転生して気ままな人生を過ごしたい? だが断るっ!の評価

 南木さん作「転生して気ままな人生を過ごしたい? だが断るっ!」の評価です。


 読めば分かります。凄く勢いがありテンポのいい作品です。

 表現も豊かで読んでいて、とても面白いと感じました。

 特に、私個人としては戦闘ケンカシーンが凄いなぁと思いました。

 迫りくる恐怖と流れるように受け流す主人公の技。

 文章だけになり過ぎず、こまめに会話文も入っていてとても読みやすい構成です。

 ただ、最初に前世の話を持ってきたのは悪手だったかもしれません。


―あらすじより引用―

※作者注:転生前の物語が非常に長いので、さっさと転生後を読みたいせっかちな方は、2~7を飛ばして第8話を読んでください。

――


 ということは、つまり、二〜七話まで読まなくても内容が分かってしまうということです。

 なら、飛ばしても良かったかも知れません。

 何せ、冒頭はまず自分の作品に読者を引き込むところから始めないといけませんから。

 作品例に「カンピオーネ!」を挙げておきます。

 イタリアの巨乳少女から、銀髪の少女に、巫女×2に小学生まで侍らせる凄まじい主人公の話ですが……

 この作品は神を殺した神殺しの王・カンピオーネが、厄災を振りまく“まつろわぬ神”を奪った神の権能で倒していくというお話です。

 普通に読めば「カンピオーネ? なにそれ」「神殺し? え? 殺しちゃうの?w」などと言った感想になりますが、ちょっとした説明を加えながら書き始めています。

 そもそも、“一般人だった”主人公が第一章でイタリアの魔術師協会から呼び出されるところからスタートする時点で色々と飛ばしているのは分かります。

 読み進めていくと、主人公がここ最近、「カンピオーネ」とか言うのになったということが分かります。

 で、肝心のどうしてカンピオーネになったかという話ですが、三巻でやります――はい、三巻です。

 なので、アニメ化した際には三→一→二→四→五巻の順で制作されました。


 この作品の場合、過去の話が長々と書かれている、しっかりと書き込まれているように思います。

 なので、この程度で終わってしまうのが勿体ない。

 二人が近づくまでが一目惚れにしても早すぎるし、主人公の周りが、友人たちが狂い始める過程をもっとよく書き込むと過去編として確立出来たのではないかと思います。

 ただ、当然ですが、そのような構成にした場合は冒頭に入れると「異世界何処行った?」となってしまうので、「カンピオーネ!」同様、後々に組み込むということになるかと思います。


 最後に、ライトノベルを想定した(募集要項でそう指定しているので、本人の意思に関わらず、そういうものとします)作品としては、改行が少なすぎる。

 もっと、もっと改行して大丈夫です。他の評価で「オタギャルの相原さんは誰にでも優しい」の話をしましたが、ラノベは改行しすぎなくらいが丁度いいみたいです。

 じゃんじゃん、改行しましょう。


―最強の弱者 前編より引用―

【元】

 玄関に入ったときは誰もいなかったはずなのに!


 僕の目の前に立っているのは、身長190cmを超えるメガネをかけた大男。黒ずくめの服の上に白衣をまとっていて、その容姿はさながらマッドサイエンティストだ。でも残念ながら、その正体はごく普通の三十代後半の町医者で、名前は竜舞寿実りゅうまい ひさみという。僕が世界で二番目に恐れる人物だ。


【編集】

 玄関に入ったときは誰もいなかったはずなのに!


 僕の目の前に立っているのは、身長190cmを超えるメガネをかけた大男。

 黒ずくめの服の上に白衣をまとっていて、その容姿はさながらマッドサイエンティストだ。

 でも残念ながら、その正体は三十代後半になるごく普通の町医者で、名前は竜舞寿実りゅうまい ひさみという。

 僕が世界で二番目に恐れる人物だ。

――


 こんな感じで、「。」ごとに改行くらいの気持ちでも大丈夫です。

 続けて書くのは文章の流れ次第。作者各々の感覚次第なところがあるので、自分なりのやり方を探してもらえればと思います。

 一応、私個人の感覚ですが例を挙げておきます。


―編集例―

 その正体は三十代後半になるごく普通の町医者だ。

 名を竜舞寿実という。僕が世界で二番目に恐れる人物だ。

――


 以上、参考になれば。

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