ショセキカ  ──白いワンピースを着た亡霊とWEB小説の書籍化契約をしたら──の評価

 評価開始から二週目です。

 八日目の今日のトップバッターはTrijicon.さん作「ショセキカ  ──白いワンピースを着た亡霊とWEB小説の書籍化契約をしたら──」の評価です。

 なお本日、バイトのためこの一作のみの評価です。


 タイトルから「何事だ!?」な感じですが、第0話を読んでみると「やってくれたな!」って感じです。

 まさか、こんな皮肉のような設定を選んでくるとは!と素直に驚きました。

 実際問題、YouTubeの登録者数を伸ばすために相互登録なんて言うのが一時期流行っていました。

 しかし、あまりにも深刻化したためYouTubeの利用規約で相互登録の禁止が発表される事態に。

 流石に書籍化された小説はPV数もきっかけだけで、内容を担当編集が確認しているはずですから、不正の上に書籍化して儲けられるなんてことはないはずですが、発想が面白いなぁと思いました。


 どうでもいい話ですが、主人公の名前が御影。

 シナリオライターで御影と言えば「D.C.〜ダ・カーポ〜」「ef」なんかを思い出しますよね(笑)※通じないか……

 なので、どうせその名前を使うならパロディがあると個人的には嬉しかった。※知らないものは入れられない……

 ちなみに、更にどうでもいい話ですが、シャフトによってアニメ化された「ef」ですが、原作となる18禁PCアダルトゲームのOPはアニメーションになっていて、そのアニメーションの制作総括がかの有名な新海誠監督。そして、作曲が新海誠監督と一緒に「秒速5センチメートル」を制作した天門だったりします。というか、天門さんは普通に「ef」作った会社に移籍してます。※二人とも元々は今年発売の「閃の軌跡Ⅳ」を制作している日本ファルコムの人


閑話休題。


 読み進めていると早速気になる点を発見。


―第一話より引用―

 僕は根っからの執筆依存症で、進路活動に忙しい今も、小説のことばかり考えている。彼曰く『文字という世界で自分の思うがままにキャラクターを躍動させること』がストレスの発散材となっているらしい。

――


 僕から始まっているため、一人称で話が進む訳ですが、何故か「彼曰く」と三人称視点に移っています。

 これは構成的にかなりマズいです。


―修正案―

 僕は根っからの執筆依存症で、進路活動に忙しい今も、小説のことばかり考えている。

 あまり意識したことはないが、どうやら『文字という世界で自分の思うがままにキャラクターを躍動させること』がストレスの発散材となっているらしい。

――

 

 なんて感じにすると自然になるかと思います。

 あと、純粋に改行少ないです。

 ラノベ作風で募集しているので、ラノベを想定して書いていると断定しちゃいますが、ラノベを想定しているにしては改行がなさ過ぎです。

 先の評価で書いてますが(「オタギャルの相原さんは誰にでも優しい」の話)、ガツガツ「コレでもか!」ってくらいに改行しましょう。

 

 プロットが七割方完成している。

 羨ましい話ですね。私はプロットの書き方がいまいち分からない――というより、書いたところで、書き上がると全然違う話になってるので、書くのをやめました。

 何となく反省。


 そして、カクヨムの悪いところをいい感じに突いてくるのが読んでて面白い!

 正直PV取るなら小説家になろうの方がいいですからね。

 私の書く「才女の異世界開拓記」は皆さんのおかげもあって、今でこそ100PV超えましたが、小説家になろうで昨日更新したら、一日で200PV超え累計4000PV超えを達成しました。

 カクヨムは非常に書き心地のいいプラットフォームに仕上がっていますが、多くの人に見てもらおうと思うとなろうの方がいいのかなと思います。


 総評としては、書籍化に目を付けた一風変わった作品という印象。

 ただ、後半で異能力バトルに発展すると分かった時は、「あぁ、やっぱりそうなるの?」と思いました(あらすじ読んでないだけと言われればそれまでですが(汗))。

 亡霊が出てくるだけでは非現実的な世界観を表すことは出来ません。

 それは「ヒカルの碁」を読んで貰えれば分かるかと思います。藤原佐為亡霊は17巻くらいでいなくなっちゃいますしね。

 なので、第0話で異能力バトルに発展するよっていうのを、もっとチラつかせた方が良いかも知れません。

 極端な例ですが「家庭教師ヒットマンREBORN!」において、6巻までギャグ漫画だったのに、10巻(ヴァリアー編)からはバトルモノになります。

 今まで死ぬ気弾で暴走気味だった主人公が、次は小言弾でメッチャクールな主人公になるんですから何があった?という話です。

 それを抑えるためのワンクッションとして、7,8巻(黒曜編)があるわけです。

 主人公が喧嘩を売られた理由から、小言弾を手に入れるまでが詳細に描かれ、うまい具合にバトルモノへと変わって行く構成になっています。

 アニメも素晴らしい出来でしたので、見たことなければ一度見てみると良いかも知れません(未来編は色々とオリジナルが入ってくるので原作の方が良い気もしますが……)。


 これを元に私なりに第0話を書き換えてみるとこんな感じ。


―第0話最後から引用・編集案―

 それは打診にも近い誘いだった。

 その少年は迷わず亡霊と契約を交わした――根拠のない嘘やハッタリとも疑わず、二つ返事で契約を交わしてしまったのだ。

 しかし、それはあながち嘘などではなかったのだと、少年は後に察する。

 学校の屋上で、目の前に光り輝く剣が突きつけられる。

 少年の制止を無視して、剣の主は躊躇いなく少年に剣を振り下ろした。

 生き残る――彼女が仕掛けた遊びは、途方もない小説家、いや、小説同士の殺し合いだったのだから。

 その事を、止まった世界で少年は理解した――

――


 後の展開が決まっていたのであれば、このくらい非現実的要素をぶっこんでしまっても良かったように思います。

 以上、参考になれば。

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