第8話お祝いの飲み会その1
「久しぶりだなあ。皆と会うのって……」
大学三年生となった橋部今日子は、桜吹雪が舞う中、飯田橋駅の桜並木を一人歩いていた。
飯田橋から市ヶ谷にかけて、大きなほとりの両サイドに桜の木が植えられており、そこに植えられていた桜たちが、咲き乱れていた。
「桜、本当に綺麗だなあ」
今日子がそうつぶやく。この桜並木が毎年見れるのは、東京理科大学に通っている学生だけの、特権かもしれないと、今日子はそう思った。
今年は例年よりも桜の開花がやや遅かったせいか、偶然にも東京の桜は、今日が満開の日を迎えていた。
今日は中学のときの同級生だった笹森雪絵の、念願叶っての慶応大学への進学と、橋部今日子の二十歳のお祝いを、中学時代のクラスメイト達と祝ういわゆる『飲み会』が企画されていた。
八候中学校の中学三年生を、一緒に過ごした梶原瞳・高坂園里・笹森雪絵・橋部今日子・保科徹也・竜崎健の、中学卒業時のクラスメイト六人と、当時担任だった奈良美咲が丸々全員揃うのも、久しぶりである。
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