第23話-5

 俺の決意は固い。

 なんとしても、どうあっても、俺はみゆきに今回結婚してもらうつもりだ。その覚悟がなければ、俺も最初からこんなことを口にしない。


 大切な幼馴染みゆき

 それを悪戯に傷つけるような言葉。

 そのような身勝手な願いを、俺は気軽に口にすることはできない。


 口にするからには本気だ。


 そう、俺は今回本気で――みゆきに結婚してもらいたい。

 新妻属性を手に入れて欲しい。

 そう願って声を上げた。


 みゆき――。


「勝手なことを言っているのは分かっている。無茶な願いだとも」


「……タカちゃん」


「けれども、俺の気持ちをお前は受け止めてくれると信じている」


「……本当に、いいのタカちゃん」


 俺の腕の中で振り返り、視線を向けてくるみゆき。


 潤んだ瞳が俺を見ていた。

 切なげに俺を問い詰めてきた。

 幼馴染にこんな顔をさせるなんて、俺はなんて罪な男なのだろう。


 けれど――。


「あぁ、構わない!! みゆき、結婚してくれ!!」


「……分かったよ、タカちゃん!! 私、結婚する!! 結婚してから、愛を確認するよタカちゃん!!」


「「「これまでのやり取りを全否定してのハッピーエンド!!」」」

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