第20話-5

「という訳で、本日のゲストです。今はもう公開停止して、どこでも読むことのできないポンコツラブコメ小説――『死なないの!? 八甲田さん』の主人公、児島くんです!!」


 教室の入り口からひっそりと現れる人影。まったくアイドルらしい貫禄がない、そこら辺に居そうな高校生。


 そう。

 どこにでもいそうなアイドル。

 しかしながら圧倒的な存在感を持っている高校生アイドル。


 アイドルユニット『児島くんとゆかいな仲間たち』のリーダー。

 児島悟志くんであった。


 おずおずと、どうしていいんだろうかという感じで中に入ってくる児島くん。ささ、どうぞどうぞと俺の隣の席に案内すると、彼はアイドルらしくないとぼけた表情でそこに座った。


 うむ。


 限りなく完璧な一般人感だ。

 身近なアイドルとして彼ほど適任な男はいないだろう。


「「「よりにもよって児島!! 呼んじゃダメな奴だよ!!」」」

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