　俺の胸の中で微笑むみゆき。

　あぁ、みゆき。俺の大切な幼馴染（みゆき）。

　やっぱりお前は、そう勘違いしてしまったか――。

「違うんだ、みゆき。結婚して欲しいのは俺じゃないんだ」

「……え？　けど、タカちゃん、結婚してくれって！！」

「あぁ、結婚してくれ！！　すまないが俺以外の男と！！」

「……え？」

　表層だけをなぞっていた、クラスメイト達が黙り込み、そして、同じく言葉の表層だけを見ていたみゆきが戸惑いの声を発した。

　そう、結婚して欲しい。

　今すぐに結婚して欲しいのだ。

　新妻属性を獲得して、その新妻力を俺に味わわせて欲しいのだ。

　しかし――。

「俺は高校三年生！！　十七歳！！　日本の法律的に結婚できない！！」

「「「前の最終話のネタ！！」」」

　そう、俺たちは結婚したくても、結婚できない。複雑なお年頃だ。

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。（ログインが必要です）

新規登録で充実の読書を

マイページ: 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる; 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める; フォローしたユーザーの活動を追える
通知: 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴: 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい