第46話物理の勉強その1
徹也はそう答えた後に、話を続けて、
「物理学っていうのは『数学を言語』として……あっ、ちょっと難しい言い方だったかな? ようはこの世の現象を数学で表す学問なんだ。だから数学を使わない物理学の教え方は、物理学じゃないと、俺は思っているのね」
そう言った徹也は「ただなあ……」といった感じで、
「物理を勉強するために必要な数学の勉強は、数学専門の教科書を使って勉強した方が良いと俺は思っているのね。物理に必要な数学だけを抽出して解説している教科書があたりするけれども、あの教科書の類いは大抵が説明が雑であったり、もしくは中途半端だったりするのね」
徹也はそう言って、カバンから別の本を取り出して、こう言った。
「この和達先生が書かれた『物理のための数学』って本は、まだ良く出来ている方なのだけれども、それでも、例えば線形代数の分野なんかだと、説明は数学の教科書の方が、残念ながらわかりやすいのだよね」
徹也は続けて、秀美にこう話した。
「物理は数学を『言語』として、割り切って使うものだから、数学の勉強をしている最中に数学にはまってしまうと、それこそ本末転倒なのだが、こればっかりは仕方のないことなのだよね」
それを聞いた秀美は、次のように徹也に聞いてみた。
「でも、物理で使う数学だけを解説している本を使った方が、物理で使う部分だけの数学が解説されているのだから、余計な部分を勉強しなくて良いし、むしろ効率的なんじゃないでしょうか?」
秀美からのその問いに徹也は、こう答えた
「いや、そういった教科書や参考書はたいてい、ようするに説明が簡潔過ぎて、記述に余裕がないのだよね」
秀美はいきなり数学や物理の『学問』としての勉強は、自分には敷居が高過ぎると思ったのか、
「まず先に数学や物理学の『発展の歴史』を勉強したいときって、どうすれば良いのでしょうか? どういった本を読めば……」
秀美がそう聞いてきたので、徹也は、
「まず『物理学』に『数学』の面で携わった天才たちの歴史を学びたければ……そうだねおススメの本は『東京出版』って出版社から出ている『数学を愛した人たち』という本が、まず第一に出てくるかな?」
そうは答えたが、ただ徹也は、自らその本を紹介したのにちょっと首をひねりながら、こう付け加えた。
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