第23話-10

「みゆき。お前も辛いが、俺も辛い……身を斬るつもりで、お前に嫁に行って貰おうと言っているんだ!!」


「……タカちゃん」


「正直、俺以外の男にお前が抱かれていると思うとこうふ――こうなんというか、えもいわれぬもやもやとした感情が沸きあがるのは間違いない。もしこの嫉妬が恋の証左なら、俺はそれを確認したいと思うんだ」


 だから、頼むみゆきよ。

 俺のために。

 俺たちのために。


 他の男と結婚してくれ。


 そして、俺がお前を失ったショックで、どうなってしまうのか――確認させてくれ。


 それがみゆきの新妻属性に対する検証であり、そして、同時に俺のNTR属性に関する検証であった。


 そう、ダブル属性検証。


「つらいのだ、そう、俺だって辛いのだ――」


「……タカちゃん!!」


「……みゆき!!」


「タカちゃん!!」


「みゆき!!」


 がしり。俺は、誰にも渡したくないみゆきの体を、強く強く抱きしめた。


 そう、強く強く。

 このままずっと抱きしめたまま、誰にも渡したくないと。


 そんな強い思いを込めて、俺はみゆきを抱きしめたのだった。

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