パーフェクト・ゼロフィクションの評価

 評価開始七日目。遂に一週間が経ちました。

 Steam用にSSDを増設したらPC起動しなくなって、アレやコレやとやってる内に気がついたら三時間くらい使ってました……(今日書こうと思ってた新人賞の方、全然書き終わってないよ……)

 とりあえず、復旧できましたが、Windowsはゲームインストール中なのでいつも通りMacで評価を書いていきます。

 当然ですが、PCに時間取られてしまったので今日はこの一作だけです。

 自作は慣れないと大変ですね(汗)


 というわけで、本日はセフィーネさん作「パーフェクト・ゼロフィクション」の評価をしていきます。

 セフィーネさんは高校生(プロフィール参照)のようですが、容赦しませんので心して読んで――というほどヤバい出来なんてことはなく、よくある魔法モノだなぁという印象を受けました。


 私個人の見解として、日常を送ってた人が非日常に巻き込まれるパターンのお話って、まず最初に巻き込まれたところからスタートするのが良いですよね。

 本作ではそれが使用されています。

 主人公がナイフを突きつけられるところからスタートです。

 こういったスタートの場合、如何に興味深く書けるかがポイントになります。

 例えば、名作「灼眼のシャナ」なんかがそれに該当します。

 私が今まで読んだライトノベルの中で、コレ以上に引き込まれる始まりをした作品を見たことがありません。

 ただの日常を生きていた主人公がいきなり、非日常に追いやられ、挙げ句ヒロインに「おまえは人じゃない、物よ」って言われる始末。

 逆に、「甘城ブリリアントパーク」のような変化球も存在します。

 会話文からスタートするこの作品。最初にヒロインからデートのお誘いがあります。

 読者は「へぇ主人公モテんだなぁ」としか思わないわけですが、その後に「マスケット銃を突きつけられながら」って付くんですから「普通じゃない!」って思いますよね?

 始まりとしては、ただただ巻き込まれて死にそうになるという捻りもないテンプレな印象です。

 上記の様な捻りは欲しかったように思います。


 似たような始まり方をするものに一つ心当たりがあります。

 MF文庫史上恐らく最年少で佳作を受賞したと思われる作品「オーバーイメージ」です。

 作者は1994年生まれ現在23,24歳な訳ですが、彼が受賞したのは高校二年生(16)の時です。

 正確には高校一年の三学期に書いたもので受賞したんだとか。

 もう、七年くらい前に読んだっきりなので、内容をあまり覚えていませんが、やはり主人公が非日常に巻き込まれるところからスタートします。

 助けられるし、自身の力に自覚がない。


 この手の始まり方は今でこそ見なくなりましたが(主になろうのせいで異世界&俺TUEEフィーバー状態のため)、ないかと言われれば普通にありました。

 特に、巻き込まれ主人公となれば無数にあるはずです。

「灼眼のシャナ」

「緋弾のアリア」

「甘城ブリリアントパーク」

「ギルティクラウン」

「魔法戦争」

 などなど。

 異世界モノは最早、そのジャンルだけで見て貰えるので、中身の内容で勝負できますが、本作の場合は流行からズレているので始まり方で如何に読者を引き付けられるかが勝負になります。


 唐突に個人的な話になりますが、プロフィールにある通り、私はYouTubeにゲーム実況(みたいな何か)なんかを投稿しているわけですが、その収益の管理をしているのが任天堂(NintendoCreatorsProgram)とヒカキン率いるUUUMが運営するMCN(UUUM NETWORK ※UUUMの人ではありません)です。

 こんな特異な人間であるために、UUUMから色々と参考になる知識を得られる訳ですが、YouTubeの動画を最後まで見るかは最初の五秒くらいらしいです。

 私、挨拶しかしないんで物好きな人しか登録してくれませんし、見てもくれませんが、面白い人って最初に今回の目玉になる部分を少しだけ見せるんですよね……

 というわけで、文章においても始まり方って非常に重要な事柄なわけです。


 そういう意味ではプロローグは良かったように思います。

 ただ、三和の介入タイミングや、その後の展開が早過ぎる気がします。

 その後には、先生が実は魔導師だったなんて設定がありますが、あれこそ隠しておいても良かったと私は思います。

 というのも、「デート・ア・ライブ」のネタバレになりますが、一巻から登場する主人公のサポート役な人が、最新刊で実はラスボスだったなんて超展開が待っています。

 実は、魔導師で陰ながらに見守っていたなんてベタな設定ですが、変に最初から正体を明かしているよりはいいようにも思います。


 総評としてはちょっとゆっくり書きすぎな割に唐突にご都合展開になっている印象。

 どのキャラもタイミングよく出過ぎに見えます。

 プロローグ+十話の計十一話分読みましたが、まだプロローグを抜け出せてないようにも思いました。


 ただ、高校生(何年生かはしりませんが)の頃の私は、もはや人に見せられないほど酷い文章しか書けていませんでしたし、話も滅茶苦茶でした。

 そう考えると、これだけ書けるのであれば、思い切って一作書いてMFの新人賞なんかに出してみるといいかもしれません。

 MFの新人賞は一次選考落ちの作品にも評価シートをくれますからね。


 以上、あまり参考になりそうなことを書けませんでしたが、何か感じるものがあれば幸いです。

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