第21話-14

「せ、生徒会長が、もう既に存在しているだと!?」


「そんな……それじゃ、ここまで私たちが盛り上がったのはいったい、なんだったっていうの!! せっかく私が生徒会長で、タカちゃんが副生徒会長で落ち着いたのに!!」


「「「いつものことだけれど、とんだ茶番だよ!!」」」


 確かによく考えれば当たり前だ。

 こうして学校が機能しているのだ。それはつまり――普通にこの学校には生徒会が存在しているということ。


 なんという盲点。

 なんという凡ミス。


 浮かれていた。

 俺としたことが浅はかだった。生徒会属性を考えることに集中するあまり、初歩的なことにも気がつかなかったなんて。


 生徒会室で、みゆきとイチャコラすることばかり考えていたばっかりに、こんなことも気づけないなんて。


 迂闊。

 圧倒的な迂闊。

 俺のうかれぽんちめ……。


「既に生徒会長が居るというのなら、生徒会長になるのは不可能……」


「タカちゃん!! 諦めるの!!」


「……みゆき!?」


「生徒会長が居るからって、諦めちゃうの!? そんな自分に言い訳するような人生で満足なの!?」


 俺を真っ直ぐに見てみゆきが言う。

 その瞳に、決意の炎が揺れていた。


 いや、まだだ。


 まだ、諦めるのには早い。

 生徒会長がなんだというのだ。

 生徒会がなんだというのだ。


 14話目がなんだというのだ!!


「生徒会長が居るというのなら――それはそれ!!」


「そうだよタカちゃん!! 本当に必要なものは――」


「倒してでも――」


「「奪い取る!!」」


「「「やめろよバカップル!!」」」


 生徒会長が既に存在するのなら、奪ってしまえばいいだけのこと。

 待っていろ、生徒会長。


「俺たちが!!」


「私たちが!!」


「「生徒会だ!!」よ!!」


【第二十一話 おわり】


【第二十二話につづく】


「「「続くのぉ!?」」」

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