第7話 ヘルパンギーナ

「ヘルパンギーナですね、夏風邪の一種です。」


「ヘルパンギーナって水泡ができたり、高熱を出たしたりするんですよね。」


医者はヘルパンギーナと診断した。

とりあえずカロナールとトローチを出すといった。


家に帰ると、乙葉をベッドに寝かし、伯母さんにお粥を作ってもらった。


乙葉が起きた頃には、伯母さんは帰っていった。


「あっ乙葉、しんどい?」


「うん…。」


「体温計で熱計っといてや。」



体温:38.7℃


「まだ高いな。薬飲ませたいから、お粥さっき伯母さんが炊いてくれたから食べとけよ。洗濯物入れてくるから。」


「……なぁ、お兄ちゃん食べさせて?」


おっお兄ちゃん!?

兄妹になって3日間、お兄ちゃんなんて言われたことない。


「そんなにしんどいんか?しんどいんやったら仕方ないけど。」


「ううん、大分マシになったよ。」


「じゃあ別にいいやん。」


「いやの!食べさせてよ。」


「まあそんなに興奮されても困るしいいか。」


「やったぁ!」


子供みたいに喜ぶ乙葉。こういう時だしいいか。


「はい口開いて。」


プチッ

小さいライトをポケットから取り出す。


「…うーん、まだ腫れてるな。喉痛いか?」


「うん、なんか飲んだら痛いの。」


「そっか。じゃああーん。」


「…おいしい。」


「なんかライオンの餌やり体験みたいやな。」


「えっ…。なに言ってるんよ!もう!」


10分後


「じゃあ食べ終わったし、カロナール飲んどけよ。」


「…なぁなぁ、薬飲ましてよ。」


「あのー、薬くらい自分で…。」


「…だめなの。」


「何が?」


「…粉薬飲めないの、自分で。」


「分かった。じゃあこれ使って。」


「……お薬飲めたね、って何よこれ。」


「ゼリーに混ぜて飲むんや。」






「はいあーん。」


「……うげっ!苦いよ!」


「せやろ、だから俺はこれ買っといたんや。」


「そっか、ありがと。」


俺も飲んだことがある。このピンクの粉は物凄く苦かった。

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