第20話-6

「それでは自己紹介をお願いします」


「はぁ……。児島悟志といいます、一応、アイドルグループでリーダーをやらせていただいております」


「ほう、一応。予防線を張りましたね。どうしてですか?」


「どうしてって……。いや、僕も正直に言って実感がありませんので」


 これである。

 まごうことなきアイドルグループのリーダーにもかかわらず、この謙虚な発言である。そして、なんだか申し訳なさそうに頭を下げる低姿勢。


 アイドルの完成形がここにあるのではないだろうか。


 そう彼を見て実感した。


「僕、ここに呼ばれてよかったんですかね。もっと適任があるような」


「いいんです!! だって児島さんアイドルなんだから!!」


「……はぁ」


「今日はよろしくお願いします!! 児島先生!!」

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