第19話-8

「という訳で、この辺りに、超能力者になれる店はないだろうか?」


「寂れたアーケードにならもしかしたらあるかも。そう思ったんです」


「ある訳ないだろ!! なに言ってんだよ!!」


「超能力者になりたいんです!!」


「超能力者に俺の幼馴染をしてあげたいんです――エスパーみゆきに俺はこいつをしてあげたいんです!!」


「……タカちゃん!!」


「……みゆき!!」


「タカちゃん!!」


「みゆき!!」


 がしり、俺とみゆきは抱き合った。

 超能力者ではないけれど、俺たちは幼馴染だ。お互いの気持ちはこうして触れ合えばわかりあうことができる。


 今、俺たちは、自分たちの力のなさに、そして超能力なんてやっぱりないのではないかという不安に震えていた。痛いほどお互いの肩を抱いて。


「分かる!! 分かるぞみゆき!! お前の気持ちが痛いほど!!」


「私も!! 私も分かるよ、タカちゃん!! タカちゃんの気持ちが!!」


「だったら要らないだろ超能力!!」


 そういうことではないのだ。


 幼馴染の共感とは別にして、超能力属性が必要なのだ。

 というか、幼馴染である程度共感することができるからこそ、違う能力でその辺りをあらためて見つめなおしたい――そういうことなのだ。

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