お抱え様
いすみ 静江
生業
「いただきます」
これは、
凛花の
『お
凛花が餌の時間だけ、神に許された、四分五十九秒。
この間に『お抱え様』に戻らないと、地球が無くなってもおかしくない。
凛花は、早く飲み込んだ。
四分四十八秒。
末広がりの八が入るように戴く。
「ごちそうさまでした」
米粒ひとつないお膳に手を合わせる。
後ろの襖を引いて、畳に頭を擦り付けた。
「お待たせ致しまして、申し訳ございません」
なまめかしく凛花が
――凛花の身の丈程の『核』だ。
『お抱え様』の巫女を生業とする。
次の餌は、二十四時間後。
それ迄、邪念なくお守り致さねばならない。
さもなくば、終わりのない世界が、後、五分で――。
……無になる。
<了>
お抱え様 いすみ 静江 @uhi_cna
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