の気が引いているはずなのに、弓立の声はよく聞こえた。それほど大きな声で話しているのだろうか。

 きっと弓立は理想と現実のギャップに苦しんでいたのだろう。弓立の理想である私は、決して弓立以外の女性と関わりを持つことのない、彼女の言うところの天使、であったのだろう。ところが、現実の私は榊間という女性と関わりを持ってしまった。しかも、榊間は、彼女にとって、突然出てきた単なる転校生なのである。長年想い続けてきた弓立にとっては、榊間に取られてしまうというのはあまりにも理不尽に思っただろう。信仰が、今までの自分の考えが崩れること、壊されることというのは恐ろしい。弓立の信仰が、理想が、崩されてしまう前に、私を刺して殺してしまおうと思うのも頷ける話である。

 しかし、私もここで死んでしまうわけには……

 意識が遠のいていくのを感じる……私にも、私にも信仰する対象が……さかき、ま……



「……いと……くん」

 誰かが呼びかける声が聞こえる。誰だろうか。聞いたことのある声である。その声に答えようとするも、声が出ない。まだ、瞼が重い……

「だい……ですか……すい……くん」

 まだ呼びかけている。ああ、そうか、この声は。この声の主を桐生はよく知っていた。この声の主は……

「粋人くん!」

 桐生は榊間の声で目が覚めた。目を開けると、桐生を心配そうに覗き込む榊間の顔が映った。

「ここは……」

「ああ、よかった。目が覚めたんですね」

 少し体を動かすと、背中に砂のざりざりとした感触がある。ここは外だろうか。どうやら仰向けになって地面に倒れているらしい。体を起こそうとすると、すんなりと起き上がることができた。

 ……起き上がることができた? 腹部を刺されたはずだ。起き上がれるわけがない。痛みも全く感じない。一体何が……

 彼の目には見知った神社の風景が広がっていた。弓立に刺された後、神社で倒れていたのは間違いないはずだ。

 ふと、腹部を擦ってみると、赤黒い塊がボロボロと取れた。少し鈍い痛みを感じるが、刃物で刺されたような痛みではなかった。

 ……なぜ? なぜ、傷が治っている? そんなことが……

「粋人くん」

 ハッとして後ろを振り返ると、そこには、榊間がいた。桐生の挙動不審な行動が気になるのか、首を傾げながら不思議そうに眺めていた。

「地面で倒れていると思ったら、急に起き上がったりして……一体どうしたんですか?」

 頭でも打ったんですか、と余計な一言を付け加えながら榊間が尋ねた。榊間は家に帰ってから着替えたのか、黒いワンピースを着ていた。髪も赤いシュシュでまとめてある。

「……ここで人を見なかったか」

「見ましたよ。粋人くんを」

「当たり前だろ。それ以外では?」

「残念ながら見てないですね。その子と何かあったんですか?」

「いや……」

 一悶着あって、刺された、なんて言えるわけがない。何故か傷もないし。

「私と会う前に他の子と仲良くしていたんですか?」

「違う、違う。その逆だよ。ちょっとした口論があったんだ」

「口論、ですか。それにしても、この神社に私達以外の人が来るなんて珍しいですね」

 榊間は疑わしげに私を見る。隠していることがあるせいか、少し後ろめたい気持ちになる。

「浮気ですか?」

「ちっ、違う」

 急な言葉に声が詰まってしまった。これではますます怪しい。榊間の疑いの目もますます深くなる……とそこで何か違和感を感じた。

「……榊間」

「なんですか。言い訳だけなら聞いてあげますよ」

「どうして私が女の子に会ったと分かったんだ」

「あれ? 粋人くんがそう言ってませんでしたっけ?」

 榊間は惚けたように答えた。

「いいや、そうは言ってない。人を見なかったか、と聞いたんだ。女の子だなんて一言も言っていない」

「そうですね。確かに言ってなかったですね」

「ここに人が来るのだとしたら、真っ先にこの神社の管理人を思い浮かべるのが普通だ」

「なるほど、確かにそうですね。そういう考え方もあります。でも、こう見えて私も恋する女の子です。他の女の人と逢っているんじゃないかなと思って、早とちりしてしまったということも考えられませんか」

「まだ、おかしいところはある。榊間はどうして救急車を呼ばなかったんだ」

「確かに呼んでいませんね」

「あの夜も、私が倒れた時には救急車を呼んでくれたんだろう。それなのに今回は、倒れていて、しかも、血の塊のようなものが腹部にベッタリと付いているにも関わらず、呼んでいない。それどころか平然としている。これはおかしくないか?」

「確かにおかしいですね。傍から見たら重症に見えますから間違えなく救急車を呼びますよね」

「つまり、私が重症でないことも、女の子と会っていたことも始めから知っていたんだろう」

 そう、弓立に刺されたわけではないのだ。弓立は刺した振りをしていただけなのだ。それは自分の腹部に刺された後がないことからも伺える。情けないことに、刺されたと思い込んで、その場で気絶してしまったというわけである。

「そうですね。私は粋人くんが重症でないことも弓立さんと会っていたことも知っていました」

 そう言うと榊間はふふっと僅かに笑った。どうやら、榊間はもう隠す気がなくなったらしい。弓立の名前を言い当てたところから、榊間は生徒の名前まで完璧に覚えているようだった。

「……その場にいたのか」

「ええ、その場にいましたよ」

「いつからいたんだ」

「弓立さんが粋人くんに話しかけるところからですよ」

 つまり、最初からいたという事になる。一部始終を見ていたというわけだ。

「弓立さんのあれは……演技、なのか?」

「はい、そうですよ。粋人くんに告白したことも、天使だって言い張ったことも、包丁で刺した振りをしたことも、全部演技です。まるで”本物”みたいになかなかいい演技でした」

 ”本物みたい”だって?

 確かに榊間はそう言った。つまり、今日神社で出会った弓立は偽物だということなのか。弓立の真似をした、弓立の顔にそっくりな役者であるというのか。一体どこまでが役者としての弓立だったのか……

 いい演技とも言っていた。つまり、この偽物の弓立の演技を考えた人がいるということなのだろうか。それとも、本物の弓立が行ったことを真似したということなのだろうか。

 一体なぜ、そんなことをする必要があるのか。

 そんなことをして一体何の意味があるというのか。

 この演技は完全に桐生を狙い撃ちしている。

 桐生だけをターゲットに見据えている。

 なぜ?

 なぜそんな手間を?

 一体何が起きているのか。

 分からない。

 頭が追いつかない。

「知りたいですか?」

 榊間は私の悩みを見透かしたかのように語りかけた。

「何が起こっていたのか。なぜこんなことをしたのか。知りたいですか?」

 桐生は静かに頷いた。

「粋人くんに会わせたい人がいます」

 この茶番の実行者、なのだろうか。

 榊間は神社の出口へ向かい歩いて行った。

 桐生は、まだ歩きだせずにいた。

 このままついて行ってしまってよいのだろうか。

 真実を知ってしまってよいのだろうか。

 まだ、迷っていた。

 この茶番劇の意図を知りたいと、全容を知らなければならないとそう思っている。

 しかし、一方で、知ってはいけない、と頭の中で警鈴が鳴っているのを感じ取っていた。

 何か取り返しの付かない、重大なことが起こる……そんな予感がしていた。

 知るか、知らないか。

 ついていくか、いかないか。

 どちらかを選ばなければならない。

 今のこの瞬間に決断を迫られていた。

 榊間がそっと振り返ると、優しげに微笑んだ。

「どうぞ、ついてきて下さい」

 もはや、選択肢など存在しなかった。

 桐生は、その一歩を踏み出していった。



 神社の階段を降りると、そこには見たことのないような外車が止まっていた。銀色に輝くそれは、よく手入れされており、ひと目で高級車であると分かる外車だった。

 桐生は榊間の手招きに応じるがまま、車の扉に手をかけようとすると、扉がひとりでに開いた。

 桐生は面食らった。扉の向こうには誰もいない。内側から開けることなど不可能であるはずだった。戸惑う私を面白がっているのか、榊間は手を当てて笑いながらも、車の中に入るように促した。

 車の中へ入ると、そこには誰もいなかった。運転席にも、である。車だけを置いて言ったのだろうか。とりあえずは運転手を待たなければいけないようである。

 そう考えているうちに、榊間はちょこんと、桐生の隣に座っていた。

「運転手はいつ戻ってくるんだ?」

 桐生がそう言うと、榊間はキョトンとした顔で首を傾げた。そして、少しの間があった後、ああなるほど、と一人で納得していた。

「粋人くん、運転手は戻ってきませんよ」

 思わず榊間の顔を見た。戻ってこないのなら何のために車に乗ったのだろう。これも何かの演技の一環なのだろうか。

「というより運転手が必要ないんです」

「えっ」

 つまりどういう……と言いかけた途中で、車の中から声がした。どちらまで行かれますか、という酷く機械的な音声だった。

 自宅まで、と榊間が言うと車は静かな振動音とともに走りだした。

「自動操縦なんです。便利でしょう」

 まだ、驚愕が収まらない。自動操縦なんて、これではまるで、SFの世界だ。一体どうなっているのだろうか。

「家に着くまでにはまだ少し時間がかかりますし、何かお話しましょうか。そうですね……」

 榊間は少し考えるような仕草をしてから、桐生に話しかけた。

「今日の茶番を仕掛けた張本人について話しましょうか」

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