第21話-13

 みゆきの言葉には説得力があった。

 これ以上なく説得力があった。


 そして同時に、その説得力こそが生徒会長の器を証明していた。


 認めようじゃないか。

 潔く、自分の敗北という奴を。


 この生徒会選挙――。

 みゆきの勝利だ。


 敗者は敗者らしく、副生徒会長として、勝者を支えようじゃないか。


「分かったみゆき。負けを認めよう。俺が副生徒会長で構わない」


「分かってくれたんだねタカちゃん」


「あぁ、俺がポンコツ生徒会長のお前を全力で支えよう!! みゆき!!」


「心強いよタカちゃん!!」


「……みゆき!!」


「……タカちゃん!!」


「みゆき!!」


「タカちゃん!!」


 俺たちは、抱き合った。お互いの絆を確認するように抱き合った。


 そう、これから生徒会という艱難辛苦を共に乗り越えていく仲間として。

 そして、生徒会長と副会長として、その絆を確かめるべく抱き合った。


 かくして二人で数々の生徒会イベントを乗り越えた時。

 きっと、俺たちは真実の愛に気づくことができるだろう。


 そう、それこそが!!

 生徒会ラブコメの鉄則おやくそく!!


「「「いや!! その前に、もう生徒会長居るから!!」」」


「「……えぇっ!?」」


 と、ここで信じられないツッコミが、クラスメイトから入った。

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