〜賢者と精霊〜2

「あれは、昨日の夜の事でした」


記憶がフラッシュバックする


「私はあの時、夜の秘め事をしていました」


 その夜の秘液の量はいつもより少し多かったです。

そして、私の体は特殊で、秘液が出ると魔力を消費してしまうのです。

お母さんが言うには、私の秘液には特別な効果があるというのです。だから魔力が消費すると言っていました。私は事後処理をして、掲示板を見ました。


「掲示板には、何かお知らせが来ているのでしょうか?これは…...ど、どうしよう、明日が精霊集会だったなんて。今すぐ行かないと、今夜の出席確認に間に合わない。こ、こうなったら、一か八かで転移魔法を使うしかありません!転移魔法はこの間習ったばかりなのですが、成功するでしょうか?ええい!迷ってる暇などありません!大事に至らない事を祈るばかりですが、いきます!"ヘイルンレイクン"!転移、神聖樹寮189号室へ!」


 秘匿領域への転移のための合言葉を言い。リオナの髪の毛が舞い上がり、足元に魔法陣が浮かび上がる、そして、光が閃光し、リオナの姿が消える。


 しかし、その時の私は、深く魔力を消費した事をまるっと、忘れてしまっていたのです。補足で言いますと掲示板とは精霊掲示板の事で、精霊内での重要なお知らせが書かれているものですそして案の定、失敗してしまい、あの森へと、転移してしまったのです。その上、魔力欠乏症になり、その時に、貴女様に助けられたのです。


 フラッシュバックが消え、現在に戻る


「なるほどね。大体の事はわかったわ。あと、あなたがかなりドジなところもね」


「うぅ、それは、その時だけです!普段はしっかり者です!」


「わかったわよ。冗談、冗談。それと、貴女様っていうのはやめて、私の名前は、ロイカ≡ミランダ。ロイカでいいわ。」


「はい!ロイカさん私の名前は、リオナです。主に上級精霊やっています!」


「リオナね、いい名前だわ。ところで、さっきお礼をさせて欲しいって言ってなかった?」


「はい!私にできる事ならなんでもします!」」


「なんでも、ねぇ」


 どうしようかしら、この子に頼むなら、どんな事がいいかしら?......あ、そうだわ


「あ、あのロイカさん」


「何かしら?」


「その、さっきなんでもって言いましたが、あの、いやらしい事は極力避けていただけませんか?」


「大丈夫よ、いやらしい事はしないから。リオナちゃんにしてもらいたい事は一つ……私の助手になってちょうだい」


「それって実質一つじゃないですよね?」


「あ、よく考えたらそうね。ま、まぁでも、強要はしないから。でも、その秘液って言うのには興味があるけど」


「別に嫌というわけではないので、ぜひやらせてください!でも、秘液を出すときは、別室でお願いします。」


「えぇ、わかったわ。じゃあ、これからよろしくねリオナ」


「はい!こちらこそよろしくお願いします!ロイカさん」


 リオナは精霊集会に遅れてしまい。怒られるのが怖くなり、ロイカさんの元に少しとどまる事にしたのであった。


––現在


「私たちが出会った時って、思い出すたびに、本当にハラハラするわね。少しでも遅かったら、リオナはここにはいなかったかもって思うと、助けられて本当に良かったわ」


「私もここに居られて本当に良かったです!ありがとうございます、ロイカさん!」


「こちらこそ、リオナがここにいてくれて嬉しいわ、ありがとう。でも、あんな危ない出会い方はもうしたくないわ」


「そうですね。......では、私、薬草に水をあげてきます。」


「わかったわ、いつもありがとうね。」


「いえいえ、私はロイカさんの助手ですから」


 リオナが木のジョウロを持ち庭に出た瞬間。リオナが慌てて家に戻ってくる。


「ロイカさん空から人が落ちてきました!」


「本当に!?今行くわ!......私って、危ない出会いの呪いでもかかっているのかしら」

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る