第142話健のドラムについて
健は大学に在学中は、どこか決まったバンドには所属せずに、頼まれたらその都度、いろいろな大学に通っている学生たちが集まったバンドの、ドラマーとしての助っ人として、活動していた。
健のドラムは、健が大学へと入学してからは、ますますプロのドラマーと比べても遜色のないレベルまで、ドラマーとしての腕は上がっていったのだが、健自身は、ドラムのプロとして食べていこうとは、これまた一切全く考えてなどいなかった。
それもそのはずで、そもそも実家の電気工事の仕事を継ぐために、電気の大学へと進学したようなものだから、それはそれで、当然ともいえる。
そのことを健の父親は、うっかり葉月に話してしまった。すると葉月は、
「へえー。健くんってドラムが出来るんだ。凄いね。よくあんなゴチャゴチャした配置の楽器を、演奏出来るんだね」
このように葉月は、ドラムが叩けるということだけで、えらく健のことを、褒めちぎってきた。
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