第14話 わいせつ行為は犯罪じゃ!

デート当日。

      

早く準備を済ませた俺は、駅から時刻表を読んで、ある観光列車の時間を調べている。最寄りは大和西大寺。複雑な平面交差で有名な駅だ。


「そういや乙葉って、なんかICOCAみたいなカード持ってる?」


「特になんにも持ってないよ。オーカードだけ。」


なんでオーカードを持ってるのか気になるが、何も持ってない事が判明。



大和西大寺にて


「うわー、凄いいっぱい電車くるやね。」 


「俺ら乗るんが45分って書いてある三宮行きの電車な。」


「春兄ってそういうの詳しいんやな。見直したよ。」


「そんなことで見直されてもな…。まあいいからホームに上がるよ。」


ホームに上がると、5820系の神戸三宮行き快速急行が停まっていた。クロスシート状態で。


「なんか何時もと違う座席やね。二人で座れる♪」


何故か喜ぶ乙葉。

そんなに二人で座りたいんか。


電車は動き出した。


「なあ、乙葉ってツンデレなんかな?」


「そっかな~?あんまり自覚ないけどな。」


「なんかツンツンしてるときもあるしさぁ、凄い甘えるときもあるし。この前なんか寝言で『春兄助けて~』って(ry」


乙葉は顔を真っ赤にして、俺の口を塞ぐ。


「――!?もう、絶対言わないでよ?」 


と、ツンツンした。



やがて電車は難波に着き、降りた。


「ごめ~ん、ちょっとトイレ行ってくるからここで居ってな。絶対動くなよ此所から。」


※※※


春兄がトイレにいってる間、此処で居ると2人の男の人が近寄ってきた。


「そこの女の子?ちょっと一緒にホテルでも行こか?」


「そうそう、君だよ君。」


凄くチャラそうな男の人が寄ってた。


「へっ!?」


気が付くと胸を触られてた。


「はは、その反応マジヤバいんやけど。」


「JCか?JSやったらヤバいな。」


※※※


なんか凄い男が乙葉に近づいてる。


ん!?

むっ、胸触られてる!?

思わず突入してしまった。

「おいアンタら、何をしてるんや。」


「邪魔すんなよ~お兄さんや。」


「いいからさっさと答えんか!! このろくでなしらが!」


怒りが頂点に達し、怒鳴ってしまう。


「ふざけんなこのガキが!って、うっ痛いな!」


「いいんか?アンタらが此処で殴ったら傷害罪が成立するで?傷害罪は15年以下の懲役刑、または50万円以下の罰金刑や。まあもう刑法176条、強制的に13歳以上の男女に性的な脅迫・暴行を加えてわいせつ行為をする罪にピッタリ当てはまるからな。その場合は6ヶ月以上7年以下の懲役刑やな。」


「うっ…お前かって俺の腕掴んでるやんか!」


「お前は馬鹿か?刑法36条1項に当てはまる正当防衛やからな。お前は違法行為をしている。それを俺は加害者を守ってる。過剰防衛でもないわ。」


「……くそっ!」


辺りは騒然となり、誰かが通報したのだろう、警察が着ていた。

その場で軽く警察に事情を説明して、身柄を渡した。


  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る