第19話-13

 俺は高畑くんにはなれない。

 エスパーみゆきのそばに寄り添う、ナイスガイになることはできない。

 俺は眼鏡屋の机を叩いた。


「そうだ!! 俺は高畑くんのように立派な男になれない!!」


「そんなことないよタカちゃん!!」


「そんなことあるんだみゆき!! 事実、俺は、みゆきについてやらしいことを考えたりしている!!」


「いやらしいことを!? 私で!?」


「あぁ、それはもう、男子高校生にしては不相応な、いやらしいことを、考えたりしたりしてしまっているんだ!! 高畑くんじゃない!! そんな穢れた俺は高畑くんではない!!」


「落ち着いてタカちゃん!! 高畑くんも、少しくらいそういうこと考えるかもしれないよ?」


「馬鹿!! 高畑くんだぞ!!」


 する訳ないんだ、あんな、藤子ワールドのパーフェクトヒューマンが。

 そんなことをするはずがないんだ。

 そしてなれる訳がないんだ、あんな、私利私欲のない完璧人間に。


 というか、なれないとみゆきの隣に居られないんだ。

 心が読まれてしまうから。

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