第17話-7

 まぁ、いつまでも抱き合っていても始まらない。

 俺はみゆきから離れると、拳二つ分くらいの距離で彼女を見つめた。


「みゆき!! という訳だ、やってくれるな、ヤンデレを!!」


「分かったよタカちゃん!! やってみるよヤンデレを!!」


 やる気だ。

 みゆきはいつもの、演じる者の顔になっていた。


 これならば大丈夫だろう。


 まずはシミュレーションだ。

 実際に、ヤンデレのキャラになりきってもらい、そんなみゆきに俺がどういう感情を抱くのか確かめる。それでもしみゆきを愛せたら――。


 その時は。


「ヤンデレ系女子になったみゆきを俺は愛す!!」


「私もヤンデレ系女子になる!!」


「「「許されざるものペインパッカー!!」」」

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