第20話-3

「私でもなれるかな、アイドルに――タカちゃん!!」


「なれるとも!! こんなに可愛いのに、なれない訳ないだろ!!」


「……本当かな?」


「……本当だ!! 幼馴染の俺が保証する!!」


「……タカちゃん!!


「……みゆき!!」


「タカちゃん!!」


「みゆき!!」


 がしり、俺とみゆきは机を挟んで、がっちりと肩を抱きあった。


 そうこの距離感である。


 アイドルなんだけれど、触れるのが戸惑われる存在なのだけれど、触れることができる。握手ができる、話ができる。こういうのが大切なのだ。


 その辺りみゆきは分かっている。

 まさしくアイドルになるために産まれてきた女といってよかった。


「この距離感ならきっといける!!」


「「「いや、近すぎるよ!!」」」

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