第6話 幸せが当たり前…

私は毎日が楽しい。

私はK君と毎日遊んでもらっている。

お世話のほうも必然的にK君が私の担当になってしまっていた。まぁ無理もない。Hちゃんはお仕事があるわけで、一緒にいる時間はK君のほうが圧倒的に長いのだから。

まだ散歩の許可がおりてない時は、抱っこしてK君がお家の周りの風景を見せてくれたりしていた。『ナナ、あれが電車!お空のあれが飛行機やで!今通ったあれが新幹線や!なぁ凄いなー♪』って。私はキョロキョロしながら、初めて見る世界をK君に抱かれながら堪能したりしていた。

お買い物をするK君と二人でコンビニに行ったりもする。(私は車で待ってるだけだが)

洗濯物を干せない日は、乾燥機をかけにコインランドリーにも一緒に行く。『ナナ、クルクルに一緒に行こうか~♪』(乾燥機がクルクル回ってるから勝手にクルクルデートと呼んでいた)

乾燥機の待ち時間が長い時は、たまにK君の実家にも寄ったりもしていた。

お家の中にはバァバ(K君のお母さん)が居て、『ナナちゃん、ナナちゃん♪』と言ってかまってもらえる。たまにフルーツとか食べさせてもらったりもしてたなぁ。

たまにしか行かないけれど、私はバァバにもすぐ慣れる事が出来て、私はK君に『バァバに会いに行こうか?』って言われたら自然にシッポを振るようになっていた。

そんなこんなで、K君と一緒に過ごす時間が長いせいもあって、K君がトイレにいる時は扉の前で待ち伏せ、お風呂に入ってからは、出待ちをする通称K君ストーカー癖までついてしまっていた。

Hちゃんに『ナナちゃん、あんたどんだけK君の事が好きなん??』ってよく言われてたもんだ(笑)

でも、Hちゃんも私のカットの事やら予防注射の病院の事やらはきちんとやってくれてて、けして私のお世話を怠ってるわけではなく、おもちゃのお土産買ってきてくれたり、お風呂に一緒に入れてくれたり、一緒のお布団で寝たりと、私にとってはどちらも必要不可欠な存在だった。

この二人との生活は、毎日繰り返しやってる事なのに、幸せなのか当たり前に普通なのか、わからないくらい充実していたんだ。

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