第18話-10

「どういうことなのタカちゃん!? オールバックに抵抗ないの!?」


「ない!! いや、あると言えば確かに戸惑いはある!!」


「どっちなの!?」


「正直に言って、自分の生え際に自信はない!! いや、むしろ、かなり年齢にしては後退している方だと自覚している!! あぁ、自覚しているともさ!!」


「そうなんだタカちゃん!?」


 ちょっと引いた顔をするみゆき。

 あれ、もしかして、ハゲとか嫌いだったりするんだろうか。


 遺伝的に、ウチはハゲる確率が高いんだけれど、もしかしてそれ言うと途端に嫌われたりするんだろうか。


 うぅん――。

 極力ハゲの話には触れない方向で、ちょっと話を進めよう。


 そう、うん。

 ハゲはどうでもいいんだ。

 問題はそう、オールバックである。


「いいかみゆき、一度しか言わん。よく聞いておくんだ」


「うん。分かったよ、タカちゃん」


 俺はそう前置きすると、みゆきの前で腕を組んだ。

 そして――深呼吸すると、俺がオールバックになる真意を彼女に伝えた。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る