第18話-14

「タカちゃん!! ワイルドスタイルも似合ってるよ!! 普段の真面目な優等生っぽいタカちゃんもいいけど、その感じも最高に私の好みだよ!!」


「……そ、そうか?」


「そうだよ!!」


 興奮した感じでいうみゆき。

 うむぅ……。


 なんだか、そう、言われてしまうと、こっちも照れてしまうなぁ。

 そんなにいいモノだろうか。


 ふふっ。


 ほらもっと、こっちに視線頂戴と、喜色満面の笑顔で言うみゆき。

 やれやれ、幼馴染をここまで魅了してしまうなんて。


 俺って奴は罪な男だぜ――。


「ほら、ちょっと横向いて」


「……こ、こうかな?」


「いいよいいよ!! いい感じ!! それから、ちょっと壁にもたれかかってみて!!」


「うーん、こんな感じ?」


「最高!! いいよ、いいよ、タカちゃん!! その感じで、どんどんタカちゃんの格好いいところ、写真に収めていくからね!!」


 おいおい、そんな、よしてくれよ。

 お前、そんなの撮られたら、いくら幼馴染でも恥ずかしいじゃないか。


 やれやれ。まったく、しょうがない幼馴染みゆきだな。


 けど、幼馴染みゆきがそういうのなら。

 付き合うのも幼馴染オレの勤めか。


「よーし、それじゃタカちゃん、今度はちょっと上着脱いでみようか」


「え、そんな……恥ずかしい」


「大丈夫大丈夫!! きっと似合ってるから!!」


「もう、おだて上手なんだから。ちょっとだけよん……」


 そう言って、俺は、少しだけ、制服の上着をはだけるのだった。


 まったく。

 しょうがないにゃぁ……。


「「「丸め込まれてる、上手く丸め込まれてるよタカちゃんチョロイン!!」」」


【第十八話 おわり】

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