第39話大の方の便の出が悪くなってきたので主治医に相談する
雪絵は最近また大の方の便の出が悪くなっていた……。今までであれば午前六時までには、腸管が空になっているのでは? と思うぐらい、きちんと規則正しく出ていた大の方の便が、ここのところきちんと出なくなったり、また出たとしても、実際に食べている量には見合っていない量しか、大の方が出なくなってしまったのである。
(今日そのことを…主治医の出井先生に…話をしてみよう…)
こうした決意をもって、主治医の出井先生との診察のために、雪絵はいつもの歌舞伎町の病院へと向かった。
実際に主治医の出井先生との診察がはじまったが、雪絵は主治医の出井先生との診察の冒頭で、主治医の出井先生に、精神科の薬が特に増えているわけではないことも含めて、主治医の出井先生に、なるべく正確に現在の症状のことを伝えた。
すると診察を行なった雪絵の主治医である出井先生は、少し困ったような顔つきを見せた後で、
「考えられる手は、既に出し尽くしているのだよね。ラキソベロンに、アローゼンに、アミティーザと……。あと残っている手としては、またプルゼニドを出すことぐらいしか、今の段階では、ちょと思いつかないなあ……」
そう言って出井先生は、少し悩んだそぶりを見せると、雪絵に対して、
「やっぱり今思いつく対処法はプルゼニド……。これぐらいしかないから、プルゼニドをまた追加で処方しておこうね。ただこの薬は、連続して飲み続けていると、そのうち体に耐性がついて効かなくなってくるから、一回飲んだら最低でも三日は空けてから、次を飲んでね」
「それから……」と言って主治医の出井先生は、
「どうしても便の出が悪くなっている要因が、笹森さんとしてやっぱりどうしても気がかりであるのならば、一度笹森さんの大学が夏休みに入ったときにでも、大腸の内視鏡検査をやりましょう!」
そこまで主治医の出井先生の話を聞いた雪絵は、
「わかりました……大腸の内視鏡検査の方を……よろしくお願いします……」
そのように雪絵は出井先生にそう言って、この日の消化器外科の外来は終わって、いつものように出井先生から一ヶ月分の薬の処方箋をもらって、薬を薬局でもらって、帰宅することとなった。
実際に再び処方されるようになったプルゼニドを、主治医の出井先生から言われた通りに、飲むようになってからは、また再びちゃんと大の方の便は出るようには一応は回復はしたのだが、大腸の内視鏡検査は予定通り、大学が夏休みのときに受けようと、雪絵はそう心に決めていた。
ただ、どれだけ大の方の便の出が悪くなったとしても、生理だけはいつも決まったときにやってくることに関しては、ちゃんと決まった頃に女の子の日がきちんとやってくることについては、雪絵は安心を覚えてはいた。なぜならば精神科の薬を飲んでいると、薬によっては生理不順に陥りやすい薬もあると、インターネットだったか、あるいは何かしらの本で、そのことを雪絵は知識として、事前に知ってはいたからだ。
(主治医の出井先生に……そのことを言うの……すっかり忘れていたなあ……でも生理は……もしかしたら取り扱っているのは……産婦人科の内容かもしれないから……主治医の出井先生は……消化器外科の先生だから……もしかしたら主治医の出井先生にとっては……専門外で……答えようがないのかもしれないけれども……)
帰りの電車の中で雪絵はふと、そんなことを、考えていた……。
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