第192話雪絵の最後の学園祭でバンドの演奏をする

 そうこうしているうちに月日は流れて、とうとう雪絵が大学四年生となり、雪絵にとって慶応SFCでの、最後の大学の学園祭の日がやってきた。

 慶応SFCの学園祭で、雪絵たちは『TEAM THE END』というバンド名で、ラルクの最新の楽曲からいくつかを、演奏することになった。

 そして慶応SFCの学園祭の当日、雪絵たちが実際に演奏する順番が回ってきた。演奏する冒頭で、ボーカルの雪絵はこう言いはじめた。

「バンドのメンバーは皆……私の中学のときの仲間たちです……。卒業した大学は……皆それぞれ違いますが……私たちの演奏を……ぜひとも聴いて頂けますでしょうか?」

 雪絵はそう言って六人は『CHASE』と『XXX』を、連続で演奏した。

 二曲を歌い終えた雪絵は、

「私がこの慶応SFCに入学出来たのも……この仲間たちがいたおかげです……そのことは本当にバンドのメンバーに……心から感謝をしています……その感謝の気持ちを込めまして……それでは祝福の鐘『BLESS』を……心をこめて歌います……聴いて下さい」

 そして六人は『BLESS』を演奏した。『BLESS』を歌い終わった雪絵は、最後に次のように言った。

「最後の曲『GOOD LUCK MY WAY』を歌います!」

 そう言った雪絵は、普段ではありえないハイテンションで、最後の曲である『GOOD LUCK MY WAY』を、歌い切った。

 歌い終わった雪絵の眼には、涙があふれていた。それを見た瞳たちが雪絵を囲い、六人が肩をたたき合う。

 最後に雪絵が、震えるような涙声で、

「最後まで演奏を聞いて下さりまして……どうもありがとうございました!」

 そう言って六人皆でお礼をして、六人はステージを下りた。

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