　さぁ、みゆき、早く委員長フォームになるんだ。

　制服のツメを開く。

　ワイシャツの第一ボタンを開ける。

　そして、ガンを飛ばして格好をつけると、俺はみゆきに視線を送った。

　さぁ、みゆき。

　後はお前が委員長になるだけ――。

　はやく、はやく、なるんだ。

　みゆき――。

　そう思った矢先――パシャリパシャリと音がした。

　なんだこの音は。

　そう思って目を開けると。

「いいよいいよタカちゃん！！　ワイルドタカちゃんも格好いいよ！！」

　みゆきがスマホを手にしてこちらを見て、ウキウキとした顔をしていた。

　スマホの画面を連続タップする。

　そんなみゆきの鼻からは、たらりと赤いモノが流れていた。

「……えっと、みゆき、さん？」

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。（ログインが必要です）

新規登録で充実の読書を

マイページ: 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる; 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める; フォローしたユーザーの活動を追える
通知: 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴: 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい