第19話-5
これがいわゆるツンデレか。
肩を怒らせていた店員さんはそれまでの般若のような顔を一転させ、俺たちを店の中へ招き入れた。
朝一番、客は俺たち以外に居ない。
それをいいことに、商談スペースに腰かける俺たち。お茶を出せなくて申し訳ないがと言いつつ、俺たちの前に座った店員さんは、真剣な顔をこちらに向けてきた。
口は悪いがやはり頼りになる。
この人に会いにきて正解だった。
「で、なんだ。いったいなんの悩み事だ。一応人生の先輩だ、わかる範囲でなら力になってやる」
「どうしても分からないんです」
「とある属性へのなり方が、俺もみゆきも分からないんだ」
「とある属性?」
そう、俺たちはとある属性を獲得するべく、実は昨日の昼から属性検証を重ねていたのだ。
重ねた結果、無理ではないかと一度あきらめ――そしてあきらめる前に、店員さんの知恵を借りようと思い至り、こうして商店街へとはるばるやって来たのだ。
そう。
その俺たちが悩んだ属性とは。
「……分からないんです。どうやったら、超能力者になれるのか」
「……どうすればサイコな力に目覚めることができるのか」
超能力属性であった。
「なれる訳ないだろ!!」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます