第22話-13

「生徒が困っているんだ、だったらそれに応えるのが、生徒会長の務めではないか、竜道寺くん!!」


「確かに、確かに三島生徒会長のおっしゃるとおりです!! けれど!! そうほいほいと生徒会長の立場をお譲りになるのは違うと思います!!」


「それで彼らの恋愛関係が発展するなら、それに越したことはないだろう!!」


「確かに、彼らの関係は発展するかもしれません――けれど!!」


「けれど!?」


 けれど、いったいなんなのか。

 三島生徒会長は、信頼する副生徒会長、竜道寺麗華の言葉を待った。


 しかし、いくら待てども、いくら視線を向けても、彼女から明確な回答が出ることはなかった。よくできる、生徒会長の懐刀――副生徒会長竜道寺麗華は、三島の前に顔を真っ赤にして立ち尽くしたのだった。


 どうしたものだろうか。

 助けを求めるように、闖入者ならぬ生徒会破りに目を向けようとした三島生徒会長。


 しかし、その視線の先に、ついさきほどまでいたはずの、バカップルの姿はなかった。


「「……あれ?」」

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