ゴブリンと復讐の少女の評価
評価開始六日目、ばえるさん作「ゴブリンと復讐の少女」の評価です。
本作は最近わりと見かけるようになった要素「復讐」をテーマにした作品です。
「復讐」と言えば、「二度目の勇者は復讐の道を嗤い歩む」と「回復術士のやり直し」がコミカライズしてますね。
まぁ、「回復術士のやり直し」は裏切った王女とかその妹とか諸々、性奴隷にしちゃうようなお色気満載(というより、漫画もスニーカーの原作もおもくそ挿絵入れてます。ライトノベル的に大丈夫なのか?)なので、耐性ない方は「二度目の勇者は復讐の道を嗤い歩む」を読んでみるかといいかと。
さて、全体的な印象ですが――忙しない。
読むとよく分かると思うのですが、バトル→バトル→バトルとまるで休む間もなく戦い続けます。
最近注目を集めてきている復讐に目をつけるのは良かったと思いますし、王国と対立するという構図も悪くありません。
しかし、このままでは主人公が女の子になっただけで、ただただ魔族を薙ぎ払う「無双モノ」にしかなっていないように思います。
もう少し、開放した街での出来事を書き込んでも良いのではないかと思います。
さて、最初の疑問ですが、ミルマの矢は一体何本あるんでしょうか?
一体、いつ何処で補充しているのかが分からない。ギルガメッシュの宝物庫やら、龍宮さんの異空間弾倉があるならともかく、そもそも魔法という設定がないと見受けられる以上、異空間収納という概念がないわけで……
次に「復讐=殺しまくる」というのは違うかと私は思います。
というのも、相手を倒すだけなら別に復讐である必要ないじゃないですか。
これも、私が一通り「二度目の勇者は復讐の道を嗤い歩む」を読んでいるからそう思うのかも知れませんが、復讐の醍醐味は如何に
そのトリックや残虐さが売りになるからです。
ニュースなんかで見るイスラム国の殺し方は酷く残虐だと言うのはご存知かと思います。
ネットで探せばモザイク無しの処刑シーンが画像で公開されていたりもするほどです。
首を生きたまま切り落とされ、亡き体の上に頭を乗せられる。
檻に閉じ込められたまま生き埋めにされる。
生きたまま燃やされる。
あまりにも非人道的で酷い殺し方ですが、「復讐」をテーマにする以上、そこに焦点を当て書き込まなければいけません。
共感出来る要素が必要だと言った説明に置いて、「感情」「妙なリアルさ」が主流の要素だと私は言いました。
この場合は「感情」が該当するかと思います。
どれだけ、相手のことを憎んでいるかを、殺し方の残虐さで表現するのです。
残虐であれば残虐であるほど、キャラクターの抱える闇の深さが表現できます。
最後に、会話文について
―第九話より引用―
「いやあそれがですね、僕としては死んでくれた方が都合が良かったんですよ」
「魔族との共存?甘い考えですよね、もう犠牲者が出ている、なのにこの期に及んで自分だけ安全な場所から指示を出すだけ」
「ウンザリなんですよ、今の国王のやり方には……貴方も、そう思うでしょう?ミルマさん」
――
これ、連続してメストのセリフが来ているのですが、括弧で区切ってる理由はなんでしょう?
例えば相手が魔物で、顔が幾つもあってなんてシチュエーションなら分かるのですが、これでは読者に混乱を呼ぶだけです。
分けるなら、既に書いている内容ですが、「幼女さまとゼロ級守護者さま」や「クロス・コネクト」同様に改行だけで十分です。
また、「、」だけで区切っているのもよく分かりません。会話文内であっても普通に「。」は使って問題ありませんよ?
あと、「?」「!」の後は一マスあけるというのも忘れずに、詳しい内容は過去の評価で書いてますので探してみてください。
―修正―
「いやぁ、それがですね……僕としては、死んでくれた方が都合良かったんですよ。
魔族との共存? 甘い考えですよね。
もう犠牲者が出ている。だというのに、この期に及んで自分だけ安全な場所から指示を出している。
ウンザリなんですよ。今の国王のやり方にはね。
貴方も、そう思うでしょう?――ミルマさん」
――
どうでしょうか?
私としても色々感覚的に弄ってしまったので、これで大丈夫かは自信ありませんが、このくらいの心構えで改行してしまえ!ということで一つ。
以上、参考になれば。
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