第19話-12

 はたして俺は高畑くんになれるか。

 あんなすがすがしい、男の中の男のような、そんな人物になれるのか。


 自信があるのかないのかで言えば。


 ――ない。


 幼馴染ひとり満足に幸せにできない俺に、あんな偉大な男と同じ人間になれる自信などあるはずなかった。


 時に魔美ちゃんに寄り添い。

 時に彼女に道を示し。

 そして、常にさん付けで、彼女を一人の人間として尊重する、根っからのフェミニスト。


 なれない――あんな偉大な高畑くんと、自分を重ねることはできない。

 だって、俺は、俺は――。


「エスパーになれば、親の絵のモデルでサービスシーンが増えるんだろうなとか、そういう不純な動機でこの属性検証をはじめたのだから!!」


「そうなのタカちゃん!?」


「どうでもいいけど、エスパー〇美に食いつきすぎだろ。お前、何歳だよ」

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